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授業中の「問題行動」、その時どうする?

生徒は生身の人間です。その時その時で気分が行動に現れます。朝、親と喧嘩して来ているかもしれないし、お腹が痛いかもしれない。単純に体を動かしてハイになっていることもあります。体育館などで並んでいて、嬉しい報告や歌を歌って気持ちが上がったらおしゃべりだって、したい。

そもそも「問題行動」なんてものは存在していないことが多い。だって「問題」なのは生徒ではなくこちら側の都合だし、イライラして困っているのはむしろ生徒の方だったりするからです。

ただ、授業中は人数も人数なのである程度コントロールが必要なこともあります。管理することがとても苦手な私の教室の中で何が起こっているのかちょっとだけシェアしましょう。

気持ちと理由を言葉にしてもらってまんま受け取る

授業に行くと、何だか様子が変。やる気が出ない、教材を出さない、自分たちの世界に入って耳を貸すそぶりもない。しかも、1人がそのモードに入ると、近しい人間に伝染しがちです。いつもの可愛い4人娘、何だか気になるなあと思いつつ授業を進めます。

すると、途中で教えてくれました。先生に怒られた、と。こういう時、言うことを聞かない、反抗的と言うことで咎めていた時代もあったのですが、それは逆効果です。

「先生に怒られたから、今何もしたくないねん!」と言うので、こちらも素のままで伝えます。

そっかあ。けどさ、その先生に怒られたから!ってのも分かるけど、それエトー先生の授業受けない理由にするのは悲しいよ。。。

自分がむしゃくしゃしている事実や、その理由を言語化することで少しスッキリするものです。いわゆる模範的な授業態度ではないにしろ、表情が柔らかくなりました。こんな時、本当に愛おしくなります。

年齢のせいかもしれませんが…

人格否定は絶対しない

また、別の時間です。

授業のまえが体育だったせいか、とってもテンション高めの様子。おしゃべりが止まりません。今訳あって、こちらも説明の多い授業をしているので、静かに聞いている生徒たちの顔に少々苛立ちが見えて来ました。困った!

昔なら爆ギレしたふりしてけちょんけちょんにやっつけていたのですが、体力もないし、特にテクもないので素で返します。

リラックスしてていいよ。
君らの楽しそうな様子を見てるのもいいし、
みんなのことは大好き。
けどさ、ずっとお話続けてるとちょと困るんだー。

テクがあるとすれば(今思い出しただけですが)生徒の人格否定にならないように気をつけること。だって実際その生徒が嫌いなわけではないし、楽しそうに話す女子高生を見ていたらこちらも楽しくなる。そこで、行動の部分でこちらが困っていることだけ、私を主語にして伝えます。

生徒たち、なるほどね!と分かってくれたようです。まあ、つまらない授業をしているこちらに原因の半分があることも確かですから、それ以上は言得ません。付き合ってくれていることに感謝しないといけないなんて、ちょっと情けない・・・

何もしていない、と決めつける前に様子をよく見る

Aくん、授業中眠くて仕方ありません。時々声をかけますが、課題が進まない様子。この日はフードマイレージの課題を、表計算で処理してそれを英語で説明するというちょっとスキル的に複雑なものです。

ペアの子も困っているかなあと思ってそっと見ますが、彼女は自分で進めている様子。目の前に椅子を持って来て声をかけてみます。目線が合って、話しやすくなります。

珍しいね、疲れてるやん。どこでつまづいた?今こんなことやってるんだけど、どうかな?

よく見ると、2人が調べていた小麦について、実はペアより先にAくんがすでに調べていたことが判明。やっていないように見えて自分で進めていたんですね。その後の振り返りで、Aくん、「少し眠ってしまったけど、その後は集中できていた。timesを使えばX倍と表せる。」と書いていました。中学校の最初の方で英語が分からなくなったと言いながらもいつも裏で頑張っている姿に心がぎゅっとなりました。

さいごに

生徒に、先生いつも笑顔やな!と今日も言われましたが、かつては授業中笑うことはありませんでした。20年前のわたしは、暴言をはき、暴力を振るうこともありました。そんな話をすると、生徒は目をまん丸にしてこちらを見ます。

ではなぜ変わったのかと言うと、、、ちょっと長くなって来たのでまた明日にします(笑)

今日もたくさん、学んだな、わたし。

もっともっと、学びたい。人間って面白いから。

学びの旅は、つづく。




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