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プロジェクトあるある(87)

本日のプロジェクトあるある:

「現場作業の発生するプロジェクトでは、想定していない窮地を現場の作業員の職人技によって乗り切ることがある」


現場作業では、想定していない問題が発生することがあります。

そういう時、現場の職人さんの経験と知恵で乗り切ることができた、っていう事って少なからずあるのですね。

これまた、プロジェクトあるあるではしょっちゅう登場します、某大手お薬などを製造する会社のプロジェクトでの話です。

このお客様は、本社にコールセンターシステムを持っておりました。新電話システムを導入するにあたって、このシステムそのものはそのまま活用することになりました。

ただ、コールセンターで受電していた電話回線は、新電話システムで制御することから、このコールセンターシステムと新電話システム(ちょっと詳しい言葉でいうと、Voice Gatewayという装置)を直接物理ケーブルで接続することとなりました。

コールセンターシステムと古い電話システム間はT1という方式のケーブルを直接接続(Back to Backといいます)し、さらに通常の接続とは逆にするクロスケーブルというものを使用していました。

そこで、同じタイプのT1クロスケーブルを用意し、接続作業当日に臨みました。

するとですね、、なぜかシステム間で接続できません。

ケーブルそのものは特に問題ありません。

プロジェクトチームのエンジニアも理由がわからず、時間は経過していきます。私は、最悪切り戻し(ロールバック)の判断をしなければならないと腹をくくりました。

そんな中、救世主が現れました!

それが現場の職人Kさんだったのです。

Kさんは、以前既存の電話システムとコールセンターシステム間の接続を実際に担当されていた方で、確かそのときもうまくいかず、ケーブルを加工した記憶があるとのことでした。

下の写真にあるように、ケーブルの先にはプラグというものがついています。ケーブルの中には8本の銅線(芯線)が通っていて、プラグの金色のピンに接続されています。これを業界用語でピンアサインといいます。

このピンアサインというのは世界共通の標準規格で決められています。

T1とよばれるタイプのピンアサインも当然きまっているのですが、Kさんが調査してくれたところ、別の規格のピンアサインが使われていたことが判明。

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Kさんは手際よく、そのままケーブルを加工してくださいました。

そして接続確認。

成功!!

無事うまくいって本当によかった。

ケーブルのピンアサインが想定と違った理由は、おそらく既存のコールセンターシステムが古く、規格を意識せず作られていたのだろうと結論づけました。

これ、時間かければプロジェクトチームのエンジニアでも解決できたでしょうが、職人さんの記憶と技がなければ、とうていその日には作業完了しなかったと思います。

実は、現場の職人さんはこういった経験とノウハウを実にたくさん持っておられます。

特に、必要な製品が手元にないとき、職人さんは

「そんなの現場て作っちゃえばいいじゃん」

と作れるものは現場でなんとかしてしまうという心意気があるんですよね。

この考え方は本当に目からうろこで、自分の考え方の引き出しとして持たせてもらうことができたのでした。

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それではまた!

日々感謝 m(_ _)m




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