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高次脳機能障害と認知症は一緒?どう違う?

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco

フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で活動するyuccoです。

脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない!!
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートとともにお届けしています♪

《はじめに》

高次脳機能障害と認知症のリハビリは分けないといけないのでしょうか?
高次脳を勉強すれば認知症もリハビリできるのでしょうか?

《高次脳機能障害とは?》

高次脳とは??
感覚(刺激が脳に入ったか)→知覚(「熱い」「軽い」「重い」などの意味づけ)→認知(判断、学習、記憶)する過程があります。
感覚情報や知覚情報を統合する=高次脳連合野がしています。
外傷や脳出血などの病気が原因で神経細胞が壊死することで、判断できない、学習できない、記憶できないといった高次脳機能障が起こります。

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外傷性
頭頂葉や前頭葉障害が大きいことが多いです。
出血 :皮質脊髄路、運動麻痺の併発が多く、記憶障害があっても身体症状があって動けません。

《認知症とは?》

ものが覚えられない(記憶障害)、判断できない、どのようにしていいかわからなくなってしまうことで行動障害がおこります。
原因は神経細胞の壊死です。
脳血管性の認知症=高次脳機能障害と一緒ですね。

進行性の神経を損傷するアルツハイマー型認知症は脳卒中じゃなくても起こります。
海馬の萎縮から記憶障害(ワーキングメモリや短期記憶障害)が始まります、身体機能は残存しています。

《どこが違う?》

今までの経験や記憶と照合して判断をします。
今どうだったっけ?という判断が低下してしまいます。
原因は同じ神経症状だけど、どこから症状が始まるのか?どこの損傷部位が強いのか?などがメインになってきます。

脳血管障害による高次脳機能障害の患者さんは複合的に身体機能も問題も起こってきます。認知症の患者さんの多くは身体機能の問題よりも、記憶障害から前頭葉症状や頭頂葉症状を認めます。

高次脳機能障害も認知症も皮質の問題が起こってきます。
社会脳、情動脳、生存脳の話‼︎
情動脳は生きています。
心の中では理解している、どちらも社会性の障害が起こってきます。
生存脳が土台(脳幹機能、歩行、基本動作がとても大事)です。

「あなたは誰ですか?」や「関係性」を聞かれてもわからないけど、好きか嫌いかはわかります。
情動脳である心の部分が大事になってきます。
子供も嫌な人に抱かれたら泣く、心をわかってくれる人のところばかりにいきます、情動記憶と社会脳の記憶の違いがあります。

頭頂葉刺激や前頭葉刺激、側頭葉刺激を入れた時どう変わるか見るのは一緒です‼︎問題点は脳画像からどこが障害されているかで症状は変わります。

《社会に戻すためには?》


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