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≪Vol.214≫野球選手と芸能人と外国人~外国人と働く~

僕は今、日本に住む外国人のコミュニティを持って、インバウンド事業をしているのですが、それって何?というと、「外国人のマネジメント事務所」みたいな感じです。芸能などと違って、テレビに出たりするわけではなく、インバウンド事業をメインにやっている。といった感じです。

僕の経歴ですが、新卒で「芸能人」のマネージャーをしました。そこで5年弱働いて、アメリカに行ってプロ野球チームで勤めたのち、プロ野球選手のマネージャーをしました、という経歴です。

「芸能人」のマネージャーは新卒で入ったので1から学んで、体験して、仕事を身に着けていったので、マネジメントってこういう感じなんだなと、やりながら覚えていったわけですが、その後「野球選手」のマネージャーをやったときには、同じマネジメントでも芸能と野球選手では全然違うんだなと思った経験もたくさんしました。それこそ「芸能人」も「野球選手」も同じ芸能事務所に所属していて、そういった芸能事務所のマネージャーが担当するわけですが、僕も最初は芸能のマネジメントの経験を活かせるだろうと思っていましたが、思ったより活かせないところもたくさんありました。

1番違ったな!と思ったことは、
「プレーヤーの仕事の結果が目に見えるか、目に見えないか」

この違いはとても大きくて、プレーヤーの感情の在り方が全く違っていました。僕が芸能界も野球界も大してわかってないのに・・・というのは一旦置いといて、、、

まず「芸能」で言うと、多くの場合は「視聴率」や「販売数」などが結果として現れます。もちろん目の前のお客さんやプロデューサーの評価を得ることは必要なのですが、明確な結果ってあまりわからないんです。「視聴率」も自分のせいでよかったのか、他の人のせいで悪かったのか、または天気が悪くて視聴率がよかったのか、裏番組が強くて視聴率が悪かったのか、なんて様々な理由が起因します。ハッキリした責任は明確ではないのです。大枠は数字で判断できるんですが、最終的には感覚だったりします。

そんな場合、マネージャーの役割として「気休め」が効果を発揮する場合があります。当事者(プレーヤー)は自分の中では成功・失敗を感じているのですが、明確に自分専用の数字が出ているわけではないので、「気休め・慰め」があると、少し立ち直れたり、気を保てたりする場合があります。「気休め」なんて言うと、ちょっと程度が悪い言葉になっているかもしれませんが、いい意味で捉えると優しさのようなもので、少し気持ちが収まったりします。とはいえプレーヤーも気休めを言われているとわかっていたりもします。
※ただ、よくわかってもいないのに軽口を叩くと大変なことになりますが。


しかし「野球選手」は違います。
毎日、毎日、自分専用の「結果」が出ます。投手なら投球回、被安打、失点、自責点、防御率と結果がすべて出ます。打者も「アウト」か「ヒット」か「ホームラン」か、毎回毎回結果が誰でもわかる形で出ます。

このときって「気休め」なんて全く無意味なんです。無意味というか、悪影響を与えます。イイも、悪いも本人がすべてわかっていて、誰よりもわかっているんです。そんなときにプロにもなったことがない野球素人のマネージャーが「まぁ、こんなときもありますよ」なんて言おうものなら・・・想像に難くないですね。
野球選手が欲しいものは「正確な情報」だけという感じがしました。もちろん人間ですから野球以外のことをやる時間もありますから、そんなときはいろんなコミュニケーションがあるわけですが、野球の話で言うと噂とか、感情的な話ではなくて、「正確な情報」だけに感度を高めている。そんなことを感じました。

というようにどちらもスペシャリストなので、ココで僕が軽く語って済ませられるようなことではないのですが、同じ人間がやることでも、「結果の出方がどうなっているのか?」ということで、コミュニケーションの取り方は変わるという経験はとても僕にとっては財産になりました。
もし「芸能」だけの仕事をしていたら、プレーヤーの機微や感情に対して敏感に対応できるようになったような気がしますが、結果が明確に出る業界に行ったときには他人の気持ちが分からなかったのかもしれません。
※今も分かっているとは思いませんが、そういうこともあるという理解があります。


今、外国人と仕事やマネジメントをしていてそういう経験というのはきっと僕にとっては大きな財産となっているんだろうと思います。
今日は僕のマネジメント経験について書かせてもらいました。

今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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