【論文紹介】ハンドボールのパフォーマンス要因①
ハンドボールの科学は毎週金曜日に公開!
院生時代の研究テーマが「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」であったので,主にハンドボールの投げる動きに関しての記事が多くなっていくかと思います!しかし,ハンドボールの科学ですから,幅広い分野の研究を紹介していきたいと考えています.是非,明日の練習に!指導に!活かしてください!
文献情報
タイトル
Individual and Team Performance in Team-Handball- A Review
著者
Herbert Wagner
Thomas Finkenzeller
Sabine Wuerth
Serge P. Von Duvillard
ジャーナル
Journal of sports science & medicine(Vol. 13(4), 2014)
方法
・以下のコンピュータデータベースを用いて検索した(PubMed,Web of Knowledge,SPORT Discus,Google Scholar,Hercules)
・検索語は,ハンドボール,チームハンドボール,テスト,トレーニング,投球,シュート,ジャンプ,スプリント,コーディネーション,アジリティ,強さ,パワー,持久力,方向転換,シャトルラン,認知,メンタルスキル,パーソナリティ,社会的要因,チーム力の組み合わせ
・言語は英語に限定
・2002 年1月から2013年12月までに限定
・発表された研究の参考文献を手探りで検索
各カテゴリーで最低5つの研究が見つからなかった場合は,古い研究(2002年以前),他のチームスポーツ競技の研究も検索.ドイツ語で発表された研究に検索.
・⬆️の場合の検索方法:BISp,SPOLIT,SPONET
<対象の条件>
・経験豊富なハンドボール選手
・競技に近いパフォーマンスを分析している研究
・全文テキストが利用可能であること
・複数の研究で類似のテストや分析が行われている場合は,最初の2つの基準に近い研究のみを利用
わかったこと!第1節
・球速と精度のトレードオフには関係がないVan den Tillaar and Ettema (2003; 2006)
・ハンドボールの経験豊富な選手は,比較的高い球速(最大球速の85%)で非常に正確に投げるように訓練されている(Gutierrez Davila et al., 2006; Rivilla-Garcia et al., 2011)
・ゴールキーパーやディフェンスの選手を相手にして投げると球速が低下する(Gutierrez Davila et al., 2006; Rivilla-Garcia et al., 2011).
・様々なハンドボールの投球技術において,ボール速度は,最大骨盤,体幹,肩の内旋角度速度に強く影響されることが示される (Van den Tillaar and Ettema, 2004a; 2007; 2009; Wagner et al, 2010a; 2010b; 2011; Wagner and Müller, 2008).
・ハンドボールの投球における近位から遠位への連続性を観測したところ,最大関節角速度は特定の順序で発生している
球速とコントロールの関係
本来の投運動とは,球速をあげるつまり全力で物体を投じれば,どうしてもコントロールが下がります.しかし,ハンドボールの投球においては,ある程度の球速があることが逆にコントロールをあげることがあることがわかったのです.確かに,球速が速い選手って暴投する選手はあまりいないと感じます(経験談ですが).考え方を変えれば,「コントロールをあげるためには,球速をあげること」とも捉えることもできますね!ただし,防御者の前ではどうしても球速が下がるので,絶対値は上げておきたいとところですね!
投球動作を高めるための主要因
やはり,球速をあげるなどの投球パフォーマンスを高めるには腰回りの動き,体幹周りの動き,投球腕の肩の内旋の角速度を高くすることが重要であると考えられます.ただし,単純に肩の内旋の角速度を高める,つまりその動き単体で早く動かすことは危険であり,おそらく求めれている角速度に達するのは不可能です.体幹周りの角速度,発揮トルクが高めることで,初めて肩の内旋の角速度を高められると考えます.運動依存力というものがあり,それが作用しているということです!これについてはまた,説明します!
まとめ
コントロールを上げたければ,球速もあげるべし!
球速を上げたければ,体幹周りを強く速くタイミングよく使えるようになるべし!
ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!
それでは!
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