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過剰だけど助かる接客
この前、1人で文具屋さんに行ってきた。
私が住むインドの地域では、チェーン店でいくつもある大きめな文具屋さんだ。
その日は下見のつもりだったので、特に何か買うつもりはなかったのだけれど、表紙や紙質が日本では見ないようなノートが多く、面白くていろいろ手に取って見ていた。
見ている間、店員さんがずっとついてくる。
あまりにも私がずっと見ているのでノートを購入すると思われたのか、とうとう店員さんが話しかけてくる。
私の知り合いに絶対私っぽくない!と言われること間違いなしのファンシーなかわいいデザインのノートをおすすめされる。
そもそも今日は買わないんだけどなと思いつつ、「もっとシンプルなのが好き。かわいいのはあまり…」とうっかり答えてしまう。
そうすると、今度は表紙が真っ白な無地のノートを持ってきた。
真っ白の無地の表紙もなんだか私っぽくない。
言いようのない自分の中にあるイメージを伝えられず困っていると、同じ無地で黄緑色のノートを持ってくる。
黄緑、それもなんだか違う。
店員さんも察したのか、そのあとは話しかけるのをやめてくれた。
私は日本にいる時から服などを見ている時に話しかけられたり、ついてこられたりするのが苦手なタイプだ。
「買わなきゃいけない」「早く選ばなきゃいけない」というプレッシャーを感じてしまうし、何も買わなかった場合に「申し訳ない」と思ってしまうからだ。
が、インドに来てからはそう思ってはいられない。
なぜならお店に入れば店員さんがついてくるのがスタンダードだからだ。
理由を聞いたことはないけれど接客のため、もしくは防犯のためと思われる。
レストランに入ればメニューを選んでいる間、ちょっと離れたところからずっと視線を送られる。
先ほどの文具屋をはじめ雑貨屋さんに行っても同じで、ちょっと離れたところからずっとついてくる。
ついてこないのはスーパーくらい。
彼らも仕事としてやっているので仕方がないのだけれど、なかなか慣れない。
が、良い面もあったりする。
日本では洋服売り場でもない限り、あまり店員さんは話しかけてこない。
品出しだとかレジだとか、せかせかしている店員さんが多く、用事があっても少し声をかけづらい雰囲気を感じてしまう。
その点、インドの人はかなりフランクに話しかけてくる。
ただうろうろしているだけでも「何か困ったことがあったら言ってね!」と声をかけてくれる。
初めてと言ってなくてもおそらく私のビビっている雰囲気を察してか、売り場の説明をしてくれることもあった。
ついてこられるのは苦手だけれど、こういう接客はかなりありがたい。
日本と違ってインドの接客は、ちょっと過剰なところもあるけれど、ぶっちゃけ親切心は日本より強く感じることさえある。
日本は人件費などで最低限の人数で回しているところが多いかもしれないが、インドはお店がガラガラなのにそんなに人いて大丈夫なの?ってくらい店員さんが多い。(そしてだいだいお喋りしている)
ギリギリの人数と余裕のある人数なら、もちろん余裕のある人数である方が接客も行き届くのかなとも思ったりする。
インドで一人でお出かけするのに散々ビビっていた私だけど、2か月経過した今、1人でちょっと出かけられるようになったのは、インド人のフランクさと過剰な親切心のおかげかもしれない。
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