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写真を編集する、こと

写真の編集(レタッチ?)に関して、時折SNSが賑わうことがある。私ことアラサー会社員はそれを見ながら「ルネサンス期にSNSがあったら大変だっただろうな」と思ったり、そこまで深くこの事柄を考えていない。今年開催された“パリ・フォト(世界最大の写真に関するイベント)”では、AI生成した作品コーナーがあったとのレポートを耳にした。芸術における写真はそういう領域へ到達しているようだ。ただ、正しさや真実ということへの憧れは分かる。


意図

先日、松濤美術館で杉本博司さんの『本歌取り 東下り』を見た。その詳細については他のレビュー等を参考いただくとして、個人的には《富士山図屏風》という作品が印象的だった。というか、もはやショックの域だったかもしれない。それは葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を現代に再現(本歌取り)した作品である。当然、富士山が写っているわけだが、北斎の絵に近づけるため撮影後にデジタル処理が行われているそうだ。つまりは編集されている。

意志

どこかへ旅をして、家族や友達に土産話をする際に多少の誇張が入る気がする。「すごい良かった!」とか「あれは美味しかった!」とか。実際に良かったし美味しかったのだけれど、どこかで“そう思いたい”とする自分がいるのかもしれない。写真を撮りパソコンで開いてみると、撮影時の設定ミスなどでイマイチな感じになっていることがある。その比較対象は自分の中の記憶だろう。こんな感じに見えた/見せたいは、作り手の個性そのもの。では、編集は?


「本歌取り 東下り」

これまで

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