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会社の課題を解決するのは誰?

社員に「この会社どう思う?」と尋ねると、だいたい不満や問題点がだーっと返ってきます。

ほとんど人は不満や課題や気になるところ沢山持ってます。

何の不満、問題点もなく、この会社はここが良いです、あそこが良いですと良いところを返してくれる人は、ごくごく稀だと思います。

でも、その社員に「じゃぁその不満や課題に、あなたは何が出来るの?」と問いかけると、大抵の人は回答に窮します。え?と驚く人も多いです。

殆どの人は、会社の課題を解決するのは、自分ではない、と思ってます。自分以外の誰か、その手の問題は会社が解決するもの、と、なんとなく思ってるのです。

でも「会社」という実態のない記号みたいなものが、課題を解決していくれるわけではありません。

社長や経営者あるいはマネジャーが全ての課題を解決できるわけでもありません。会社の課題を解決する専門部隊や専門家がいるわけでもありません。(もちろん、社長やマネジャー陣が陣頭指揮を取らないと解決できない問題も沢山ありますが...)

実は、会社の課題を解決していくのは、現場にいる人たちだし、直接解決する立場・役割でなくとも、現場にいる人たち一人一人にも解決に協力できることは何かしらあるのです。

悪いあの人、かわいそうな私

アドラー心理学が学べる「幸せになる勇気」という本の中で、精神病や不安を抱えた人をカウンセリングする時に使う三角柱の話が出てきます。

三角柱の各側面には、「悪いあの人」「かわいそうな私」と書かれてあります。カウンセリングを受けに来る人の殆どの話は、この「悪いあの人」か「かわいそうな私」のどちらかの話をするそうです。

そこで、患者にこの三角柱を渡し、自分が話をする前にどの話をするのか、話をする内容をこちらに向けて話すようにお願いします。

三角柱のもう1つの断面には、「これからどうするか」と書かれてるそうです。

患者自身に、この三角柱を持たせると、大半の人は自ら「これからどうするか」を選んで、話をするようになるそうです。

このエピソード読んだ時、会社に対しての社員に何か聞いた時にも似てるなぁと思ったんですね。

社員が話する不満や課題って、多分、「悪いあの人(会社)」か「かわいそうな私」のいずれかに終始してることが多いのです。

重要なのことは、本人たちは「悪いあの人」「かわいそうな自分」ばかり話してることに自覚的ではないということではないでしょうか。

三角柱を使って、患者本人に選ばせる、というのは、まず問題はそこにはないのだよ、ということを本人に自覚させるツールです。いくら「悪いあの人」「かわいそうな私」の話をしても、その問題は解決しないよと。

社員自らが「これからどうするか」を選び、その内容について考える、語れるようになるかどうか。問題を解決していくには、そんな社員が増えることが重要ではないかと思うのです。

じぶんプロジェクトという取り組みについて

木村石鹸では、「じぶんプロジェクト」という取り組みを2期やりました。

各部門から中堅~若手を中心にメンバーを集め、5人から6人が「じぶんプロジェクト」メンバーとなり、月1回まるまる一日、じぶんプロジェクトの活動に時間を取ります。

6~8カ月かけて、メンバー同士の課題共有をやって、最終的的には、自分たちで会社の根本的な課題を考え、その課題解決に自分たちが何をするか、どうしていくかを決め、実行までを行います。

このプロジェクトの目的は、社員自身が、会社の課題に対して、自分事化できるようになることです。また、部門を越えて相談して実行していけるチームを作っていくことでした。

先ほど、会社の課題は誰かが解決してくれるものではなく、自分たちで解決していかないといけないものだ、と書きました。

「悪いあの人/かわいそうな私」ではなく、「これからどうするか」を自ら選ぶ人が増える必要がある、と書きました。

が、しかし、じゃぁ現場の業務にあたってる個人が、会社の課題を解決できるかというと、個人で出来ることにはやはり限りがあります。(もちろん、一人一人の意識の変化とか言動の変化みたいなものも、会社全体を変えていく大きなエネルギーではありますが)

でも、色んな部門の人が入ってるチームなら、それも可能になります。

じぶんプロジェクトの一期、二期メンバーは、今も、チームとして色んなことに取り組んでくれています。組織図上に存在する部門やチームではないですが(というか、木村石鹸では最近、組織図を意図的に作ってないのだけど)、定期的にランチミーティングなどの場を持ったりして、常に、そこでは「これからどうするか」を話してくれてるように思えます。
(※その手のMTGに僕は顔出さないので、内容はわからないけど、希望や期待を込めて...)

働きたい会社を自分たちがつくっていくという意識

僕は、自分が働きたい会社は、自分たちでつくっていって欲しいと、常々言ってます。もちろん、それは木村石鹸という会社の魅力を高めることや、経営理念などに合致するものであるという前提はあるのですが、ただ、社員が働きやすく、働きたいと思える会社にしていくことは、会社としては競争力にも繋がることです。

すべての要望や要求に会社が答えられるかどうかは確約はできないけど、会社としては社員がこういう会社でありたいという思いには、可能な限り答えていきたいと思ってます。会社として出来るのは、そのための予算を作ったり、ルールを作ったりすることぐらいですが、社員たちが自身が、考えて動いてくれることについては全力で応援していくつもりです。

「悪いあの人/かわいそうな私」を語る人よりも、「これからどうするか」を語る人が一人でも増えていくことが、会社の雰囲気も良くするし、自然と強く魅力的な会社に繋がっていくのではないかと思ってます。

じぶんプロジェクトは、第三期も今年か来年には始めたいなと思ってます。

なお、「じぶんプロジェクト」というこの取り組みの企画やファシリテーションは、もう4-5年前になるでしょうか、部長陣への「アクションラーニング研修」を導入して頂いた株式会社クエスチョンサークルに取り仕切って頂いてます。(「アクションラーニング研修」時は、メロスパートナーズという社名でしたが、現在は、クエスチョンサークル社となってます。)

こちらの記事も参考まで。


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