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ゲームで鍛える3つの力 ~タフネス・ストラテジー・ストーリーテリング

先日、コーチ仲間で飲んでいる時に「Takさんはよく『ゲームが上手いヤツは部活で活躍する』って言ってますよね」という話になったので、ちょっと変わり種ですがそんな話をしてみます。

実は私は、部活に没頭する前は数日ぶっ通しでゲームできるくらいの生活をしており、中学時代に自作の長編ゲームを4つ製作していた過去があります(最近はめっきりですが…)。

数年前にともにコーチをやっていた後輩(これもそこそこゲーム好き)とは良くゲームと部活の練習の共通点なんかを語ったりしていたので、その時の言葉を聞いていたのでしょう。例えばこんな話をしていた、ということで3つほどゲームから学び、部活で使える力を紹介したいと思います。

①タフネス(打たれ強さ・粘り強さ)
☞代表的なのはご存知『スーパーマリオ』シリーズですね。私が初めてプレイしたゲームでもあります。平面のマリオの世代ですから、今とは少し難易度も異なります。特に小学生の自分にとってはステージ1をクリアするのにも何度も失敗し、父親に代わりにプレイしてもらうも、悔しいので結局自分でやり直したり、いらいらしてコントローラー投げたり…という思い出が鮮明に残っています。
ただ、何度も失敗してくると「あそこにはアレがあるからこういう風に進めよう」とか「ここはこのタイミングでジャンプする!」とかいろいろ考えるようになり、最終的には突破できるようになります。そして、その積み重ねで最終面でクッパを無事倒すことができるわけです。
ここでの教えは【タフネス】、つまり打たれ強さ・粘り強さです。何度つまづいても、そこから学びを得て、自分の行動を修正すれば、どこかでブレークスルーして、成長することができます。ただし、「チャレンジをやめなければ」。部活・競技も同じです。頭を使って何回もトライすれば、どこかで壁を超えることができますよ。

②ストラテジー(戦略的思考)
☞これは私の場合は『スーパーロボット大戦(特にF・F完)』、一般的には『信長の野望』に代表されるシミュレーションRPG(ロールプレイングゲーム)から学ぶことが多いですね。ひとりひとりの仲間に能力や特殊スキルが設定されていて、それをいかに組み合わせ、成長させ、配置するかによって、ステージがクリアできるかどうかに大きく関わってきます。大きく見れば、将棋やチェスも同じですね。
私はこの「打ち手」として俯瞰してチーム全体を見て、最適な配置を考えたり、一歩も二歩も先読みをして駒を動かしていくゲームはとても好きで、やっている間は脳に汗をかくというか、スポーツをやっているかのごとく、です。
この学びは【ストラテジー】、すなわち戦略的思考になります。たいていのシミュレーションRPGは、適当に進めることを許さない傾向があります。通常のRPGであれば、敵に勝てなければひたすらレベル上げをすれば、ゴリ押しでクリアしていくことも可能です。一方、(特に昔の)シミュレーションRPGは、シナリオがある程度決まっているため、「今その場の戦力」で戦うことを求められるシーンが多いです。Final Fantasy Tacticsのとあるステージでドはまりした経験のある方もいるのではないでしょうか。
そうなってくると、仲間の能力を把握し、「誰をどのように成長させて、どう活用するか」を『あらかじめ』考えておく必要が出てきます。これぞまさに戦略的思考であり、チームを率いる人々が持っていなければならない発想になります。幹部・上級生には必須のスキルですね。

③ストーリーテリング(物語を紡ぐ力)
☞最後は『Final Fantasy』『Dragon Quest』に代表されるRPGからの学びです。RPGの醍醐味は、40~100時間かけて展開される壮大なストーリーを、主人公を通して体感できるところにあります。もちろん、戦闘シーンなどの面白さもありますが、ここではそのストーリー・シナリオに着目したいと思います。
RPGの構成は小説やドラマと基本的には同じです。すなわち【起承転結】で構成されている、ということです。
私の好きなFFⅣの例で言えばこんな感じ。
【起】バロン国の赤い翼のセシル(主人公)がとある事情から国を追放されて旅に出る
【承】さまざまな仲間との出会いを通じてバロン国に立ち向かっていく
【転】騒乱の裏で糸を引いている黒幕と対峙しながら自身の出生の秘密と向き合っていく
【結】全てを知った一行は、真の敵の待つ月へと向かい、最後の戦いに挑む

「これの何が部活と関係あるんだよ…」と思いますか?大ありです。前述のタフネスを高めるための過酷なチャレンジに飛び込んだり、ストラテジーに周りのメンバーを巻き込むためには、周囲を惹き込む【ストーリー】すなわち物語を紡ぐ必要があるからです。
さまざまなRPGをプレイすることで、人を動かす言葉や感情表現をたくさん収集し、まさに自分たちがゲームの「主人公」であるかのような魅力的なストーリーをつくりあげていくことができるようになります。それは、部活・スポーツという長い旅を歩んでいくためにとても大切なことです。
良いリーダーは、魂のこもった言葉を使い、周りを魅了するストーリーを産み出せる人なのです。

といったわけで、私は幼少期~青年期にたくさんゲームをやっていたことが、選手時代や今のコーチとしての基礎をつくっていると信じてやみません。最近はスマホゲームが増えてきていますが、ぜひともこうした昔ながらのゲームをやってみて欲しいものです。

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