日誌「寿司(の形状をした食べ物)を口に入れた」 #790
お寿司が好きだ。カウンター席しかないようなお店に行くことが大人のステータスかもしれないが、私は回転寿司を愛している。所謂“鮨”的なネタを食べることも当然ながら、サーモンを初めてとして回転寿司でしかないようなメニューが素晴らしいと思う。さて、どれでも好きな寿司を注文して口に入れたとき、シャリに味がついていなかったらどうなるか。味、つまりは酢が打たれていない。酢飯ではなく、ただの白米だった場合を想像していただきたい。
こうなると、口に入っているのは醤油を付けた刺身と白米だ。これだけを考えれば、内容は“刺身定食”と変わらない。ただ、頭では「寿司(の形状をした食べ物)を口に入れた」と認識しているため、まったく美味しいと思えない。これはとても不思議だ。どんなに最高の魚と米が使われていても、酢がなければ寿司ではなくなってしまう。逆に言えば、この少ない組み合わせに恐ろしいほどの深さがあるということが分かる。そういうことを考える木曜日。