日誌「新旧が対話するように設計されていた」 #793
関東は5月中に梅雨入りするのだとか。5月中とは残り数日しかない。梅雨よりも、もう6月という事実に震えている。夏に向けてのダイエット、一緒に海へ行く意中の人、など何にもない。いや、まあ、それには慣れている。などと考えながらやってきたのは鶯谷駅。そこからしばし歩いた上野公園の外れにある“国際子ども図書館”が今日の目的地である。
ここは1906年に建てられた帝国図書館だったらしい。そこから何度かの増築や改築を経て今に至る。なぜアラサーがここにやって来たかというと、近年の改修を行なったのが安藤忠雄さんだったからだ。詳しい建築のことなんて分からないが、安藤さんのデザインには素人ながら掴まれるものがある。その建物に無料で入れるのだから行くしかない。
入口からその“節”を感じた。古くからあるレンガ棟は元々の建物を破壊することなく、ガラスのカーテンウォールを取り付けて新たなスペースが作られている。それがレンガを守るケースのような存在にも見えて素敵だ。蔵書まで見なかったが、おそらく新旧のあらゆる本が保管されているのだと思う。この建物自体も、新旧が対話するように設計されていた。