勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
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勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

仕事の生産性や効率性が厳しく追求される今日。どの業界・職種においても、PDCAを設定し的確に回すことが求められています。
巷にはPDCAに関係する本や講座が溢れ、Webでもメソッドを簡単に検索できますが、教科書的PDCAをただ「知っている」のと、日常の仕事で実践し「習慣化」できているのとでは、大きな違いがあります。また、教科書どおりにやっていても、上手くいかなくなって、途中でPDCA自体を放棄してしまう人も多いのではないかと思います。
そこで今回は、PDCAの失敗の「型」を知ることで、PDCAを動かし、経験値を積み上げるためのポイントをお伝えします。勝ちに不思議の勝ちはあっても、負けに不思議の負けはない。法則のようなものがあるのです。

できる人ほど陥りやすいPDCAのわな

様々なプロジェクトで、多くの業態、そして多くの企業の方々と仕事をしていると、周囲に「この人は優秀」と認められている人ほど、ある種のPDCAのわなにはまってしまっているといったケースを目にします。かっちりとPlanを設定し、続くDo、Check、Actionもしっかり段階を踏んで進めているように見えるのですが……。優秀な人ほど、いつの間にか最初に設定したPDCA自体が目的になってしまっている、そんなケースです。

マサヒコ君: 例のオフィスビルのリニューアルプロジェクトですが、ここにきて急に、クライアントからフリーアドレスに変えたいと言われました。せっかく、計画通り、順調に進んできたのに。これじゃあ、また一から組み立て直さないと…
キノシタ: それは、残念だね。でも、仕事だし、そんなこともあるよ。
マサヒコ君: そうは言っても、僕は相手の要望をしっかり取り入れてPlanをつくり、確実にPDCAを回してきたんですよ。それなのに、ここにきて、こんな変更が発生するなんて…。
キノシタ: たしかに、マサヒコ君の気持ちもわかるな。でも原点を思い出して!僕たちの仕事は、お客さまが「こうしたい」と思うゴールを実現するためのお手伝いだったはずだよ。予定通り進めることよりも、クライアントに本当に必要なものを提案し実現することに注力してみると、今の状況も違った景色として見えるんじゃない?

マサヒコ君の話をまとめると、
●基本計画段階からプロジェクトに参画し、クライアントのニーズは漏らさずプランに落とし込んでいた
●毎週の定例会議では、リスクを全て洗い出し、細部にわたって進捗状況を共有していた
●今回の仕様変更は(クライアントの)トップダウンで決定。当初の計画とは大きく異なるオフィス空間を希望している

キノシタ: 5年前のプロジェクト発足時と今とでは、ワークスタイルやライフスタイルに対する考え方はずいぶん変わってきたと思わない?。クライアントは、社員が快適に仕事ができて、生産性が高まる空間を求めている。そこはブレていない。ただ、時代に合わせて、ゴールを具現化するための空間、表現の仕方をより良いものに変えようっていうことなのだから、ある意味、今の変更は良いことなんじゃない?
マサヒコ君:それはそうですけど…。だったら、もう少し早く、言ってほしかったですよ。これじゃあ、PDCAが完全に止まってしまいますよ。

PDCAは手段であって目的ではない

キノシタ: 失敗の類型って知ってる?言ってみれば今の考えは、「軌道固定型」ってとこかな(笑)。
マサヒコ君:なんですかそれ?
キノシタ:失敗を分析するといくつかのタイプに大別できるってことさ。「軌道固定型」は、簡単に言えばスタート時点のPをかたくなに守ろうとするタイプかな。その真面目さと粘り強さはとても大切だけど、一方で、状況の変化への対応力が少し苦手なような……。
マサヒコ君:そう言われてみると、そうかもしれないけど。ちょっとがっかりしちゃいますね…。
キノシタ: そんな、がっかりすることなんかないよ。粘り強くまとめていく大切さと、刻一刻と変わる状況の中で最適な判断をしていくのはどちらも大切ってことを、少なくても、そのことを今インプットできたじゃないか。これは、絶対次に生きてくる、大きな財産だよ。
マサヒコ君:……。
キノシタ:粘って最初に考えにこだわるか、状況に応じてやり方を変えるか、後はその判断を的確にすることが大切になるけど、PDCAにこだわりすぎないようにすると良いよ。僕は、いつも思い描いたゴールをより良く実現することを判断基準としているから、迷ったら思い出して!
マサヒコ君: 僕に足りない部分がわかった気がします。キノシタさん、さっそく、作戦会議の予定をいれますね!

まとめ
✔PDCAは、あくまでも仕事をうまく進めるための手段であり、目的ではない
✔時代や環境の変化によって、クライアントの要望が変わるのは普通の事。PDCAを回すことではなく、PDCAを回す目的を常に忘れず、より良く実現することに着目する
✔PDCAの失敗の「型」を知っておけば、無駄な失敗を回避できる。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
野球が好きな方なら、プロ野球の名監督、野村克也氏の名言をよくご存じだと思います。これこそ、失敗の「型」を知り、経験値に変えていくことの大切さを伝えています。
私はこれまで、様々なプロジェクトを経験し、想定していなかったトラブルにも直面してきました。
そんな私ですが、やはり今でも、失敗もありますし、そんな時はとても辛く、悔しい思いもします。だからこそ、その原因を分析し、打開策を考え抜くことを大切にしています。
ただし、私自身にも、プロジェクトのメンバーにも、「仮に失敗したって、次の成功に必要な経験値を得ることができたじゃないか!」と開き直るぐらいのマインドを持つように心掛けています。
どんなに真剣に、慎重に仕事に取り組んでいても、失敗しない人間などいないのですから、無闇に恐れているより、失敗から得た経験値を次に活かす方が大切なのです。

PDCAの失敗の「型」をもっと知りたい方はこちら


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神戸大学大学院修了。山下設計で、丸の内オアゾなどの大型プロジェクトを担当。その後、大手生保の不動産投資グループにて、数多くの投資事業を担当。現在は山下PMCで、事業会社の参謀としてビジネスモデル創出型サービスを展開。プレゼンテーション勝率9 割の実績を持つ。