見出し画像

勝手に弟子になる

先日、毎日メッセするくらい仲良しの弟から「姉は師匠に恵まれてきたよね」と言われた。
だが待てよ、ここは言わせて欲しいのだけれど、これは別に偶然ではないということは強調させてほしい。今は令和の世なので「今日から私があなたの師匠です」という徒弟制度があるわけでもない。そんな中で「師匠を作る」ということを自ら意図してやっていた部分はあるので、今日はその話をさせてほしい。

一流には師匠がいる?

たしかに、ビジネスマンとしての師匠は長村さん(現EVeM代表)、起業家としての師匠は中川綾太郎さん(元MERY創業者、現newn代表)、経営者としての師匠は南場さん(DeNA創業者)なので、恵まれているか否かでいうとかなり恵まれているんだと思う。

因果のロジック的説明はここではしない(というか私もうまく言語化はまだできていない)のだけれど、一流の人たちには師匠がいることが多い。あの孫正義さんにも師匠として慕う経営学者の方がおられるようだし、本田宗一郎さんは会社を作る前に自動車修理会社に勤めていたときに師匠と出会ったそうだ。他にもどの一流の人たちの半生の本を読んでも師匠がいない人を探すほうが難しい。
彼らが偶然運が良かったからだと思うだろうか。私はそうは思わない(もちろん運も良いとは思うけれど)。

弟子が師匠につくる

先程話したように、師匠は突然現れない。たまに「自分は師匠に恵まれなかった」ということを言う人がいるんだけれども、これは全然自分で変えられると思っている。

上司と師匠は違う。たしかに上司は選べないが、師匠は選べる。師匠は別に社内の上司である必要はない。

じゃあ師匠がいる人は何者なのかというと自らその人を師匠と決めて、自ら弟子として振る舞う人である。結果的に弟子ができてしまった何者でもなかった人が「師匠」になる。 浅草キッドや芸人の世界と一緒で「あなたの弟子にしてください!」からが全ての始まりなのだ。逆に自ら師匠を名乗る人がいたら、それはそれでヤバいのかもしれない。

余談だけれど最近「岩崎さんの師匠は南場さんですよね」と言っていただくことも多く、私も南場さんを師匠だと思って自ら甘えにいったり相談したりしているのだけれども、彼女は私のことをまだ弟子だとは思っていないかもしれない。別にそれで良いのである。

愛を持って引き上げられる

師匠を持つのはとても良い。人間社会である以上、何者かになるためには誰かがその人を気にかけて愛して引き上げているのである。周囲の愛や引き上げなしに一人で成長できる人は非常に稀である。ほとんどの場合が師匠に愛され、師匠が意思を持って次の世界へ引き上げている。
なので当然だが師匠はその辺の誰でも良いわけではもちろんなく、自分を引き上げてくれる自分より強い人を選ぶと良い。

ちなみに弟子をとるというのは短期では経済合理的ではなかったりもするので、ある意味「趣味」といっても過言ではない。そんな中で弟子をかわいがるというのは、本当に可愛い弟子であるからで、ここは一定弟子側の素直さが問われるように思う。師匠からすると、素直に話を聞かない斜に構えているようなややこしい人間をわざわざ弟子になんかしないのは少し想像すればわかる。一流には師匠がいるのではなく、師匠が可愛がるような素直な人格だから一流になれたのかもしれない。

勝手に弟子になる

そんなわけで、もし「自分にはそんな人いないな」という場合は師匠を待つことを強くオススメしたい。自分を愛してくれて引き上げてくれるような師匠を決めて、自ら愛される人間であるよう努めるのだ(おもねったり太鼓を叩いたりしろという意味ではない。本質的に魅力的な人間になるという意味である)。今後AIがロジックだのなんだのをうまいことやってくれる世界ではこの傾向はなおさら強くなるのではないかなと考えたりしている。

うちの会社の人たちにはこういった社会の理みたいなものを理解して、どんな世界が来ても一流側でいてほしいと願っている。自分も修行中の身なので、一緒に頑張りましょう。


※当記事は社内向けの内容を一部再編集したものです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?