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Seleneが出来る前〜間借り終了までの備忘録

2021年5月
仕事絡みの知り合いに「将来何をしたい?」とLINEがきて、咄嗟に「コンカフェしたいです」と返した昼下がり。

返事を送った5分後に電話がかかってきて「面白い。コンカフェやろう」と言われ、よくよく聞いてみると使ってない物件があるからそこをコンカフェにしようとのこと。

お金は出資する。だからプロデュースしなさいとのことで二つ返事でOKした。

多分正直、3.4年後になると思ってた夢が一気に現実になってかなり浮かれていたのを覚えてる。

2021年6月
コンセプトも大体決まり、出資者にも許可を得てメイド服のオーダーをした。
メイドさんも複数人集まって、オープンは7月にしようかなんて話してた頃に思い出されたかのように契約書を頂いた。

目を通して見ると何回見ても納得いかない箇所があり、直談判するも話し合いは平行線。
今までの話し合いや自分の性格を考えて「出資は絶対自分は向いてない、1人で全部やり切ろう」と決断し、この話を白紙に戻す。

1人でコンカフェをオープンすることを決めた。

もちろん両親大反対
出資を断ったことではなく、経営を何も知らないのに何やってんだ状態。

まあ確かにと思った。
しかも自分はこの界隈から離れて1年半も経っていて、その間お客さんとの会話も0。
ぽっと出野郎が何する気だってなるに違いなかったから、一旦は両親の言葉を飲み込んだ。

その日のうちに不動産屋へ行き物件のあれこれを聞き回り、本屋へ行って経営の本とノートを買った。

勉強だけはアナログ人間だった。
ノートの紙いっぱいに文字が並ぶくらいギチギチに勉強のしるしを書くのが好きだった。

ひたすら勉強した。
ただ悔しかった。

断ったのは自分だけど、目の前にあった夢がまた遠くなったこと。
既に声をかけていたのに、メイド服までオーダーしてたのにお店を持てなくなったこと。
自分の知識不足。
全てにおいてどん底だった。

2021年6月中旬
毎日勉強してた。
毎日大阪のコンセプトカフェの情報を見てた。

溢れんばかりの新店舗出店に心がやられてた。
自分が踏ん張ってたら今頃…とか考えてた。

そんな時「間借り営業」という存在を知った。
お店の定休日だけを借りてお店を営業するやり方

資金も実店舗に比べれば10分の1程度で収まる。

これしかないと思った。
だから見つけた瞬間間借り募集してる店舗を毎日穴が空くほど調べた。
この段階で両親にはまだ「しばらく勉強してからゆっくり焦らずやる」って嘘をついていた(ごめんなさい)

2021年7月
なんとか協力してくれる場所を見つけ、7月下旬にオープンするという告知を開始。
ここら辺のタイミングで両親に伝えたけど「やっぱりお前は何かすると思った」みたいな反応だった。
怒られなくて良かった。怒られてもしてたけど。

でも、告知をしたその瞬間に時短要請が出てしまった

当初の営業時間予定は18:00-22:00だったから、どう考えても営業出来ない状況になってしまった。

また人を待たせてしまう罪悪感で正直もうダメだと思った。

制服は完成した。

2021年8月
収まらない感染者数からしばらく時短は続くと判断。
新たな間借り営業の場所をひたすら探した。

どうにか時間的にも予算にも合致した物件を見つけ即交渉。9月から貸してくれることになったが場所は本町。

不安でいっぱいだったけど、やるしかないと思った。
本当に、本当に不安だった。

8月に丁度食品衛生責任者の資格を取れた。
この頃から値段設定やメニュー等必死に考え始める。
オリジナルを追求しすぎて頭がおかしくなりそうだった。

2021年9月5日
オープンした。

心臓がはち切れるかと思うくらい怖かった。
何回も誰も来ない未来を想像した。
でも日曜日の本町なのに、周りにコンカフェなんてないのにわざわざ足を運んでくれたお客様が沢山居て心が救われた。

ひよっこ経営者(仮)が爆誕した。

2021年9月

初めてしおちゃんと会った
どうやって繋がったかは省くけど、まるちちゃんに協力してもらって連絡取り合って2人きりで会った

可愛すぎて、本当にアニメから出てきたんじゃないか?ってくらい何もかも可愛くてびっくりした。

面接というよりほぼ雑談だったけど、とにかくもうほんとに良い子で良い子で。

今もずっと頑張ってくれてるけど、間借り時代も本当に支えてくれて。
改めて出会えて良かったなあって思ってる。

10月からしおちゃん仲間入りで、またSeleneが賑やかになった。嬉しい

2021年12月
自分のことを知らないお客様にもSeleneへ来て頂けて毎週の日曜日が楽しかった。

荷物の搬入とか、本業との掛け持ちとか。
しんどいことは山積みだったけど来てくれるだけで嬉しかった。

このタイミングでなずちゃんがSeleneへ来てくれた、お嬢様として。

本当に顔立ちが整ってたから「コンカフェで働けばいいのに!」って言ってしまった(ごめん)

そんな会話をした数日後、あと一人くらいメイドさん募集したいなと思い出した。
でもTwitterで公に公開して、採用は1人
ましてや週一なんて流石に可哀想だな…と思った時、過去にSeleneのオープン前にメイドさん募集の問い合わせをしてくれた女の子の存在を思い出して即連絡、面接の予定を入れた。

面接に来た子はつい最近Seleneに遊びに来てたなずちゃんで、もう一瞬で採用しちゃった。嬉しすぎて。

当時人が足りていたから面接すらも出来なかったのにずっとお店を見てくれてたこと。「実店舗が出来た頃にまた応募する」って言ってくれてたけど、本当にどこのコンカフェでも働かずに待ってくれてたことに感動した。

年明けのSeleneが楽しみになった。

2022年2月
公には言えてなかったけど、3月末に実店舗が出来なかろうがSeleneは終わろうとしていた。
理由はって聞かれたら悩むけど、ただ自分の中で半年間の期限を決めていたのが大きかった。

でも新人さんも入ってきたし、何か次のステップへ行きたい。
理想は3月末で閉店、4月で実店舗ってずっと思ってたけどそんな上手いこといくわけないと思ってほとんどの人に言ってなかった。

でも年を明けてから急に色んな空き物件を持ち掛けられるようになった。

これはチャンスか?と思って仕事を抜け出し何回も何回も内見した。

そんな時今の物件を紹介された。
他の物件では上手くそこの場所で営業してる未来が見えなかったけど、ここだけはすごい綺麗にビジョンが浮かんだ。

直感を何より大切にしてる女なので、すぐに申し込み、契約までの期間2週間。

毎日「もし審査に落ちたらどうしよう」ってハラハラしてた。
審査が通ったって連絡がきた瞬間5秒でSeleneのLINEグループで実店舗の場所を伝えた。

これからもまたメイドさんと、色んな方々と思い出を作れることが嬉しくて。
でも本格的な経営が始まることが怖くて色んな感情が押し寄せた。
でもまあやるしかないと思った。

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時が経っちゃうと忘れてしまうことを綴りました。
間借り〜実店舗は時間がある時に記録に残したい

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