その向上心は幸せを邪魔していないか
「まだやれる」の向上心と、
「もう十分じゃないか」の足るを知る心。
この2つのバランスが欠け始めると、人は自ら幸せを遠ざける。
どうかこれだけは、ずっと心に留めておきたい。
自分の中で「まだやれる」の声が大きくなりすぎたとき、
「もう十分じゃないか」と声をかけてあげられるのは自分しかいない。
実際には、「もう十分じゃないか」と言ってくれる人がいても、
「まだやれる」くんが、それらの声をシャットアウトしてしまう。
だから、自分自身で「もう十分じゃないか」と声をかけてあげよう。
ここで言う「もう十分じゃないか」というのは
「あきらめる」ことではない。
「もう十分頑張っているよ」ということ。
「国の発展が人々の幸せを邪魔してはならない」と元ウルグアイ首相のペペは言ったけど、きっとそれは個人でも同じ。
向上心は、私の幸せを邪魔してはならない。
この21世紀をインターネットとともに生きる私たちは、
「まだやれる」ことを鼓舞してくれるどこかの社長の言葉や指南書が大好きなくせに、
SNSに流れてくる他人の生活をのぞいては湧き上がる嫉妬心を手でおしこめるくせに、
「もう十分じゃないか」と自分に声をかけることの大切さは無視しつづけている。
向上心と、足るを知る心。
このふたつにかけられた平均台を、バランスをとりながら歩いていく。
***
「日本人は『自分のために』とか『明日のために』とか言って朝から晩まで働くけどね、いい?幸せはいつも今日の自分の中にあるのよ?見えない誰かと闘うのはやめない?」
とマレー人の先生からありがたいお言葉を頂戴したので、ここに代弁しました。
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