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祖母の空き家をどうするか考えてみた

「いつか〇〇(私)が住めるように空き家は残しておくね」

これは、前に帰省したときに祖母から言われた言葉です。

私はこれに対して明確な回答をしませんでした。

ですが、あのとき明確に「要らない」と回答をしなかったことが、今でもあの空き家が残ってしまっている原因なのかもしれない。と最近思いました。

私ごとですが、私は地元市役所の固定資産税課に配属していたときがあります。
そのとき市民窓口で「タダでもいいから空き家を市に寄付したい」という相談を数十回は受けました。

その相談に対し、市財政課の回答は一貫して「活用見込みのない固定資産は受け付けられない」でした。

また、固定資産税の計算をする上で地価の変動にも携わっていたため、固定資産を所有し続けるリスクも感じていました。

こういった経験もあって、私は空き家問題に対して人一倍の危機感を持っており、自身のためにも空き家問題に関する書籍を最近2、3冊読みました。

空き家問題は、父母・祖父母・兄弟が固定資産を持っている方にとっては直面しうる問題です。(婚姻によって急に当事者になることも)

この記事では、空き家の活用・処分をするために必要な基礎的な考えや方法をまとめてみます。

この記事を読んだ方が、空き家の処分について考えてもらうきっかけにでもなれば幸いです。


避けるべきこと

(考えもなく)問題を先送りにする

「実家に思い出がある」「忙しくてなかなか」などと空き家問題を先送りにすることは事態を悪化させるだけの悪手であることが多いです。(資産運用上の考えがある等の事情があれば話は別ですが)

空き家を放置して発生しうる問題は以下のとおりです。

・管理コスト
 →固定資産税、草刈り、修繕費など
・資産価値の低下

 →地価の下落。建物の劣化。
・心理的負担
 →近隣住民からのクレーム対応。将来の不安。
・所有者死亡時の相続コスト
・特定空き家(周辺に悪影響がある建物)への指定
→固定資産税の増加。行政代執行(強制解体)の費用負担。

いずれやらなければならないことなので、まずは早めに空き家の処分について話し合うことが大事だと思います。
※先送りされて後々苦しむのは所有者本人ではなく子や孫世代です。

まず考えるべきこと

身内で欲しい人がいないか確認

将来相続人となりうる人や親族に「要らないなら処分しようと思っているけど要らない?」と確認をとりましょう。

身内への譲渡で済むと話が早く、お互いの諸負担も軽いと思います。

建物の状態を判断する

建物の状態は、大きく3つに分けられます。

・そのまま(クリーニングするだけ)で使える
 →すぐさま残地物を撤去しハウスクリーニングをする。(一般住宅用ではなく賃貸住宅用のクリーニング業者の方がコスパ良)

・リフォーム・修繕をすれば使える
 →そのまま売る or リフォーム後に貸す(リフォーム代をペイできるか判断の上)

・壊すしかないほど老朽している
 →解体費を引いた価格で売り渡すのがベター(購入者が新築と解体を併せて発注する方が費用を抑えられるため)

選択肢1:自分が住む or 別荘にする

①リフォームして住む。
②DIYを楽しみながら住み、建物価値を高めて売る(貸す)。
③別荘として所有し、親族なども懐かしめる環境を残す。

などいろいろありますね。


選択肢2:売る

「手間や時間をかけたくない」「空き家のことを考えなければならない心理的負担をなくしたい」という方は売るのがおすすめです。

近隣住民に譲渡

「隣地は倍出しても買え」という言葉もあるほど、売却先として真っ先に浮かぶのが近隣住民だと思います。

相手にとっての利害も一緒に考えてあげる親身な姿勢が大事だと思います。

不動産屋に出す

残地物を撤去し、クリーニングをしてから不動産屋に出しましょう。使用感のある汚い状態のまま出すよりも成約率は断然高いそうです。

選択肢3:貸す

本業以外の不労所得を得るための投資として、不動産はとてもいい選択肢だと思います。

建物を残したまま貸す

リフォームの有無は要判断ですが、建物の解体は購入者にしてもらう方が基本的にベター。

賃貸の場合もすぐさま残地物を撤去し、クリーニングをしてから不動産屋に出しましょう。

取り壊して更地として貸す

これまで何度も書いているとおり、建物の解体は購入者にしてもらう方が基本的にベターですが、以下のようなケースだと、先に取り壊しておくほうがいいこともあるかもしれません。

・建物の老朽化が進みすぐに解体しないと危険な状態
・更地としての方が利用しやすい。(駐車場など)
・再建築不可能地(接道義務を満たしていない)

そのほかの選択肢

ほかにも以下のような選択肢があります

事業として利用

 →民泊、店舗など

相続放棄

 →相続放棄をしても、他の相続人に相続権が移ることに注意。
 →相続人全員が相続放棄をした場合は国庫に帰属されるが、管理責任は残ることにも注意。

実際に祖母のケースを考えてみた

祖母の空き家について

・北海道の田舎
・国道沿いで車通りは多い
・築50年ほど
・建物は少し修繕すれば使える状態

私は祖母に「早急な売却」を勧める

祖父母はすでに80歳を超えておりこの先長くないことや、そのほかの親族も遠方に住んでいることから、空き家を管理するのが難しいと思うからです。


今度帰省した時に、一緒にその空き家の中を見て、ゆっくり話し合いたいと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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