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subscribed TOKYOで感じたこと

世界最大規模のサブスクリプションイベントと言われる subscribed に今年も参加してきました。

自分がそのモデルでビジネスを進めているからか、正直「サブスクってもはや当たり前じゃない?何がアップデートされるの?」と思いながら参加しました。結論から述べると今回は「製造業、特にBtoBのサブスク化」に焦点が当たっていた印象です。

まず参加者属性ですが、例会どおり、「情報通信・インターネット」の業種の方が最も多かったものの(私もここ…?)、次に多かったのが「エレクトロニクス・機器」「自動車・機械」だったそうです。役職についても80%以上の方が管理職以上の意思決定層とのこと。

そしてこの1年間の最も象徴的な出来事として、トヨタのサブスクリプションサービス KINTO が挙げられていました。これにより製造業大手が一斉に「動いた」とのこと。確かにトヨタの愛車サブスクリプションサービスはインパクトありますよね…。

カンファレンスではリコーの事例をもとに、BtoB製造業のサブスク化が語られていましたが、そこには①販売モデルの転換(従来の複合機のセット販売からの転換)②販売プロセスの転換(ディーラー販売モデルからの転換)という大きな2つのハードルがあることが説明されていました。特に①に関しては、いわゆるAdobeが経験したような「魚を飲み込む」期間があることを受容しなけれなならない(意図的に売上を減らす期間を経験せねばならない)。確かにこれらは事業トランスフォーメーションを図る上で、周囲への説明責任含め、なかなか大変そうですよね。

別に「誰もがサブスク化しなくてもいいんじゃない?」と思うのですが、そこは、「57%の人が所有するモノを減らしたいと考えており、74%の人がサブスクリプションを今後より多く利用すると答えている。それは、モノを持つことは負担であり、モノを持たないことによって自由が手に入るからだ」というユーザー側の背景があるということと、実際に(いずれも米国の調査ながら)「自動車の販売台数は減少しているのに対して走行距離が急増している」「ゲーム本体の売上が減少する一方でゲームの利用は史上最高に到達している」「Airbnb利用の売上がヒルトンの売上を上回る」といった調査もあり、マクロトレンドを見据えると製造業もユーザー基軸に考えて事業モデルのシフトを考えなければならない状況のよう。

自分も基本的には「モノは減らしたい」「モノは保有したくない」派なのでユーザー視点としては嬉しい傾向だなと思っています。一方、事業者目線としても自身が経験しているサブスクの事業モデルにサービス業だけでなく製造業も近づいてきてくれることで(というか、製造業がサービス業化していく流れの中で)、抽象化したモデルベースで経験している内容を昇華できれば、学びえたことの適用範囲がさらに広がっているのではないかと思い、このビジネス形態の広がりに一層興味を覚えたカンファレンスでした。

そして何より、プラチナスポンサーをしていたDeloitteの大先輩に偶然お会いできたことが実は最も嬉しいことでもあり、サブスク頑張ろう!と思えた、勉強になるよいカンファレンスでした笑。

さて、来年の subscribed では何がイシューとして語られるのか、今から楽しみな所ではあります・・・願わくばこの事業モデルが一層進み、課題が二歩も三歩も前進していますように。

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