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かなりかなり時間が空いてしまいましたが、頑張って書いていきます…!


第3回目の絵本講座では、以下のことを行いました。

宿題の発表

第3回目の宿題は、1冊絵本を選び、前回の講座で学んだ技法がどこでどのように使われているのかを説明するというものでした。

私が選んだ絵本は、

トーベ・ヤンソン作、渡部翠訳『それからどうなるの?』講談社、2019。

この絵本で使われていると思った技法は、タイポグラフィーとページターナーです。

タイポグラフィー:文字の大きさや形、種類、配置など、1冊の本の中の文字に関するすべてのデザインのこと(ジェーン・ドゥーナン著、正置友子・灰島かり・川端有子訳『絵本の絵を読む』玉川大学出版部、2013、p. 144)

ページターナー:次のページを読みたくなるように、ページをめくらせるしかけ。

タイポグラフィーについては、例えば、この絵本の中で丸い岩を登ったり降りたりするページがあるのですが、その様子、上下の動きがタイポグラフィーで表現されています。
また、この絵本には見開き1ページに必ず穴が開いていて、その穴を通して次のページを少し見ることができます。このしかえkは、次のページはどうなっているんだろうと想像力を掻き立てると同時に、ページをめくらせるページターナーだと考えました。


全体で発表

グループ内で自分が選んできた絵本を発表した後、全体でグループごとに発表もしました。そこでとても印象に残った絵本が、

Hello Lighthouse by Sophie Blackall. Little, Brown Books for Young Readers. 2018.

この絵本の中に、赤ちゃんが生まれるまでを描いた一枚の見開きがあるのですが、そのページは読者にさまざまな読みをさせるもので、見ていてワクワクしました。
赤ちゃんが生まれるまでの様子が大きな一つの円の中で描かれるのですが、この円から連想できることは…
1, 灯台
2, 時計
3, お母さんのお腹

もしかしたら、他にも読み方があるかもしれません。
他のページにも円がたくさん描かれていて、円がこの絵本のモチーフなのだと思います。講座の先生がおっしゃっていたことですごく納得しました。
「灯台は丸い光で夜の海をを描きながら照らす」。
円を描くのに灯台はぴったりなことが分かります。


講座

各グループの発表が終わったあと、講座に入りました。

今回の講座では、子どもがどのように絵本を読むのかについて学びました。

・子どもは絵本を「読む」のではなく、まず「見る」。そして、絵のなかで自分の好きな部分をよく見る。

・絵本によって子どもの「読み方」が異なり、読み聞かせを集中して聞きたい絵本は、「どうしてこうなったんだろうね?」などの呼びかけを嫌うことがある。しかし反対に、しかけ絵本などは子どもが読みにinvolveし、主体的に読む

・読み聞かせをたくさんしてもらった子どもは、成長して同じ絵本を読んだとき、読み聞かせをしてくれた人の声が聞こえてくることがある。つまり、文字を声で認識している

・言葉を読む力を得ることと引き換えに、絵を読む力を徐々に失っていく

・幼い子どもは抽象概念をまだ理解できない。例えば、地面が動いていると言われると、どこかで自分が落っこちてしまうのではないかなどと考えたりする。

学んだことの中で特に印象深かったのは、読み聞かせをたくさんしてもらった子どもは文字を声で認識していることです。最近、SNSでの誹謗中傷が問題になっていますが、文字が声で聞こえてこないからかもしれないと考えました。Twitter等で面と向かって言えないようなコメントを時々見かけますが、なんだかこちらまで目と胸が痛くなってくることがあります。
文字を、肉体を持った人間から発せられる声として認識していれば、誰かの声で聞いていれば、その誰かを傷つけるような言葉を伝えようとは思わないのではないでしょうか。

そういう意味でも、やはり絵本は、大人になって文字を誰かの声として捉えることができるかどうか、の下地を作ることができるのかもしれません。絵本に希望を見出しすぎている感じがしますが、これはおそらくリンドグレーンの影響です。
私は大学院でアストリッド・リンドグレーンの作品を研究しているのですが、それについてはいずれ書きたいと思います。




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