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絵本と読者年齢について

またかなり時間が空いてしまいましたが・・・
絵本ゼミの第4回目講座について、書いていきます!

第4回目では以下のようなことを行いました。

宿題で用意した絵本のシェア

第4回目の講座に向けた宿題は、読者年齢に着目して絵本を選書することでした。私が選んだ絵本は・・・

『リーサの庭の花まつり』作・絵:エルサ・ベスコフ 訳:石井登志子 童話館 2001年

この絵本を出版した童話館のホームページを見ると、対象年齢は「およそ7才から」と書かれていました。文字の多さがベスコフの絵本の特徴ですが、絵本から読みもの(文字だけの作品)に移っていく時期にちょうどよい絵本なのかもしれない・・(でも文字多すぎるのでは・・)と考えました。

しかし・・・

講座の先生によると、この絵本のように、小さい子どもが小人や妖精を見つけてその世界に入っていくような内容だと、読み終わったあとに公園を歩いていて「草むらに小人がいるかもしれない!」と想像して楽しいのは、2歳児くらいだそうです。
そのため、対象年齢が書かれていても、文字が多くても、そのように簡単にわかる情報に頼るのではなく、絵本の内容を子どもの発達という視点で分析する必要がある。ということを学びました。

あと、この絵本には歌詞がいくつも出てくるのですが、読み聞かせのときにどうするのか気になったので、プロの方々!(グループメンバー✨)に聞いてみました。この絵本のように歌詞が出てくる絵本を読むときは、みなさんそれぞれ自由に音をつけて歌うそうです。(すごい・・・)
もしくは、Youtubeに誰かが歌っているものがアップロードされているので、それを参考にするそうです。私は読み聞かせの経験が全くないので、とても勉強になりました。


みなさんの選書の中で特に学びがあった絵本

●「14ひきシリーズ」作:いわむらかずお 童心社

子どもたちに読み聞かせたときに、シリーズの1つ『14ひきのぴくにっく』は楽しんでいるようだったのに、『14ひきのかぼちゃ』と『14ひきのさむいふゆ』はダメで、子どもたちがポカーンとしているようだったそうです。

この絵本を選んだ方によると、『14ひきのかぼちゃ』は植物や野菜を育てたことがないからピンとこないのではないか、また、『14ひきのさむいふゆ』も、四季をあまり理解しておらず、雪もわからないから楽しめなかったのかもしれない、と分析されていました。
この分析を聞いて、前の講座で先生がおっしゃっていたことを思い出しました。「幼い子どもは抽象概念を理解できない。四季がめぐるということも理解できない」。大人にとって当たり前のことをこれから学ぶ、もしくは学んでいる子どもに接するときは、自分の当たり前という枠を取り払わなければならないと改めて思いました。

また、同じシリーズの絵本でもウケが良いものとダメなものがあり、きちんと内容を確認した方がよいことも学びました。

●『はじめてのおつかい』作: 筒井 頼子 絵: 林明子 福音館書店 1977年

この絵本は、妹が生まれてその妹にお母さんをとられて悲しい気持ちと、お姉さんになって役に立ちたい、という子どものambivalentな気持ちが描かれているそうです。
そのため、妹や弟が生まれたとき、お姉ちゃんやお兄ちゃんになった子どもにとって、共感できるストーリーだということでした。
この絵本から、絵本講座最終回での発表のヒントをもらいました・・💫

●『ちびゴリラのちびちび』作:ルース・ボーンスタイン 訳:岩田みみ ほるぷ出版 1978年

小さかった子どものゴリラがみんなに愛されながら成長していくストーリーのこの絵本。先生の息子さんが小さかったときに、先生が怒りはじめるとダッシュでこの絵本をとりに行ったそうです。この絵本を読むと、大好きだよ〜と言いながらぎゅーっとするしかないため、怒られないようにできる!ことが分かっていたそうです。とても素敵なエピソードで、子どもができたら絶対に読み聞かせよう・・!と心の中で誓いました(笑)


講座

<現代の絵本について>
・ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』から、非常に「哲学絵本」が流行っている。
・絵本は、その場にいる人たちの「共通認識の基盤」をつくる力を持っているため、企業で議論をするときにも絵本が使われるようになっている。
・現代の絵本に必要とされているのは、「多文化」。
例)ショーン・タンの『アライバル』や『ロスト・シング』など。


ちょっとした感想

第4回目で感じたことは、本当に、絵本は色々な種類(ジャンル)があるな・・・ということです。当たり前ですが・・・(笑)
参加されている方々の選書がバラエティに富んでいて、毎回本当に勉強になります。特に印象深かった絵本は先生が「哲学絵本」の一つとしてご紹介くださった・・・

『わたし』文:谷川俊太郎 絵:長新太 福音館書店 1981年


この絵本は、さまざまな人から見た「わたし」が描かれいて、自我が出てきたときに良い絵本だそうです。
つまり、主体性の確立や自分とは何者なのか?という哲学的な問いに向き合うことを促す絵本ではないかと考えました。私は、修士論文の一部を主体性という視点から書こうと思っていたので、目から鱗が出た感覚でした。この絵本と主体性については、また次の機会に書こうと思います。

ここまで、だいぶ前にとったノートを見ながら書いてきたのですが、ノートを読むだけでも、楽しい!おもしろい!とワクワクが溢れ出てきました。次はもっと早く書きます・・・。


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