flapforfastening

日常生活の表と奥のつなぎ目。 事象と認識の間。いつかの話。

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最近の記事

thank u, next

最後の一方的なメールには、随分経ってから返信が来た。返信不要って書いといたのに。 内容は私のメールを読んだという報告と、今後も私とは先輩と後輩としていい関係でいたいという内容だった。それでいいと思った。わざわざ波風を立てることはしない。でもわざわざ良好な関係でいることもしない。それが私の考えるいい関係だった。同職の他人に戻ることを選んだのだから。 私に期待を持たせない為か過去の関係には一切触れない文面を読んで、私はさめざめと泣いた。 忙しい中で書いたのであろうメールは相変

    • Easy Come, Easy Go!

      白状すれば最初は彼の事は何とも思っておらず、私の事を好きだと確信した時もむしろ困惑した。でも、こういうのもありか、と思って恋に落ちた。最終的に嵌ったのは私の方が深かったと思うけれど、まあ振られても仕方ないよなあ、主体的な恋愛してなかったもんな、って。傷付いたのは本当だけど、まあ仕方ないね。

      • let it be

        彼に出会う前、私は婚活に疲れていたのだけれど、実は私がしたかったのは結婚じゃなくて恋愛だったのだなぁと全て終わった今なら分かる。 脈アリ脈ナシかの一喜一憂から始まりお互いに距離を測りながら近づき結ばれて、別れて泣いて後悔に沈み込み、未練に飲み込まれ、恨んで怒り、もう一度泣いて、やがて昇華していくところまで、フルコースをくれた事に感謝している。ずっとお利口さんにしないといけないと思っていたから人を恨んだり呪ったりしたことがなかった。ずっとお高く止まっていたから自分の喜怒哀楽すら

        • change

          彼と別れ話をした後に、飲み会に行くという彼を助手席に乗せて送っていった。 さっきまでぐずぐず別れ話をしていたのに、車を運転する私はなぜがハイテンションになってしまい、喋り続ける10分足らずの最後の2人のドライブだった。 彼が私の車の助手席に座ったのは付き合い始める前とこの時と、たった2回だったなあ、なんて事を今なら思い出せる。 この日のことで覚えているのは夏の夕陽を見ながら彼の家に向かって車を出したこと、途中で飲み物を買ったこと、そして暮れてしまった空をバックにこれ以上

          do me a favor

          1番あれーっと思ったのは、私が都会における選択肢の多さと近さが純粋に羨ましいと話した時に、そんなのどこでも一緒でしょ、とムッとされたことだ。地方を貶める話じゃなくて、選択肢にたどり着くまでに必要とされるエネルギー量が都会の方が少ないと思うって話だったんだけど、私は固い彼の横顔をそれ以上何も言えずにただ見ていた。 その時、この人はもう私の事を好きじゃないんだなと思った。義務感で誕生日を祝おうとしてくれていたけれど、一緒にご飯を食べている時も帰り道も、私の知らない顔と声で喋ってた

          don't look back in anger

          1年以上前に書いた話をいい加減供養のために下書きから出しておく。ソフィカルの限局性疼痛とララランドに触発されて書いた、あくまで私目線の一連の失恋話。どこにでもありふれていて零れてしまったこと、人に話すには旬を過ぎてしまったもの。だからもう真実ではなくなっているだろう。彼には彼のお話が、彼の妻には彼女のお話があるだろう。でも、これは私の話。 これはしょうもない失恋話である。 彼と出会ったのは春で、彼は職場の新人だった。私がメンター。その後恋愛関係になった。 初めて彼からの好

          don't look back in anger