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中国茶1000人チャレンジ37人目

中国茶お茶淹れ1000人チャレンジの経過報告です。

▼チャレンジ宣言はこちら
 ※ 1〜3人目のレポも上の記事内に書いています

▼4〜5人目(わたしの父と母)

▼6〜17人目(音声SNSで繋がったお茶仲間)

▼18〜33人目(出版塾仲間)

▼34人目(古巣カフェ社長)

▼35、36人目(中国茶仲間)


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教室の先生と生徒。
師弟関係はない。

それでも私が勝手に
お茶の師匠と(心の中で)呼んでいる先生。

先生の茶藝教室で学んだことが
今の私の茶藝を支える背骨になっている。

本当はもっと通っていたかったけど
結婚して東京を離れることになり
泣く泣く卒業した。
(もちろん卒業という制度はない)

その後も数年に一度、
日本へ一時帰国したタイミングで
「今の私の茶藝」を見てもらっていた。


今回もまた数年ぶり。
お時間をいただくことができた。

ただ、今回は1000人チャレンジのお願い。

いつものように「私の茶藝を見てください」ではなく
「先生にお茶を淹れさせてください」というお誘いだった。

先生は「ぜひ飲ませてください」とご快諾。
その上で、こんなお言葉をいただいた。

「その人のためにいれる」という思いでいれるお茶と
もう一つ、あなたが今「これが私の茶藝」と思われる
「茶藝」のパーフォーマンスも見せてください

これは・・・


その人のために淹れる茶藝



これが私だという茶藝


今まであまり意識したことなかったけど、これってまったく別物だ。

自分の茶藝にどう込めるか・・・
緊張感が増した。




約束の日。
先生のサロンを訪れた。

以前と変わらない。クラシックな雰囲気。

昼だから外の光は部屋の中に
差し込んでいるけど明るすぎない、
水色の深みが増すようなほどよい暗さ。

茶器はすでにセッティングされていた。
ずっしりとした重さがあるような
貫禄のある茶器たち。なつかしい。

先生も変わっていなかった。

数年ぶりの再会だけど
先週も会ったかのように
さりげなく迎え入れてくれた。



「その人のために淹れる茶藝」

最初に淹れたのは
今回の1000人チャレンジのお茶。

持って行った茶葉は鳳凰単叢。
この時私の手元にあった一番お気に入りのお茶。
おいしく飲んでもらえると思ったから。

私のお茶を飲んでもらった後の先生のアドバイスが

茶葉に遠慮する必要はない
もっと優しさでぶつかっていい

や…優しさでぶつかる…!!?

確かに私は単叢の渋みが
あまりでないように
茶葉に優しくお湯が当たるように注いでいた。

狙い通りの清らかな味わい。
だけど単叢らしいキレ感が弱くなっていたかも。

清らかさを残しつつ単叢の“らしさ”も引き立てる。
そのためにやるべきことは

優しさでぶつかる


わかるような、わからないような、わかるような。不思議な感じ。

そうだ、この感覚。

先生の指導はいつもこんな感じ。

わかるけどわからない。
わからないけど、なんかわかる。

私のテーマは「優しさでぶつかる」なんだな。

「今の私の茶藝」

次に先生が用意してくれていたお茶を淹れる。
これは「今の私の茶藝」

先生のレッスンはいつも
お茶を淹れるタイミングでは
茶葉の名前はわからない。

名前の印象に引っ張られて
先入観で淹れないようにするために。


茶葉の色、黒褐色。
そこそこ大きくて細くよられている。

岩茶っぽい?
でも茶葉の香りは甘い。紅茶だ。

淹れてみる。無心で。

誰かのために淹れる茶藝は、
相手のことを想いながら
「おいしくなれ〜」と念じながら淹れる。

自分のために淹れる茶藝は、
ひたすら茶葉のことを
眺めながら無心でお湯を注ぐ。

そうして淹れた一杯のお茶。
水色は透明感のある赤褐色。

香りは紅茶のようなたるんとした甘さ。

でも味わいはもっと
すっきりしていて烏龍茶のよう。

初めて味わう感覚。
すごくおいしい。

すごく、私好み。

種明かしをすると、
このお茶は坦洋工夫。

ってことは紅茶。
でも単なる坦洋工夫じゃない。

「金牡丹」という岩茶の品種を使って
鳳凰単叢を参考にして作られた坦洋工夫
なんだとか。

烏龍茶の製法を参考にして作られた紅茶。


なにそれすごい。おもしろい。

「烏龍茶」「紅茶」という枠に
とらわれない新しい発想。

かなり攻めてる。

中国のお茶はどんどん進化してる。




お茶を飲みながら先生と雑談。
ときどき飛び出す蘊蓄も楽しい。

時間はあっという間にすぎてしまった。

印象に残っている先生の言葉。

「そのお茶が本当においしいかどうかは
飲んだ人の顔色でしか判断できない」

私はまだまだ掴めていないと思う。

お茶を淹れるとき、
とくに誰かにお茶を淹れるときは
その人の「おいしい」をできるかぎり
正確にキャッチできるようになっていきたいな。


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