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twilight

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記事一覧

新年早々悲嘆にくれる、或いはLuckとPluck

学がない僕は何が罪なのかわからないんだけど
おそらく生まれて来た事とかそういう話なんだ

 新年のおみくじで大吉以外を引くことが稀であるわたしですが、7年程正念場をやっております。そろそろ実りの秋が来て欲しいのですが、おみくじによると「悪い人に邪魔されて仕事も恋愛も何もかも上手くいきません」などとあり、なるほど、それなりに自分の守り方を学ぶべき時期かも知れない……などと。

 いやいや、『ダーク・

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村上春樹を膝に受けてしまってな

「大森望に会わせようか?」と畏友に言われ「え、なんで?」と返答したのはご当人に思うところがあったわけではなく、単にわたしがSFを知らないのでお会いしたところで話すことがないからです。メタルバンドの中に変にイルミナティだのUFOだのを取り上げたがる困った連中がいるんだけど、SF界の人にそれをボヤいてもな……と一頻り頭を巡らしてみた、あれはわざわざ渋谷くんだりまで行ったけれど誰も渋谷的なお店を知らなか

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時にはMetalの話をしようか

 わたしの「時には昔の話をしようか」はカラオケの十八番であり、ちょっとしたものですよ。どれほどちょっとしたものかと言うと音声学の先生に「上手い! 特に声門の締め方が良い!」と褒められた程です。
 音声学者というのもままならないものらしくて、フィールドワークが主戦場であり、ある語族の平均寿命が80才を越え、愈々その言語が滅んでしまうという喫緊の問題があったため毎回の講義の口から変な音を出す練習を放り

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貴種流離譚、或いは物語類型をまとめるよ

 キシュリューリたん! これは流行らなかったご当地ゆるキャラの十把一絡げのひとつです。多分佐賀じゃないかな。あそこは何もない荒野、いや、虚数空間だからな。わたしは『ライオンキング』が嫌いだ。王だから王なのだ、と言われるとスカーが可哀想になってくる。後天的才能は無益なのかよ。西欧だから西欧なのだとアジアを侵略していい謂れはないでしょう?

 さて、どうやら普遍的な物語というものは存在しないらしいぞ、

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今年は今年で慚愧に耐えない

 ウリャオイウリャオイウリャオイウリャオイ(これはこの12月30日まで全くのノーアイディアで走る羽目になるとは思っていなかったなあ、ということを表現しています。それはそれとして今年のベストアルバム500など方々で見る様になったものの、そんなに聴いてなかったので3程引いて終わろうかと思います)

貴方が望む僕を僕は特に望んでいない
貴方の望みだけ注ぎ込まれているようだ

 一体どういうわけか今年全く

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上半期ベストをアレする

 フローレンス・ナイチンゲールが特別な理由もなく「よし、看護やろう」となったのと同じ様な感じで「もうみんな上半期ベストをやっている。上半期ベストをやってないのはおまえだけ」と云う天啓が降ってきたのでやります。順不同です。

 多少正気を欠いているのはしょうがないね。狂気とは正気しかない事です。

nemo asakura 『THE BEST』https://nemoasakura.bandcamp

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コンサル語をしゃべれるようになろう!

「ロジシンをやれ」と言われた時、わたしは「はい」と答えました。ですのでアウトプットする次第です。フッサール発現象学からレヴィナスへと至らんとする道筋にこのような躓きの石があろうとは、あの頃のわたしは想像していませんでした。

 ご存知ですか? 『全体性と無限』って対義語なんですよ。

『問題解決プロフェッショナル』を題材に取り上げます(そもそも前段として『ライト点いてますか?』という至宝の書がある

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2019年のやべえPVベスト5を振り返る

 掘れば掘るほどやべえセンスのやべえPVが出土するヘヴィメタル界隈ですが、2019年も豊作でしたね。蝗大発生の趣きがありました。

 本当はもっともっとたくさんあるはずなんですが、わざわざ野壺に手ぇ突っ込んで糞尿からよりやべえ糞尿を選び出す作業って、端的に精神刑としか思えない為、5つに縛りました。

UGA UGA / "UGA UGA UGA"
 目頭が熱くなるほど知性を感じさせない絵面というも

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Valhallelujaを和訳してみんなで歌おう!

 嫌ですね、嫌です。

 思い返せば、あれは確か2019年の末。「ありきたりなクリスマスソングは聴き飽きた? ならヴァルハレルヤを聴け」、「もうみんなヴァルハレルヤしてる。ヴァルハレルヤしてないのはお前だけ」等々地獄の様相を呈した某界隈。

 要するに”Valhalleluja”と題されたヘヴィメタル・クリスマスソング的なものが投下されて騒ぎになった訳です。ヘヴィメタル村のみんなが地獄にいる訳じゃ

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あけたげな

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 経験則上、この時期去年も一昨年もあけましておめでとうだったので来年もあけましておめでとうなのだ……と最早牧歌的に信じることは出来ない、2020年でありまして、各所では2010年代の総括なども行われている様子ですが、わたしはわたしで折を見てのんびり振り返って行こうか、などと。

 とにかくわたしの去年は激動の年であり、現職にお誘い

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第二十九会文学フリマ

 以前お話ししました通り、第二十九会文学フリマに出店いたします。

 詳しくはこちら。

 なんと申し上げれば良いのか。

「書きます?」
「あ、はい、書きます」

 ……などと取り敢えず「ハイッ!」と応えてしまう日本人で本当に良かった。このような営為にオールイン出来る悦び、そして畏れに打ち震えておる次第です。

 この表紙からして、常軌を逸しているのです。詳しくは"迷宮(Labyrinth)"と

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甦る事(黄泉に帰ること)

 わたし達ボンクラ達が心の故郷にしてしまっている映画のジャンルに「スタイリッシュ・ガン・アクション」というのがありまして。例えば、ジョン・ウーの『男達の挽歌』シリーズだとか、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』を下地に作成されたらしい『リベリオン』だとか。

 そのような血筋に『ジョン・ウィック』シリーズをおいても良いかと存じる次第です。このシリーズでは『リベリオン』のガン=カタ(銃撃と空手が融合

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Clown in the mirror

 掲題の概念はわりと好まれており、最近だと『ボヘミアン・ラプソディ』でも流れたらしい「Show must go on」等、「心はこんなに慟哭しているのに、鏡に映る顔は笑っている」という引き裂かれた状態を指すようです。

 わたしはなにもない人間がひたすらに失い続ける物語を愛してしまう質なので『JOKER』に耽溺してしまったわけで。ええ、これはわたしのために撮影された、2019年の『タクシードライバ

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と、主治医は告げをり

「ここってさ、困った顔の人が多いのよ。ほら、好きなだけ困った顔していい場所だからさ」

「はい」

「そんなにしあわせそうなら、もう、大丈夫かもね」

「しあわせ」

「ディレクターみたいなのになるかもね」

 変わった実感が少しもないのだけれど、強いて差分を挙げるなら、以前と較べてお酒を20倍ぐらい飲んでいる、ということくらいでしょうか。

「誰かと思った。印象が随分優しくなりましたね」とも言わ

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