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AIと共創する

この画像はアルファベットCのイラストです。
何をモチーフにしているように見えますか?

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僕は一番最初パフェかなぁと思いました。
僕のパートナーは金魚だと思ったようです。


これはどうですか?

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僕は岩かなぁと思いました。
パートナーはカモノハシを抱いたセイウチだと思ったようです。すごいw

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ではこれは何に見えますか?

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僕は頭が下に、しっぽが上に見える謎の生物のように見えました。
僕のパートナーは浸食されている地球に見えるといいました。

実はこれ両方とも僕が研究で開発しているAIが生成したものです。GANという技術を用いて生成したものを僕がイラレでトレースしました。
僕が開発しているAIには意思がないので、これらのイラストには人間にとっての意味はありません。見る人がそれぞれに解釈し、意味づけしたものがこのイラストの意味になります。

AIが社会実装されはじめて中国の顔認証システムやネットショップの商品レコメンドがよくニュースになったりしますが、これらはクラスタリングというAI技術の領域で行われています。人間が求めている結果を正確に出すことを求められる領域です。生活を安全・便利にするためには非常に重要な技術です。

AIは正確さが求められることは得意であるが、人間のように何か新しいアイディアをつくったり、あいまいさが重要になることは苦手であると世間では言われています。
しかし、最近研究していると本当にそうなのか?いや違う。と思ってきました。先ほど見せたイラストはほかでもないAIがほぼ生成しています。僕はイラレでトレースをかけて、似合いそうな背景色をつけただけです。イラレのトレースもアルゴリズムで動いているのである意味でAIといえます。
AIはイラストに人間にとっての意味・解釈を付与することはできないので、ここでの人の役割は解釈し、意味をみいだすことです。

イラストからなんらかのヒントを得てこれから自分がつくるイラストや作品に取り入れることができます。
このデザインプロセスにおいてはAIは創造のパートナーと言えます。AIが最初から最後までなにもかもやり切れるとは思っていませんが、AIは創造的な仕事・役割もできると言ってもよいのではと。

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僕は意味のないもの、意味のわからないものに意味づけることが創造力の1つだと思います。
他社の成功事例をうまく取り入れたり、pinterestで見たデザインを参考にしたり、先行研究を参考にしたり、他の物に意味づけて自分の糧にする機会はたくさんあります。


現代アートや抽象画を見てよくわからないけど、何かに見えるという体験をしたことがある人は多くいると思います。その時、何か作品に込められている意味やストーリーを作者に聞きたいと思ったりしませんか?

そんなときはまずは自分が適当だとおもう意味を考えてみてください。
僕は意味を他者から先に聞いてしまうと、問題の答えを先に見て写しているのと同じようにもったいなく思ってしまいます。それがだめだとは言いませんが、、
仕事に関わることだとなおさら、すでに付与された意味を見出そうとしてしまいます。例えばなぜここにこの色にしたのか、UXとしてなぜここにこのワンステップをいれたのか。
しかし、自分の仕事にそれを取り入れようと全く同じことをしてもうまくいかないことが多く、大なり小なり工夫をする必要があります。

その見たものに新しい意味を付与する心理訓練にAIは使えます。
他人がつくったものであると、作者が付与した既存の意味を教えてもらおうとしてしまいますが、AIが生成したものだと意味がまだないので自分で考えることが心理的に容易になります。

今僕がやっている研究ではロゴのデザインを生成するAIの開発ですが、これ以外にも音楽、映像、文章さまざまな領域で行われています。
AIと共につくる社会は目の前まで来ていると、リアルな感触をもって感じています。

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