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2020年7月

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2020/7/29 読書記録

2020/7/29 読書記録

津村記久子『やりたいことは二度寝だけ』を読む。

一年に一回くらい再読するけれど、いつも面白い。この人は、大阪人というフィルターをかけてしまってるかもしれないけれど、小説でもエッセイでも文章で笑いをとろうとしている気がする。

津村さんは、大阪や京都でのイベントに登壇されることがたまにあり、何度か足を運んだことがある。一番記憶に残っているのは、イベント当日が大阪都構想の選挙日で、「あなたは何区で投

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2020/7/27 読書記録

2020/7/27 読書記録

三田村信行『オオカミの時間: 今そこにある不思議集』を読む。全作品何かしらの「怖さ」を感じさせる短編集だ。

三田村信行の作る「怖さ」は、「日常を少しずらした世界を描くことで生まれる怖さ」で、物語なんだけど、自分にも起こることかもしれない、と思わせるパワーが作品にある。佐々木マキのイラストが、臨場感をプラスしている。

この本とは別に、『おとうさんがいっぱい』というさらに怖い本があって、今すごく読

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2020/7/13 読書記録

2020/7/13 読書記録

村田沙耶香『きれいなシワの作り方 淑女の思春期病』を読む。SNSだったりメイクだったりいろんなところで悩み、自意識を発動させて苦しむ様子が書かれていて、面白い。私も今この本を書いていた時期の作者と同じ年代で、自意識を発動させまくりなので、共感することばかりだ。

この本は再読で、読むたびに村田さんと私って似てるかも、と思う。深掘りすると、心のどこかに「自分は普通じゃない」という思いがあって、「普通

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2020/7/5 日記

2020/7/5 日記

初めて自分のために花を買った。在宅仕事が続いてしんどくなっていたので、少しでも気持ちが楽になれば、と思っての行動だった。家に帰って、花瓶(これも買った)に花をさして、眺めていたら、心に余裕ができたのか、いろんな後悔の気持ちが押し寄せた。私は自分のことばかり考えていたのだ。この花は、仕事部屋の椅子から見える場所に飾っておこう。これを眺めながら、少しでも、花を贈るような気持ちで他者に接してみよう。

2020/7/4 日記

2020/7/4 日記

私の本棚には、4種類の本が並んでる。「①背伸びして買ったけど読めていない本」と、「②背伸びして買って読んだ結果消化し切れなかった本」と、「③好みだけど、ページ数が多く集中力が続かなくて読むのを中断してしまっている本」と、「④お気に入りで何度も再読している本」だ。

①②はSNSや書評をみて気になったものや装丁が好みのものが多いし、③は作家が好きで買ったは良いけどまとまった時間がとれないのをいいわけ

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2020/7/1 読書記録

2020/7/1 読書記録

ハ・ワン『あやうく一生懸命生きるところだった』を読む。昨日に引き続き韓国のエッセイ。

自尊感についての記載が興味深かった。

「自尊感が低い人たちは、自身を過大評価し、素晴らしい人間だという幻想を持っている。この幻想と現実のギャップが大きいほど、悩みも大きくなるのです。

韓国の著名な仏教僧が唱えたこの解釈を、作者は「僕はまさにその"自分を過大評価している人間"そのままだった。」と書いているが、

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