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【Book Review】『とにかく仕組み化』

『とにかく仕組み化』
安藤広大(株式会社識学 代表取締役社長)
ダイヤモンド社.2023年

<本書のポイント 抜粋>
◎識学とは…
組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どのようにすれば解決できるか、その方法を明らかにした学問。

◎仕組み化
組織の中で「人をどう動かすか」というマネジメントに関するルールづくり。

◎性弱説
個人の判断や感情に委ねると、人はラクをするという前提に立つこと。
マニュアルやルールを作り、それを守らせる仕組みをつくることが最終的には自走する組織をつくる上で必須となる。

◎属人化
仕組み化の反対。
その人にしかできない業務が存在する状態。
組織マネジメントを考える上で、人を育て・動かすためには
替えの利かない人<歯車として機能する人
という発想を持つこと。

上記を踏まえ、本書のポイントは2つ。
「性弱説を前提に考える」
「組織は放っておくと属人化していく」
この2点を押さえて、仕組み化を以下の5つのステップで考える。

◎ステップ1:正しく線を引く
「責任と権限」を手に入れる
→ 決めたことを守り切る
明文化されていない曖昧な権利(=既得権益)をなくし、明文化していく。
一方、ルールを一度決めたら変えてはいけないと考えず、必要に応じて変えていく。
ただし、ルールを決める権限が誰にあるか(責任)は予め明確にする。

◎ステップ2:「危機感」を利用する
→正しい恐怖を感じ続けるようにすること。
明確な判断軸・判断基準が存在し、それをもとに的確なフィードバックがなされる。

◎ステップ3:「比較と平等」に気をつける
→正しく人と比べる環境を整えること。
基準が明確にされていれば、比較する上でブレず、不足や負けを認められる。

◎ステップ4:「企業理念」を再認識する
→自分がどこに向かっているかを迷わないこと。

◎ステップ5:「進行感」を感じる
→他者と共に大きなことを成し遂げること。

<所感>
安藤広大氏の著書、識学の考え方をまとめ、累計100万部を超えた3部作の第3弾。
本書の中で最も印象に残る部分は、
「組織は放っておくと属人化がしていく」
という言葉。
まさに、我々のような仕事(トレーニングコーチ,トレーナー)に当てはまる。
もっとも、個人事業主として活動している人はその人に仕事が依頼され完結するため、当てはまらないが、我々ストレングス工房のように会社として、仕事を展開している組織においてはまさに課題となっている点。
基本的に契約は会社間では締結しているものの、それぞれに担当チームを持ち、1年,2年,3年と関係が続いていくにつれ、先方のチームも担当者も、ある意味では1対1の関係性が出来上がっていき、いわゆる「替えが利かない状態」になっていく。
もちろん、そうやって仕事が評価されれば、さらに次の仕事へ拡がっていくという展開になっていくメリットはあるものの、一方で担当者が病気や不慮の怪我•事故で仕事をストップせざるを得なくなった時、途端に立ち行かなくなるというリスクが常にはらんでいる。

本書の結びの部分で書いてあるように
「仕事で結果を出すこと」
「人をマネジメントすること/育てること」
「組織を大きくすること/継承継続させること」


この3つは、組織として、あるいは組織の中で働く上での原理原則であり、小さな組織ながら「ストレングス工房」という会社を預かる身として、日々感じ、どうすればよいかと頭の中で考えを巡らせている課題である。

そんな中で、出会った本書を含めた3冊は、何度も読み返している書籍の一つとなっている。
同じような立場の方はもちろん、組織の一員として働いている人にとって、所属する組織を評価する上で参考になると思う。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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