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語彙の習得と自動翻訳

「足にマメができた」

▼4年前,マンハッタンで写真を撮りながらあちこち歩いていたら,足にマメができてしまい,それが痛くて痛くて足を引きずって歩いていたら,ホテルのフロントでどうしたのかと尋ねられました。ちなみに,私の note で用いているNYの写真はその時撮影したものです。

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▼お恥ずかしながらその時「足にマメができた」の「マメ」という単語がわからず,その場で調べたところ,blister(水ぶくれ)という表現を使うことがわかり,"I have blisters on my left foot." と伝えたら "Oh, that's too bad!" と気の毒がられました(笑)。

▼その後も別の場面で尋ねられて同じように答えていたら blister という単語が自分のものになりました。「語彙を習得する」というのはきっと,そのようにして自分で「使えるようになる」ことなのだと改めて実感しました。

自動翻訳で「足にマメができた」と調べたら

▼さて,Google翻訳で「足にマメができた」という日本語を英語に訳してもらうとどうなるでしょうか。2019年12月末の時点では,このような結果になりました。

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"Beans on the feet." まあ,確かに「足の豆」ではありますが(笑)。

▼この時,他に「一郎と二郎は瓜二つだ」という日本語を英語に翻訳させたところ,次のようになりました。

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▼「瓜二つ」が "two melons" となりました(笑)。ちなみに,「マメができた」は現時点では "I have a blister on my foot."と改善されていますが,two melons 現象は未だに修正されていません。以下のリンク先でご確認ください(もし,きちんと翻訳されていたら改善されたことになります)。

①「一郎と二郎は瓜二つだ」

②「足にマメができた」

DeepL翻訳だと

▼こうした慣用句や比喩表現を機械的に翻訳することは非常に難しいことです。現時点で最も精度が高いと思われるのは DeepL翻訳で,それぞれ次のようになります。

①「一郎と二郎は瓜二つだ」

▼この記事を書いている時点では, "Ichiro and Jiro are two of a kind." となりました。"two of a kind"は「同じ種類の2つ⇒似た者同士」の意味で,最近はやりの言葉だと「ニコイチ」というイメージでしょうか。

②「足にマメができた」

▼同じく,現時点では,"I got blisters on my feet." と訳されました。blisterはたいていいくつかできるので,blisters と複数形になっているところもミソだと思います。

▼このように機械翻訳の精度が高くなると,「翻訳家の仕事がなくなる」とか「英語を勉強する必要がなくなる」といった意見も見受けられますが,そもそも,機械翻訳によって訳された表現が本当に正しく,適切なものなのかどうかを最終的に判断できるのは結局のところ人間に他ならないわけで,その意味では「勉強の必要がなくなる」ことも,「翻訳家の仕事がなくなる」こともありえないでしょう。

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