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あるパンダの一生

今日は生理期間中で
体調がすこぶる悪い

頭痛(目の奥の痛み)
眠気
足のむくみ
食欲無限
テンションの乱高下

そんな中で
外出する気にもなれず
テレビとYouTubeをひたすら
ラジオがわりに
観たり観なかったりしながら過ごした

日中やっていたNHKの番組
ごろごろパンダ日記

途中から観たのだが
神戸の動物園にいた一頭のパンダ
担当の飼育員の方々の話だった

正直動物園に対しては
良いイメージがなかった

ペットショップと同じ感覚
消費者にお金を出させて
動物を見せ物にしている

大人がそんなことに加担するなど
到底賛同できないから
行くこともない派だった
(厳しい)

番組で出会ったパンダを観て
全てが変わったわけではないが
園内で愛らしく過ごす彼女と
愛情を持って心を尽くす飼育員さん

最終的にパンダは亡くなってしまうのだが
観にくるお客さんが
人間の側が
パンダにこんなにも
支えられていたのかと思い知った

印象的だったシーンは
彼女は妊娠して出産するのだが
4日目に生まれたばかりの子の
赤ちゃんは亡くなってしまう

原因は栄養失調
お乳を飲んでいるように
カメラには映っていたが
実は上手く飲めていなかった

そのパンダは元々手足が平均より短く
その胴長短足が愛らしく
トレードマークになっていたが
育児にはそれがよくなかった

赤ちゃんをきちんと支えられない
それが原因だとされた

その後まもなく
一緒に過ごしていた
パートナーのオスのパンダも
亡くなってしまい
1人きりになったパンダ

しばらくして発情期を迎えると
彼女は笹の枝を折ったものを
腕に抱えてゆらゆら揺らす動作を見せた

ペロペロ枝を舐めて
愛おしそうに見つめていた

偽育児という行動だとのこと
きちんと名前がついた行動

一度出産したメスのパンダ
体が出産を思い出し
赤ちゃんへの愛着を
行動で示すものだとのこと

その間は食事の量も減り
体重も減少してしまうそうだ

観ていて泣いてしまった

まるで笹を本当の赤ちゃんのように
幻覚を見ているように
腕に抱えて母の表情をしていた

観客(特に女性)からは
彼女を思いやる言葉が寄せられた

見ていて同じ女性として切なかったと

愛情を持って赤ちゃんに接していて
手足が短くて上手くお乳を
吸わせてやれなかったのも
彼女のせいではなくて
仕方ないことというには
あまりにも悲しすぎる

しばらくして
パンダのエリアには
アーケードが設けられ
目張りがされた

パンダは加齢からくる
心不全になっていた

手術する場合は全身麻酔となり
心臓が悪い体には負担になる

対症療法的に体液を抜く処置が
行われていた

パンダは(他の動物も)
注射やレントゲンやエコーなど
必要な検査が静かに行えるように
訓練されていたから
賢くきちんと処置に応じていた

人間だってストレスを
感じるような痛みも伴う行為に
大人しく賢く応じている

その姿にも本当に号泣

飼育員さん方のお世話もあって
パンダは頑張っていたが
亡くなった

お2人の男性担当飼育員の方も
インタビューに応じながら
会話の途中に声を震わせて
涙を必死に堪えていた

彼女の生き様
飼育員さんの彼女に対する愛
そして彼女に支えられていたお客さん

全てが愛情で繋がっているのがわかった

ありがとう
というお客さんからの手紙や色紙
お花が沢山祭壇に供えられ
皆んな手を合わせながら泣いていた

動物園は子供のもの
ファミリーのものという思い込みがあった

だから大人になってから
たぶんほとんど行っていない

こんなにも一頭の動物に物語があって
そこに人間の愛があるなど
思ってもいなかった

そうか…
動物園行ってみても良いかも
新たな自分の発見が
あるかもしれないなと思った

生理期間中は
情緒不安定

ちょっとしたことでも
琴線に触れて涙が出る

でもこの琴線に触れる感覚こそ
自分にとって大切なことなんだ

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