let it be

彼に出会う前、私は婚活に疲れていたのだけれど、実は私がしたかったのは結婚じゃなくて恋愛だったのだなぁと全て終わった今なら分かる。
脈アリ脈ナシかの一喜一憂から始まりお互いに距離を測りながら近づき結ばれて、別れて泣いて後悔に沈み込み、未練に飲み込まれ、恨んで怒り、もう一度泣いて、やがて昇華していくところまで、フルコースをくれた事に感謝している。ずっとお利口さんにしないといけないと思っていたから人を恨んだり呪ったりしたことがなかった。ずっとお高く止まっていたから自分の喜怒哀楽すら何でもないことの様に振舞っていた。こんな人間、恋愛出来なくて当然だった。
彼に恋して、私は自分の人間らしい感情に私は戸惑いっぱなしであった。自分はただの人間である事、それに気付くきっかけを与えてくれて、ありがとう。

2人が仲良く過ごしていた頃、共通点が多くて、私も彼もお互いをソウルメイトだと思っていた。しょうもない青臭さ。でも本気だった。

彼にしてみれば私と関わってしまった事は災難だっただろう。年甲斐もなく終わり際まで見苦しくしてしまった。申し訳なくは思うが、それでも後悔はない。もう私と彼は二度と元には戻らない。ソウルメイトじゃないと分かっているからだ。

さよなら、しばし時間を共有したあなた。
来世などというものがあるなら、もっと違う関係でいたい。それは例えばお互いに名前を知ることもない様な関係がいい。

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