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リビアングラスと被災地

エジプト産リビアングラスのスフィア(直径4.0cm)。かなり迫力があります。2013年のアルザスショーで仕入れられ、2014年2月にウチにやって来ました。
 
リビアングラスは、正確には鉱物ではありません。今のところ、隕石の衝突などで起こった膨大な熱反応により、岩盤の一部が溶けてできた天然ガラスと考えられています。諸説ありますが、リビアングラスが採れるリビア砂漠では、蒸発した石英、隕石に含まれる物質、クレーターなどが見つかっているそうで、やっぱり隕石衝突によってできたものなんじゃないかとの説が有力です。まぁ、見た目も宇宙っぽいですしね(大雑把)。

この石ほど購入を迷った石はありません。値段的にもハードルが高かったのですが、それ以上によく分からなかったのです。好きかというと、そうでもない。でも気になってしょうがない。どうしようどうしよう、と最後の最後まで迷いまくっていました。物欲とは違うんですよね。なんなんだろう。

この感覚が不思議で、のちにゆっくり振り返ってみました。その時、私は転換期にいたようで、「これまでの自分」と「未来の自分」という、異なるエネルギーが融合していたような気がします。

だからこの時期は、石を選ぶ時、ものすごく時間がかかってしまった。「自分が何に惹かれるのか、なぜ惹かれるのか分からない」という感じ。でも、気になってしょうがないから手から離れない。うまく表現できないような、不思議な感じでした。
 
物事に迷うようになった時は、転換期にいる場合が多いのかもしれません。悪いことじゃないんですけどね。コツは、「頭より感覚に従うこと」です。


いきなり話題は飛びますが、上のリビアングラスの写真は、昨年夏に旅行の途中で立ち寄った、宮城県山元町で撮影したものです。2011年3月11日の東日本大震災で津波の被害を受け、この町の一帯は草むらになっていました。

カーナビを見ると、この付近には郵便局があり、住宅が密集していたようです。今では、建物の基礎がかろうじて残っているだけです。

向こうに見えるのは、中浜小学校。近くで見ると、2階のガラス窓がほとんど割れていました。しかし、その校庭の花壇には花が植えられており、地元の人たちやボランティアの人たちが今も訪れている様子が窺えます。

一面、草原です。かつては住宅地でした。

樹木の葉は海水でほとんどやられていましたが、上の方だけ残っていました。あんなに高い場所まで津波がやってきていたのですね。木には復興を願う声が綴られた黄色いハンカチが無数に掲げられていました。

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