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『キャリー』を読みました。


『キャリー』


著者:スティーブン・キング
翻訳:永井淳


内容紹介
いじめられっ子のキャリーは体育授業後、シャワーを浴びているときに突然初潮をむかえていしまった。
母が教えていなかったせいか、キャリーがおぼこすぎたのか、17歳にもなって初潮をいうものを知らなかったキャリーはパニックを起こしてしまう。
そんな彼女にクラスメイト達はタンポンを投げつけたりしてさらにいじめてしまう。
後日、教師のデジャルダンはキャリーをいじめた数人に罰として、1週間の居残り体育授業を与えた。
反省したスーは罪滅ぼしに、友人トミーにキャリーをプラム(イギリス・アメリカ・カナダの高校で学年の最後に開かれるフォーマルなダンスパーティー)に誘うようにお願いし、迷いつつ、プラムに出席するのに母の反対を押し切りキャリーはトミーとプラムに出席することにした。
しかし、いじめっ子グループのボス的存在、クリスティーンは居残り体育授業をサボったことでプラムの出席禁止にされてしまったことを逆恨みし、キャリーに恐ろしい復讐をたくらんでいるのであった。
あっ、キャリーが超能力、サイコキネシスかな?が使えるという説明を忘れていました。



■■ネタバレもあるでしょうね■■
キャリー、それはキングのデビュー作である。
『ペットセメタリー』も『クリスティーン』も『スタンドバイミー』も『ミザリー』も。あとなんかあったかな?

まあ、大体キング作品は映画、映像作品から触れることが多い。
昔はテレビで普通にやってたしね。

『クージョ』ですらVHS借りて観てたのに、なぜかこれだけ所観が去年だった。(旧版)

キャリーという作品を簡単に言ってしまえば、

いじめられていた超能力少女がプロムナイトで豚の血をぶっかけられたせいでブチ切れて、その会場にいた人達を超能力で閉じ込めてぶっ殺すという、

豚の血をぶっかけるのはやりすぎだし、閉じ込めて焼き殺すのもやりすぎだろ、といった作品だ。

ペットセマタリー評のときにも言ったけど、未来から振り返るというストーリーは、どうやらキングの書き方らしく、このデビュー作からそのやり方で展開していく。

つまり、キャリー本人の物語、とキャリー事件を扱った本(?)と、生き残った人物が出した本等々を、交互に繰り返して物語は進行していく。

ペットセマタリー評のときは、ちょっとアレな感じで書いてしまったけど、なにも絶対悪いというわけではなく、この作品ではかなり上手いこと機能していた。

キャリーはブチ切れて復讐をとげてしまえば物語はそれで終わりだ。
そこからつらつら後日談を続けられても、ダレ場にしかならない。

それを途中にもってくることによって、キャリー事件のその後を含めて楽しめてしまうという上手いやり方だ。

キャリーの出生。母の過去。キャリーが超能力を持った理由等々、過去の部分まで書き切っている。

生まれの不幸。母にの危うい性格。
いじめられたのはかわいそうだけれど、それでもやっぱり、400人超を殺害し、町一つ崩壊させたのは、やっぱりやり過ぎだろうと思う。

全然、スカットUSAじゃないよ。




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