"独自価値"なんか作れねえ?このモノ余りの時代に?しゃゃらくせえ!【基本すぎるマーケティングのお話/003】
前回、"独自価値"さえあれば、ほぼ間違いなく売れる。という話をしました。
「そんなこと言ったって、その独自価値を作るのが大変なんだよ!」「このモノ余りの時代に、まだ世の中にないユニークなものなんか作れるかいっ!」という声が、銀河中から聞こえてきそうです。
でも、今って実は独自価値を作るチャンスに溢れた時代なんですって。
まわるまわるよ🎵時代はまわる🎵 のbpmがどんどん上がっていく
「まわるまわるよ 時代はまわる」
いえ、あの時代のまわり方は、まだまだアマちゃんでした。
(関係ないけど、ついこの間まで「まわるまわる 4時台はまわる」だと思ってました。確かに完徹明けの午前4時台はアタマぐるんぐるん回ってるよなあ、って)
今の時代の変化はかなり速いです。それに伴ってライフスタイルの変化もかなり速いです。
時代の流れというのは、なんびとも抗えない強力なうねりで、すべての人を巻き込んでいきます。
「ほとけ」とあだ名されるほど温厚な私の父(現在89歳)も、小学生の時には「絶対特攻隊に志願してお国のために散る!」と心に決めていたそうです。
まだ栄養失調の人がいた1960年代の即席麺の広告は、高カロリーを売りにしていました。
高度成長期には、郊外に「庭付き一戸建てマイホーム」を建てるのが人生のゴールでした。
転職がまだ「罪悪」だった1990年ごろの転職情報誌の広告では、電車の中で他人にバレないようにコソコソ読む様子がパロディされていました。
温泉って社員旅行とかで団体でドヤドヤ行くとこ、から、温泉って(いろんな)ラブラブカップルがしっぽり行くとこ、へ。その流れに乗り遅れて客室を個室露天風呂つきに改修し遅れた団体向けドヤドヤ温泉旅館は、つぎつぎ潰れて行きました。
そう、時代の流れとは、価値観のことです。時代が強いる価値観に人々は支配されます。時代の価値観がほぼそのまま個人の価値観になります。
価値観がゆっくりしか動かない時代は、独自価値もあんまり動きません。誰かが独自価値のポジションを占めてしまえば、なかなかその座を奪うことはできませんでした。
でも、昔に比べて今は価値観がかなり速く動きます。
時代が速く動くってことは、価値観も速く動くってことで、ということはチャンスが次々目の前に現れるってことで・・・
ここ最近はタワマンがステータスですが、若めのミレニアルズやZ世代からは「カッコわるくね?」って思われてます。
ハイブランドもそうですね。ロゴドンなんてもってのほか。
ちょっと前は、ひとりで食事しているところを見られると「あいつ友だちいないんじゃね?」って思われるのを恐れて、無理やり誰かと食べるか、空腹をガマンするか、ひと目を忍んでコソコソ食うかだったけど、いまそんなこと気にする人いないですよねきっと。「個食」というワードとともに完全に市民権を得ました。
価値観が動くということは、新しいチャンスが次々に生まるということです。
そう、その新しい価値観に呼応する商品をいち早く出すことで成功できる可能性が、言ってみれば次々と、雨後の筍のごとくニョキニョキ生えてくる時代なんです。
缶コーヒーって、昔はシャキッて開けてグビって飲み干すものだったんですけど、今はチビチビ1日かけて飲む時代。1日中自分の会社のデスクに置いてある時代。その変化を捉えたのがクラフトボス。一日中チビチビ飲んでも大丈夫な薄めの味、一日中デスクにあってもおかしくないシェイプやデザイン。一日中デスクにあってまるで相棒のような存在。
歴史上、いろんな会社が何度もトライして、誰も成功しなかった死屍累々の男性化粧品(いわゆるむかーしからあるヘアトニックとかそういうんじゃなくて、まったく女性と同じような化粧水とかメイキャップとか)。ついについに市場に受け入れられたのがつい最近。今やあらゆるものが雪崩をうってユニセックスに。ということはアレもこーしてあーしたら・・・
退職代行サービスなんて考えられねーよ、ホント。そんな大事な人生のケジメ、ハラ決めて自分で言うもんだろ。でも、そういう時代なんです。ということは、ここから補助線引いて、そういうメンタリティを持った人々に何か新しいサービスは考えられないのかな??とか。
ここ数年、地底でマグマがとぐろを巻くがごとく蠢いていたノンアル。ついに噴火しそうですね。ということは??
なんてふうに考えをめぐらせてみたら、案外自分の目のまえを幸運の女神さまが団体様でわんさか通り過ぎてるのに気づくかも??
その中でも、これからの時代の風をその身いっぱいに受けて、風に立つライオンのごとく君臨する女神さまが、物語消費とか応援消費とか共感消費とか関係性消費とか言われるもの。そしてそれらはあなただけの「独自」の「価値」にすごくなりやすくもあるという、とっても優しい女神さま。
次へ急げ!
(「幸運の女神」っていう言葉もそのうちジェンダー問題に引っかかるんだろうか・・・)
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