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資産形成で情報に触れ続けることの大切さ

先週、私が行っている勉強会グループで、日米株価の下落について話をしました。そのあと、投資の専門家の話を聞く機会があったので、その話を付け加えてnoteにまとめようと思います。

まず先週は、認識しておくべき点が3つあると述べました。

① 米国の証券会社はS&P500の株価予想を一段と引き下げています。私たちが昨年の夏あるいは秋ごろから少しずつ慎重になり始めていた時には5,000あるいは5,500まで上昇すると言っていたのに、今では4,000未満に見通しを引き下げています。色々理由はあるのでしょうが、1つ言えることは「結局自分で考えなくてはいけない」ということです。

② 市場参加者は金融引き締めペース加速の可能性を警戒しています。先々週は2人の米地区連銀総裁から「永遠に0.75%の利上げを排除するのではない」「政策金利を年内により正常な水準に戻すべく迅速に行動する」という発言が出て、金融マーケットの警戒感が高まりました。しかし、パウエルFRB議長が「経済がほぼ予想通り推移した場合、今後2回の会合では0.5%の追加利上げが適切だろう」と発言すると市場は安心して株価が反発しました。

ですがこの時、パウエル議長は「事態が予想よりも良好ならば、われわれは行動を少なくする用意があり、予想より悪ければ行動を多くする用意がある」「(経済のソフトランディングには)多くの困難が伴う」「実際に達成することができるかの問題は、当局がコントロールできない諸要素に左右される可能性がある」とも述べており、政策対応が変わる可能性を仄めかしています。必ずしも楽観できる状況ではありません。

③ 世界経済の不安定な現状の先を見ることが必要となります。足元の状況を考えると、コロナ禍を乗り越えて経済が回復している米国は金融引き締めで需要抑制、世界第2位の経済大国である中国はロックダウンで景気悪化懸念、欧州はロシアのウクライナ侵攻の影響をもろに受けて経済や政治のコストが大きく上昇。この状況で米国の景気後退リスクも高まっているため、株価は下落しています。

ただし、先を見るとどうでしょう。米国は現在インフレ期待の抑制に注力中ですが、雇用と物価のデュアルマンデートのためどこかで景気支援に舵を切るでしょう。中国はどこかでゼロコロナ政策を転換する可能性があります。ウクライナ情勢は核使用を含めた悲観シナリオを排除できませんが、最悪の事態を回避できれば状況に好転の余地があります。なお、仮に米国が景気後退に陥っても、その期間はそれほど長くならないことが多いです。戦後12回の景気後退において最長は18ヵ月、平均は10ヵ月です。

長期の資産形成においては①②③を認識しておくと良いと思います。そして、資産形成を続ける。世の中の状況がどうなっているのか、どう変化しているのかを知るために情報に触れ続けることが大切だと考えます。

そして、上記のほかに付け加えておきたいことが2つあります。

1つは、もしも地殻変動的なことが起こるとしたら、それは米国の金融引き締めやウクライナ情勢や中国の減速懸念を超えたところにあるのではないかということです。

もしも本当に警戒すべきことがあるなら、それはここ何十年も続いていた金融市場へのマネー供給が本格的に逆回転しないかどうかということです。翻って見ると、バブル崩壊やリーマンショックなどがありましたが、総じてみれば、金融市場のマネーは膨らみ続けていました。万が一、インフレがどうしても落ち着かず、世界の中央銀行が本腰を入れてマネーの引き揚げに動き出すようだと、金融市場の資金が不足して相場が混乱に陥ります。経済がおかしくなってもマネーの引き揚げが続くようだとショックが発生する恐れがあります。ただし、この可能性はかなり低いと考えます。

もう1つは、投資の専門家の話は素直に耳を傾けるとともに、色々な話や意見を聴いて自分なりに判断する練習をするのが大切ということです。

年初までは株価に割高感が出てきてもまだまだ上昇だと言っていたのに、今は株価はまだまだ下げる、長期下落トレンドだという声が出てきています。

先日、著名投資家の講演を聴きました。その方は株価はしばらく低迷、特にインデックス投資には厳しい時期が続く、アクティブ・ファンドの方が良い、下落相場に強い堅実な企業の株が良いという話をしていました。高すぎる株価に警鐘を鳴らしていたのでなるほどと聞いていたのですが、多少疑問を感じる点もありました。

例えば、過去はインデックス・ファンドの方がアクティブ・ファンドよりもパフォーマンスが良い時代があったが、それは緩和的な金融環境のおかげだ、これからはアクティブの方が良いという点です。緩和的な金融環境はみんなに平等だったので、アクティブのパフォーマンスがインデックスよりも悪かった理由として適切なのかなと感じました。もう1つは、インフレの中で現金を持っていてもダメなので株式投資は継続した方が良いが、株価下落は世界恐慌並みになるかもしれないと言っていたことです。1929年の世界恐慌では米国の株価が89%下落したので、それを言われると投資をした方が良いのかしない方が良いのか迷ってしまいます。ただ、自分なりの結論としては、このリスクを警戒しすぎて何もしないでいることにも大いにリスクがあるので、投資は継続した方が良いと感じました。

一方、別の投資の専門家は、今は難しい時期だけど投資には大いにチャンスがある。魅力的な企業が多く成長の可能性があると言ってました。この方の話にも大いに納得できるものでした。そう考えると、足元での株価下落は投資の好機とも言えます。

このように、資産形成においては、上記の前半で述べたように情報に継続的に触れ、後半で述べたように専門家の話を参考にしたり、歴史的な動きを学んだりすることが、自分の知識と経験を深めることにつながります。とは言え、難しく考えることはありません。同じような仲間のいるコミュニティーで楽しくこれらのことを吸収し、じっくりと資産形成を行っていくことが、とても大切だと思います。

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