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「35歳の少女」や「大恋愛」は実は障害者に関するドラマ

障害福祉業界を明るくしたい行政書士の篠原です。

以前、「35歳の少女」についてこんなツイートをしました。

「35歳の少女」は自転車事故により崖から転落したことで25年間寝たきりになっていた少女が目覚めるお話ですね。

ドラマでは紹介されていませんが、この少女は自転車事故による脳外傷が原因で脳の成長が止まってしまったのではないかと僕は推測します。

35歳の少女よりも以前に戸田恵梨香さんが主演した「大恋愛〜僕を忘れる君と」でも高次脳機能障害について取り扱われていました。

このドラマでは戸田恵梨香さん演じる北澤尚さんは若年性アルツハイマーによりどんどん記憶がなくなっていく役柄でした。

この脳外傷が原因で疲れやすくなったり、感情のコントロールが効かなくなる等様々な症状が出る障害を「高次脳機能障害」と言います。

あまり聞き慣れない名前の障害ですが、今回はこの「高次脳機能障害」についてご紹介します。

聞き慣れる症状や障害も実は高次脳機能障害の1つ?

高次脳機能障害について詳しく知りたい方はこちらの説明を参照して下さい。

これらの説明から高次脳機能障害は脳に外傷又は病気を患ったことにより記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害が起こることがあります。

こういった症状から生活に支障が出ているため、高次脳機能障害と呼ばれています。

聞き慣れている症状に「発達障害」や「認知症」がありますね。
実はこれらも高次脳機能障害に含まれると言われています。

高次脳機能障害と診断されている人は発達障害や認知症と比べると少ないですが、診断されていない高次脳機能障害は大人数いるようです。

発達障害は生まれつきの高次脳機能障害

元TBSアナウンサーの小島慶子さんが軽度の発達障害だと診断されたことを公表したことで話題になりましたね。

発達障害には自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)といったものが挙げられており、小島さんは軽度のADHDと診断されたと発表されました。

発達障害の特徴は軽度から重度の幅が広い上に、外見では判断しづらい障害とも言われており、ご本人が周りに馴染めずに苦労されるケースがとても多いのが印象です。

この発達障害は生まれつきの高次脳機能障害と呼ばれており、症状が消えるということはありませんが、発達するにつれ症状が変化していきます。

本人が環境の変化に合わせて順応していくため、環境に合った行動が増えていきます。

つまり、環境の変化が得意ではない方が多いということです。

重度の方ですと、動きが鈍くなってしまったり、大声を出して暴れてしまう等拒否行動を示すケースも見られます。

認知症は進行性の高次脳機能障害

大恋愛の尚さんが罹った若年性アルツハイマーはこの認知症に含まれます。

認知症の特徴は症状が時間とともに進行していくということです。

尚さんも初めのうちは真司さん(演:ムロツヨシさん)を覚えていられるよう懸命に努力をしていましたが、最終話に向かっていくにつれ、真司さんを認識できなくなっていました。

ドラマの中だけの話ではなく、実際にご家族が認知症になった方のお話を聞くと、「昨日できていたことが今日からできなくなった」ケースはよく見られるそうです。

認知症の原因は遺伝の他にも頭部外傷が絡んでいることがあります。

頭に大怪我をしたことのある方や交通事故に遭った方等が認知症になる例もあるようです。

高次脳機能障害は後天性の障害

高次脳機能障害は脳外傷等が原因でその原因が起こった後に症状が現れるのが特徴です。

35歳の少女の望美さん(演:柴咲コウさん)は10歳の時に坂道を自転車で下っていたら、ブレーキがかからずに崖から転落したことで25年間寝たきりとなりました。

この崖からの転落で頭に大怪我を負い、体は35歳、心は10歳の女性として目覚めました。

望美さんが家や図書館で勉強している時に居眠りをしているシーンが何度か見られていましたが、この症状も「易疲労性」という神経や精神の疲労と言われています。

他にもイライラしやすかったり、注意・集中力が低下していたりするのも脳外傷によって脳に疲労が溜まりやすくなってしまうことから起こる症状です。

本人たちの関わり方

高次脳機能障害の方への関わり方として本人の特性を生かした関わり方が大切になってきます。

まずは本人が得意なこと、できることを見つけることです。

その本人の持った能力を生かして生活を支えていくのが適した支援と言えます。

前職で僕が発達障害の方と関わっていた時に意識していたことをご紹介します。

本人ができたこと、得意なことをこなした時に必ず「良かったじゃん」「すごいじゃん」と褒めるようにしていたことです

逆にやってはいけない行動をした時には粘り強く「やってはいけない」と伝え続けることも大切だと思っています。

発達障害の方は人との関わりが好きな方もいるので、自分ができたことに対して褒めてもらえることで喜ぶ方も多かったです。

人ってやっぱり褒められると嬉しくなりますよね。

ここに関しては障害の有無に関わらず、人としての欲求だと思っています。

今回は高次脳機能障害という難しいお話でしたが、実は知られていない身近な障害に関するお話でした。

障害福祉業界でも事業所を利用する方がこの高次脳機能障害である可能性もありますので、特徴や関わり方をご紹介致しました!

最後までお読みいただき有難うございました!

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