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「ひとりにしない」支援の一歩

 最近の通勤1時間のインプットは認定NPO法人抱撲さんの「ほうぼくチャンネル」オンライン対談を聞くことです。今回は、抱撲(ほうぼく)さんの活動を知って、私が感じたことについて書きたいと思います。

抱撲(ほうぼく)さんの活動について

 抱撲さんは、路上生活をされている方におにぎりと豚汁を持って声をかけ、その方に必要な支援を考え、居住の場所を提供したり、就労に向けての支援するなどのホームレス支援や触法障がい(罪を犯した障がいのある方の支援)の支援(ほかにもいろいろあります)等を実施されている団体です。

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 このような団体は全国にいくつかありますが、ホームレス支援の先駆者である理事長の奥田さんの講演を聞いたことがあり、涙が出たことを今でも覚えています。私だけでなく他の参加者の鼻をすする音も聞こえていました。印象的だったのは、下関駅の放火事件を起こした高齢の男性のお話。何度も放火事件を繰り返し、刑務所に服役→出所してはまた放火事件を繰り返す男性。軽度の知的障がいがあり、「刑務所を出る時に誰も迎えにこなかったことが辛かった」と話しており、とても孤独な状況。そんな中、ほうぼくの理事長は、服役中の男性と何度も手紙のやり取りをし、「今度出所する時は必ず迎えにいく」と約束し、出所にあたり色々な支援機関(保護観察所・行政・保護司・受け入れ施設等)と連携して彼の自立に向けた支援をされたそうです。

ホームレスは社会的孤立、絆を失っている状態

 基幹相談支援センターにもこのように罪を犯した方の相談やホームレス支援団体から紹介される相談もあります。ホームレスや刑務所に入っている方の約3-4割は何らかの精神疾患や障がいがあると言われています。失業、借金、家族との離別、被災など様々な理由はありますが、悩んだ時、困った時に相談できる人や場所がなかった…ということが共通しているそうです。障がいがあることにより、どのように手助けを求めてよいのか分からない…という場合も多い現状。

 みなさんは、家がないということ…想像できますか?安心して、ホッとする家がないこと。コロナで「ステイホーム」と言われていますが、その「ホーム」がない、給付金も来ない。。私は、仕事や育児で疲れたり、体調不良でなんか調子が悪いことはよくありますが、ゆっくり休む家はあります。「大丈夫?」と声をかけてくれる家族や友人がいる。それがホーム。そのホームがない状態で路上で暮らしている人がいるのです。

 以下、奥田さんの言葉を書き留めておこうと思います。

「ハウスレスは経済的困窮、ホームレスは人との関係性の問題、社会的孤立・希望を失っている状態野宿状態はすべてを失う状態。家やお金がないだけでなく、希望を失っている状態。生きる意欲、生きる希望を失っている人に、もう一度火をともすにはどうしたら良いのか…やはり人間しかいない。人との出会いの中で、その人と共に生きよう、その人のために生きよう、その生きる意欲を生み出すのは、お金でも制度でも家でもない、物でもない、最終的にはあなたに生きてほしい、あなたが必要だと言ってくれる人との出会い
「社会に居場所がない、困っているのに「助けて」と言える誰かがいない、自分が困っていることにさえ気づけない、今の社会の中には多くの孤立と困窮の現実がある。」
「アパートに入り、住宅の確保をしてお風呂にも入れるようになり、みそ汁を作る姿を見て安心した。しかし帰り際、「また来るね」と声をかけた時に、家の中にぽつん…と座っている姿が、駅のホームで段ボールの上に座っていた時の姿と何も変わらない。何が解決できて何が解決できていないのか?この人には何が必要か?家が必要、家に入るためには保証人が必要、でもそれだけではだめ。この人には何が必要かと共にこの人には誰が必要か?ということを、32年間真剣に求め続けてきた。」
「〇〇支援という枠を縦割りで考えるのではなく、その人との出会い出会いの中で、あらゆる支援を広げていった。子ども、高齢者、ホームレス、生活困窮者、就労支援、障がい福祉、刑務所出所者支援など。」 
誰も取り残されない社会を作りたい、自己責任や家族の役割ばかりが大きくなる風潮の中で、何の心配もせずに「助けて」といえる社会をつくりたい。」

 まさに「ひとりにしない」という支援を長年、実践されているのです!!
 ○○支援という縦割りの枠で考えるのではなく、その人に何が必要かを考える、この視点は忘れてはいけないですよね。もちろん、職種によってできることは限られるかもしれませんが、まずは一緒に考えていける支援者でいたい。

 この抱撲さんのアウトリーチ、伴走型支援の考え方は支援の原点だと感じます。私もしっかりと胸に刻み、日々の相談支援の仕事に生かしていきたいと思います。

「ほうぼくサポーター」として応援

 昨年は、コロナで家や仕事を失う人たちのために支援付き住宅を全国に提供するという目的でクラウドファンディングも立ち上げられており、10000人の寄付者、寄付総額約1億円が集まったそうです。残念ながら私が情報を知った時は、もう募集が終わっていたのですが、コロナは全員が当事者、いつ何が起きるか分からない状況。

だからこそ、お互いに助け合うことが大事だと感じます。

このような取組を知り、今の自分には何ができるのか?と考え、先月から「ほうぼくサポーター」として登録しました。私は毎月1000円の寄付という形を選びました。1000円で3食分の弁当を配れるとのこと。声をかけてもなかなか心を開いてもらえない方も、ご飯を食べてお腹が満たされると、自分が困っていることをお話してくれる場合もあるようです。今は10000人のマンスリーサポーターを目標に活動されているそうです。

 ひとりひとりの「ちょっとした協力」が集まったら、「大きな力」になります。
 もし、このnoteを見て少しでも協力したいと思った方はぜひHPをご覧ください。

寄付についてはこちら。


 誰も取り残さない社会をつくるためのソーシャルアクション

 まずはどんなに小さなことでも自分にできることから積み重ねていきたい。子育てが少し落ち着いたら、自分が住んでいる市内の夜回りボランティア活動にも参加したいと思います。

 今後も「ほうぼくチャンネル」での学び、つづけていきます。

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