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アカデミックを志した私がスタートアップを選択するに至った経緯

こんにちは、高田です。

私は2017年に株式会社オプティマインドに参画しました。本記事では自己紹介に加え、私がアカデミックの道ではなくオプティマインドという企業でのキャリアを選ぶに至った経緯や思いなどを時系列に沿って書いていこうと思います。

大学時代

2009年に名古屋大学工学部の電気電子・情報工学科に入学しました。授業、サークル、バイトなどを適度にこなしつつ、友人と夜な夜な映画やアニメを見るなどして、人生のモラトリアムを満喫していました。

"授業" を "適度にこなし" と書いたとおり、電磁気学や量子力学、電子回路、電気回路など、どの授業も私にとって特に没頭して打ち込めるというようなものではありませんでした。でもそんな中で出会った「アルゴリズムとデータ構造」という授業がその後の私の人生の方向性を決めました。

詳細は割愛しますが、アルゴリズムとデータ構造の魅力に惹かれた私はそのままアルゴリズムを扱う研究室へ入り、気づいたら組合せ最適化問題に対するヒューリスティックアルゴリズムの研究をしていました。

研究室ではアルゴリズムの実装をする必要があったためC言語をひたすら書くようになり、プログラミングの楽しさ(と再現性のないsegmentation faultの苦しさ)を知りました。また計算実験は研究室のサーバーへSSH接続して行っていたのでLinuxやネットワークにも興味を持ち始め、自宅でサーバー構築などをするようにもなりました。

この頃にエンジニアとしての比較的低レイヤーな知識をつけることができ、良い経験ができたなと思っています。

新卒時代

卒業後は博士課程に進むことも考えましたが、あまりに長い学生期間を過ごしてきたことで社会への憧れがあったことや、身近で見ていた教授陣があまりにもハイレベルすぎてアカデミックの道はとても自分が太刀打ちできる世界じゃないなと勝手に思ってしまったことなどもあり、進学ではなく就職を考えました。

プログラミングなどの技術をベースにして働きたいという大前提があり、また社会を支えるようなシステムの開発に興味があったことから、大手SIerグループで手を動かして働けそうな会社を選びました(通信事業者向けのサーバーやソフトウェアを作る会社でした)。

これで晴れて新社会人デビューです。毎日スーツを着て朝から晩まで働くという、学生時代では考えられないような生活がスタートしました。新人研修では技術から業界の歴史など、様々なことを教えてもらいましたし、OJTではウォーターフォール開発を上から下まで一通り経験させていただき、恵まれた環境だったと思います。

新しいことの連続で刺激の多い日々だったのですが、それも最初の一年弱くらいで、次第に毎日仕事をこなすだけの日々にあまりワクワクを感じなくなっていました。気がつけばこの会社に居続ける意味があるのかどうか、ということまで考えるようになりました。あとになって振り返ると、そう感じる要因として主に以下があったと思います。

・作っているもののユーザーまでが遠いためやりがいを感じづらかった
・業務の中で深く思考することが無かった(作業のようになっていた)
・上司や先輩を見ていて数年後に自分がそうなっていたいと思えなかった

簡単に言えば、楽しくなかった楽しくなる将来も見えなかったということに尽きると思います。

結果、二年目の冬にこの会社を退職し、大学へ戻ることを決意しました。転職という道もあったのですが、ちょうど修士時代の研究成果を発表する機会があったことで改めて研究の楽しさを感じたこともあり、また元々アカデミックの道を若干ネガティブな理由で諦めていたこともあったので、改めてもう少し本気で研究に取り組んでみよう、あわよくばその専門性を活かして生きていこう、と思い大学の道を選択しました。

大学に戻った&オプティマインドに入った

大学に戻ったタイミングで、元々研究室の後輩でちょうど同時に博士へ進学した松下に声をかけてもらいました。

松下は組合せ最適化を社会に活かしたいという思いを持ってオプティマインドという会社を立ち上げていました。当時はちょうど物流業界向けに配送計画問題をベースとしたサービスを提供できないかと考えていたところだったようで、そこに配送計画問題を専門に研究している私が戻ってきたという絶妙なタイミングでした。

最初はお手伝い的な感覚でやっていたのですが、自分が研究としてやっていることが実際に価値を生むということを実感し、やりがいを感じるようになりました。それだけではなく、今まで非常に応用が効くと思っていた研究が実はなかなか社会で活かされていないという事実や、社会へ活かすには最適化の研究ではない部分にもっと取り組むべきことがあるということも段々とわかってきました。

当時の松下の「学術研究と実社会の架け橋になりたい」という思いの意味を強く理解し、かつ共感し、オプティマインドとしての活動にどんどんとのめり込んでいきました。

将来への悩み

オプティマインドでの活動が多くなっていく一方で、研究に割く時間がどんどんと減っていることも事実でした。正直、アカデミックの道を目指して戻ったのに基礎的な勉強も思うようにできておらず「これで教員になったらやばい」「そもそも教員になんかなれない」という危機感や不安で一杯でした。

しかしオプティマインドという場で最適化の力を以て世界を変えるというビジョンも非常に魅力的でした。今ここでどちらかを選択しなければいけないと考えたとき、最適化の専門性を磨くことは後でもできる、オプティマインドで世界に最適化を広めることは今しかできない、と考え、最終的にはオプティマインドに集中しようと決断しました。

もちろん、後から頑張って大学教員になれるのかと言ったら、正直そんなに甘いものではないと思います。若いうちに業績や関係を積み上げることの重要性もよくわかっています。しかし、オプティマインドのワクワクはどうしても無視できませんでしたし、結局、楽しいというのが一番だったと思います。

オプティマインドは自身の専門性を活かし最適化を広めるという側面だけではなく、新しい事業や組織を作り上げていく楽しさがあったり、お客様への価値提供や社会の課題解決を実感できるプロダクトや、優秀な人材と一緒に技術を磨ける環境など、他ではなかなか得られないものが詰まっています。

オプティマインドに入ってからもいろいろありましたが、それでも「楽しいことをしたい」という自分の選択が間違っていたとは全く思いません。これから何があるか全くわからないですが、この選択をしてよかったと常に思えるよう努力し続けていこうと思います。

さいごに

進学か就職かというのは大学生によくある悩みかと思いますし、就職した後も学問への思いが諦めきれないという人は少なくないのではないでしょうか。

そういった方々にとって、こういう例もあるんだということが何かの参考になれば嬉しいですし、そうでない方々にとっても、オプティマインドという素敵な環境があるということを知ってもらえたら嬉しいです。

オプティマインドでは「多様性が進んだ世の中でも、全ての人に物が届く世界を持続可能にする」という物流業界の壮大な社会課題を解決すべく、一緒に働く仲間を大募集中です。とりあえずもう少し聞いてみたいという方はお気軽にカジュアル面談をお申し込みください!


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