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幸せの星【メルアーリア】から地球へ☆猫になった美亜さん〈二十歳〉《お父さん、本当はお父さんが大好きだったの。だから猫になりたかった》☆【アユレム】

久しぶりに幸せの星、輪廻転生の星《メルアーリア》の僕の仲間から連絡が来たんだよ。

❰ねぇ。この前地球から来た女の子?。二十歳ぐらいかな。地球時間で10年ぐらいしたら【子猫】になって地球に転生したんだけど上手くやってるのかな。調べてよ❱

そう来たんだよ。別に自分で調べられるのにね。

でも、僕もいろいろ勉強だから調べてみたんだよ。

《美亜さん、二十歳。ご両親が35歳の時のお子さんで、妹さんが5歳下にいるんだよ。ご両親が40歳の時のお子さん。だから、何となく妹さんには手を掛けていたみたいなんだよね。それを姉の美亜さんは誤解して反抗し出したんだよね。

ご両親は本当に二人の姉妹を可愛がっていたんだけどね。特にお父さんは。だけど、優しすぎるお父さんは上手く年頃になった美亜さんにどう向き合えば悩んで、逆に遠ざけているみたいに見られて美亜さんは勘違いしたんだよね。

〈私は生まれて来なきゃ良かったんだ。嫌われているんだ〉ってね。やりきれない美亜さんは段々家にも帰らなくなって、友達の家に良く居た美亜さんをご両親は迎えに行っても、美亜さんは帰らなかったんだ。

そんなある日、美亜さんは事故にあって肉体から魂が離れてしまったんだよ。だけど、葬儀の時にはまだ美亜さんの魂はそこにあったんだよね〉

それからなんだ。

美亜さんは思ったんだよ。

〈良かったでしょ。私が居なくなって、妹だけを可愛がれるし〉

ってね。

そしたら、お父さんが魂の抜けた美亜さんにこう言ったんだよ。

「美亜、父さんは美亜が大好きだったんだよ。父さんは上手くそれが表現出来なかった。それ以上に大人になる美亜とどう接していいのかわからなかったんだ。美亜が猫だったら、ずっと抱き締めて居られたのに。ごめんよ」

そして、美亜さんの手を握っていたんだよ。

お母さんも勿論、妹さんも本当に悲しんでいたんだよ。

そんな姿を見ていた美亜さんは、その時初めて家族からの思いは勿論、美亜さん自身がみんなを、更にはお父さんが大好きだったかって事がわかったんだよ。

〈どうして。どうして。私は嫌われていたんじゃないの。邪魔だったんじゃないの〉

そして、美亜さんは幸せの星《メルアーリア》に行ったんだよ。

それから地球時間で10年。

美亜さんは《メルアーリア》の神に聞かれたんだ。

「猫なら地球に行けるよ」と。

正直、美亜さんは犬派で猫はあまり好きでは無かったんだよ。だけど、あの時のお父さんの言葉を覚えていたんだよね。

〈美亜が猫だったらずっと抱き締めて居られたのに〉。

あれから10年。

ご両親は65歳前後。

美亜さんは、《メルアーリア》に来ても家族のみんなを忘れなかった。勿論、地球のご家族も。

そんな美亜さんの思いが《猫》なら地球に行けると神に言って貰えたんだよ。

美亜さんは思ったんだよね。

〈猫なら皆に甘えられる。猫なら大好きなお父さんに抱き締めて貰える〉

美亜さんは、迷わず《猫》になって地球に行ったんだよ。美亜さんもご家族もお互い思っていたから、ちゃんと迷わず美亜さんの家族の場所に。

一応、記憶は備わらせて貰って。

だけど、妹さんは嫁がれてそこにはもう居なかったんだよ。

子猫になった美亜さんは、嬉しそうに家の庭にちょこんと座って居たんだよ。

すると、お母さんが見つけてね、

〈お母さん〉

そう思ったけど、お母さんが子猫にこう言ったんだよ。

「どうしたの。迷ったのかい?。お家にお帰り」と。

〈違うよ。美亜だよ。ここが美亜のお家だよ〉

だけど、お母さんには〈ニャー〉としか聞こえない。

それでも、美亜さんはずっと庭に座って居たんだよ。ずっと。

そこに、お父さんが帰って来たんだよ。

「ねぇ、あなた。この子猫、ずっとここに居るのよ。全然動かないの。どうしましょう」

するとお父さんが、子猫に言ったんだよ、

「なぁ。どうしてここに居るんだい?。家族があるなら家族のところに行きなさい。心配してるよ」

昔の知ってる優しいお父さんだった。

子猫は、それでも動かなかったんだよ。

ずっと、お父さんを見て居たんだよ。

「君は、ここに居たいのかな?。どこから来たのかな?」

そう言って、お父さんもずっと子猫を見ていたんだ。隣には、お母さんもずっと一緒に。

「あなた」

お母さんがそう言うと

「ここに居たいのかな?。私達と一緒に居たいのかな?。もしかしたら、君は〈美亜〉なのか?」

その優しいお父さんの声に子猫は

〈ニャー〉って鳴いたんだよ。

「そうか。美亜か、美亜なんだな。おいで」

子猫になった美亜さんは、それでもどうしていいのかわからなかったんだ。嬉しい。だけど、どう甘えていいのか。どう接していいのか。

〈そうなんだ。お父さんもお母さんもみんな嬉しくても、どうしていいのかわからなかったんだね。本当に私は馬鹿だった。愚かだったんだね〉

そんな事を思っていた美亜さんを、ふわっとお父さんが抱き抱えたんだよ。

「何しているんだい。お帰り、美亜」

お母さんも来て、子猫になった美亜さんを本当に優しく撫でたんだよ。

「本当に美亜なの。お父さんたら、美亜が大好きだったからね。ずっと、ずっと待っていたのよね。もし、本当に美亜なら、もうずっとここに居てね。ここが貴女の居る場所よ」

〈お母さん〉

私の声は〈ニャー〉しか言えない。

だけど、お父さんもお母さんもわかってくれる。

〈そうだよ、美亜だよ。帰って来たかった。お父さんやお母さんに甘えたかった。これからは、大好きなお父さんやお母さんに抱き締めて貰えるんだね。人間だったら出来なかったかもしれない。私は《猫》でいい。お父さん。お母さん〉

「ニャー」。


輪廻転生の時間は、途中で違うものに転生しても延長される事は無いんだよ。

だいたいの人間は、やっぱり人間以外のものに転生しても、その転生したものの寿命やら、馴れずに結局《メルアーリア》に早めに戻るんだよ。

だけど、猫になった美亜さんは《メルアーリア》には戻って来なかった。

たぶん、まだ、お父さんやお母さんに甘えているんだろうね。

美亜さんは《地球》に行く時に神様に言ったんだ。

〈今度、〈メルアーリア〉に来る時はお父さんとお母さんと一緒に来たい〉と。

だけど、それは難しいけどね。

それから、猫になった美亜さんは妹さんにも甘えて可愛がられて居るみたいだよ。

お父さんが

「美亜だよ」

って言ったみたいでね。妹さん、一瞬、呆けたのかと思ったみたいだったけど、妹さんも子猫をずっと見て言ったんだよ。

「本当だ。お姉ちゃんだ。お姉ちゃんだね」

なんだろうね。わかるのかなぁ。

ちゃんと、思いって伝わるんだよね。

僕は《メルアーリア》の仲間に伝えたんだぁ。

❰家族になってるよ。ちゃんと❱ってね。

猫や犬とか人間のペットって、実は大切な人やものの転生した姿なのかもしれないね。

だから、みんなあんなに可愛がっているのかもしれないね。

姿は違っても、必ず思いは通じるのかもしれないね。

じゃ、またね。

☆☆☆

#エッセイ #地球 #メルアーリア #転生

#輪廻転生 #子猫 #お父さん #お母さん

#思い #大好き #家族 #反抗 #神







🍀☆《ありがとう》☆って素敵な言葉だよね☆僕はこの星〈地球〉の皆さんに☆《ありがとう》☆って伝えたいんだよ☆本当に僕と出逢ってくれて☆《ありがとう》☆🍀【感謝】🍀本当に素敵な言葉だね🍀