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課題の解決策を調査し、有望な技術を獲得する

前回は、Tech Structureで課題を明確化することで必要となる技術も分かるというお話をしました。その際に補足として、技術の開発は他社に依頼することも選択肢として検討できる、ということをお伝えしました。ただし、どの企業に依頼するのがベストか、ということを判断するのは、必ずしも簡単なことではありません。今回は、有望な技術についての情報を把握し、それを実際に自社で獲得するまでのプロセスについて考えてみたいと思います。

前回の記事はこちら:
https://note.mu/yugo_chikata/n/n190cc57d9704

技術情報を調査・収集する

ケースとして、ウェアラブルデバイスに用いる配線材料の最適化を考えてみましょう。あなたは現在、新しいウェアラブルデバイスを開発しています。その中で、既存の配線材料だと強度が足りないことが明らかになり、代替品を探す必要が出てきました。

代替品を探すためにはどうすればよいでしょうか?
まずは、「ウェアラブル配線」といったキーワードでネット検索をしたり、丁度良い展示会があれば、そちらに足を運んだりするのではないでしょうか。しかし、調べたところ、関連する企業は数社しか出てきませんでした。問題の解決に向けた可能性について網羅的に検討するためには、数が少なすぎるように思えます。

そこで、検討の幅を拡げるため、配線材料に求めている機能を考えてみましょう。今回必要としている機能を考えると、
 ① 電気を通す
 ② 柔軟である
 ③ 強度が高い
といったものが挙げられます。

図1

これらに注目し、同様な機能を持つ製品技術が世の中に無いかを考えてみると、高速で複雑な動きをするロボットアーム向けのケーブルが検討の対象になり得ることが分かりました。また、①②の機能に着目すると、要は電気を通して柔軟な素材があればよいということなので、金属繊維や導電フィルムといった素材・技術も検討の対象になりそうです。これらを扱う企業にコンタクトし、強度の改善に一緒に取り組む、といったアプローチも検討できることが分かりました。

図2

このように複数の調査軸を設定して調査してみることで、計80程度の関連技術およびそれを保有する企業をピックアップしたロングリストを作成することができました。リストをゆっくり見てみると様々な気付きを得ることができます。また、色々な企業の色々な取り組みを知ることで、今後の業界動向を把握することもできます。このように、関連技術に対する理解を深めるためには、一覧化された状態で横にらみの比較検討をすることが重要です。

図3

さて、検討のベースとなる情報は集まりましたが、どの企業に相談するのがベストかを判断するためには、その他にも情報が必要そうです。技術的な観点でのスクリーニングを行うためには、候補となる各社の特許・文献情報や技術開発者のプロフィールなどが参考になります。

図4

また、相談相手が自社の近くにあるか、大企業かベンチャー企業か、などによっても今後の動き方が随分変わることでしょう。そこで、各企業の所在地や規模(資本金、売上、従業員数など)の情報が追加で調査必要になります。これらの情報を整理することで、課題の解決に向けて幅広な検討を行ったうえで、具体的な相談を持ち掛けるべき企業を絞り込むことができました。

有望な企業へコンタクトする

上記の検討が終わったら、次のアクションとして、対象となる企業にコンタクトし、具体的な相談を行うことになります。

相手の企業から有効な情報を得るためには、ヒアリングの方法にも工夫が必要です。どのような連携の座組を想定しているかによって、ヒアリングすべき内容は変わるでしょう。完成品の購入のみを想定するのであれば、具体的な仕様や納期・コストなどの話がメインになりますし、共同開発からのスタートを想定するのであれば、相手の過去の実績や開発体制などが重要となります。相手に確認すべきポイントを事前に整理してからコンタクトすることが重要です。

図5

相談の背景や目指すべきゴールなどが明確になれば、相手に相談すべき内容も明確になります。これらの整理を行うためにもTech Structureは有効です。ぜひ、あなたもご自身の業務の中で活用してみてください。

以上のようにして、最も有効な回答が得られた企業に依頼することで、最適な技術を獲得し、当初の問題を解決することができました。

上記プロセスを効果的・効率的に進めるには?

Co-cSは、今回ご紹介した技術情報の調査や企業へのコンタクトについて、お客様が進める上で必要となるサポートを行っています。
世の中の技術動向や有望な企業・研究機関に関する情報は刻一刻と変化していきます。リアルタイムに有効な情報を得るためには、外部の調査サービスを活用することが非常に有効です。

【調査サービスを利用するメリット】
メリット1.第三者の目線、外部の意見を参考にできる。
メリット2.自社では見つけられない技術を知ることができる。
メリット3.よりコアな業務に時間を使うことができる。


Co-cSによる調査サービスでは、Tech Structureの考え方を活用しながら、課題解決に向けた複数のアプローチをご提案しています。また、独自のデータベースを活用することで、お客様が必要とする情報を他社よりも低価格・短期間でご提供することに成功しました。企業・研究機関へのコンタクトも得意としており、お客様の新規ネットワークの拡大をサポートしています。様々な業界・テーマで、Co-cSならではの事例が豊富にありますので、詳細にご興味をお持ちの際は、お気軽にご連絡ください。

図6


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