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絵本が届きました。”Antiracist Baby"

8月中旬から始まる予定だった幼稚園の新学期に合わせて、アマゾンでオーダーしていた絵本が届きました。

「Antiracist Baby」 by Ibram X. Kendi 


「アンチレイシスト(antiracist)」な「ベイビー」? アンチって付いてるけど、「レイシスト(racist) =「人種差別主義者」でしょ。この言葉の組み合わせってどう? 一体、どんな赤ちゃんかしら?

アメリカでは5月末に、黒人のジョージ・フロイドさんが路上で死に追いやられるという事件がありました。その直後に、全米各所で暴動が起こり、私の家から30分〜1時間離れた所では、夜の外出禁止令が出され、至る所でデモが起きたのは記憶に新しいと思います。

人種問題。。。って、とてもセンシティブ。特に私の住む、この国🇺🇸では。

横浜で育ったので、中国や韓国国籍をもっていた友人もいたけど、私は「外国のパスポート持ってて良いなぁ!インターナショナルじゃん!」と言ってた位、人種に関して無知でした。高校卒業前までは、日本にいたので、日本人の顔を持ち、日本人の肌色をした私は、特に目立つこともなく、ブレンドしてました。それがどうでしょう。アメリカに留学すると、日本人と言うよりは、アジア人である事でガン見されたり、無視されたり、正当な扱いを受けられなかったなんて経験をしました。それが、それが、社会人になって、日本人としてアジアの国へ行くようになると、バブル時代だったせいか、日本人であるだけで、チヤホヤした扱いをうけ、

「同じ自分なのに、場所が変わると、上・中・下って、扱いレベルが変わるってどうよ?」と疑問にはなったけど、敢えて、深堀りはしませんでした。

私の息子達は、父親が白人なので、ハーフとかダブルとかって言われる外見をしています。冗談まじりにアジアの血が入っていることをからかわれる時もあります。長男がアメリカの現地校へ行くようになり、お弁当に入った海苔のついたおにぎりを馬鹿にされ、泣いて帰ってきた時がありました。担任の先生に言うと、「子供達は、意地悪をしようとしたのではなくて、きっと知らないからだと思うから、日本の事をクラスで紹介してもらえませんか?」と言われ、20−30分ほどもらって、5-6歳児に日本の事を紹介しました。

最初は、ポケモン、キティちゃんから。そして、パパやママは何の車に乗ってるか質問してみました。ハイハイ、それも日本からだよー。男の子達の間で流行ってたニンテンドーだって、実は日本からで、知らず知らずのうちに、日本と生活しているんだよ。その他、日本の文化と日本語も挨拶程度、教えてあげました。最後に日本のお弁当。。。サッカーボールのおにぎりと玉子と海苔とチェリートマトで作ったポケモンのキャラ弁当を見せてあげたら、皆、目を見開いていました。すかさず、先生が「見て!日本のお弁当はすごく体にいいものばかりなのよ。」とアシスト。息子もニッコリ笑顔。私から皆んなへのお土産は、折り紙と煎餅とピーピーキャンディ。名前もカタカナでそれぞれ書いてあげました。ちょっとした日本交流。

知るって、重要ですよね。

18歳の黒人のキャメロン君の母親は、黒人男子として、安全に生きていられるように、16のルールを息子に与えました。’ポケットに手を入れるな’、’お店で買わないものは一切、触るな’、’たとえガムだけであっても、お店を出る時はレシートか袋をもらうように’、’袖なしシャツを着て運転するな’、’誰かと口論をしてるように見られないように’、’警察に止められたら、一切口答えをするな’、’白人の女性はみるな’、などなど。同じ、ティーンの息子を持つ私は、声が出ませんでした。黒人問題の事は耳にしてたけど、まさか、これらを守らなければ、息子の生命の安全を確保できないと言う恐怖で毎日を過ごしているなんて。

おかしい。。。。。こんなの絶対におかしい。

****************

さて、本題のこの絵本ですが、こう始まります。

「Antiracist Baby is bred, not born. Antiracist Baby is raised to make society transform. Babies are taught to be racist or antiracist- there's no neutrality.」

「Antiracist Baby」は、自然に生まれてくるのでなく、育てられる。「Antiracist Baby」は世の中を変える為に育つ。赤ちゃんは「Racist」か「Antiracist」のどちらかになるよう教育され、その間の中立はない。

ん?

作者のイブラムさんは「Racist」と「Antiracist」の事をこのように話してます。

「I am a Racist.」 =  「私は人種差別主義者です。」

「I am NOT a racist.」=「私は人種差別主義者ではありません。」

これじゃダメなんですか? イブラムさんによると、ダメなんです。

「I am NOT a racist.」の文章はこうも訳せます。「私は、”人を差別する人”ではありません。」と。よく聞いてください。この文章は「人を差別する」と言う行動の”存在を肯定”していると、イブラムさんは言うんです。

難しいですよね。私もこのコンセプトはなかなか、頭に入ってきませんでした。

なので、イブラムさんは言います。「I am an Antiracist」が正しいと。日本語で訳すと、「私は反人種差別主義者です」。イブラムさんが描いている人種問題の在り方は、そもそもの「差別」の存在を無くしましょうと。「Racist」と言う言葉や考えをなくしましょう。「〇〇人は、危険だ。」「〇〇人に近寄るな。」と言ったような、人々の中に潜在的にあるネガティブな「〇〇人=〇〇」と言う考えを無くしましょうと。

それは、なかなか大変な事だって、イブラムさんも言ってますが、何かやらなきゃ、変われないし、少しでもそんな世界に近づけるといいなぁ。

では、どうしたら、「Antiracist」になれますか?この絵本を見ると。。。

☆  目を開けて、ちゃんといろんな肌の色の人がいるのを理解しましょう。

☆ 人種について話しましょう。いろんな人種はいるんですから。

☆ いろんな人がいていいですよ。いろんな文化を知りましょう。そして、「違い」を互いにを祝い(セレブレイト)ましょう。

☆ もし、自分の中で「差別」が起こった時は、ちゃんと気付き、認めましょう。

☆ そして、いつか「差別」と言う考えがない国ができる事を信じましょう。

どうですか?

この本は、そんなどんな肌の色の人もどんな文化を持った人でも、自分と違う外見、内面を持った人でも、お友達になろうね。そして、もっとそのお友達のことを知ろうね。もし、差別してる大人がいたら、

「みんな、同じ人間なんだから(We are all human)。」

って言ってあげましょう。はい、ここにそんな大人がいます。私の潜在意識の中には、まだまだ差別の考えがあります。その事を隠しません。気づく事がスタートだから。

Believe we shall overcome racism.

Love,

Midori

PS 幼稚園の子供達に読んであげられないけど、こちらでシェアできて良かったです。



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