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「日本人女性が海外でモテる」の真実

「日本人女性は海外でモテる」という言葉を聞く。20代まではなるほどそんなもんかと思っていたが、実際に自分がアメリカで暮らしてみて、これは少し様子が違うなと思った。

ロサンゼルスに住んでいたころ、日本人女性で、かつて銀座のクラブ嬢をやっていたお姉さんとシェアハウスをしていて、あるときお酒を飲みながら、「アメリカに来てから、非モテ男子にやたら言い寄られる」という話をされた。

わたしも日本にいた20代前半のころ、いろいろな男性とお付き合いした経験があったので、彼女の言っていることはなんとなくわかった。銀座のクラブでハイスペックな男性陣に口説かれていた彼女にとって、アメリカに来てから声をかけてくる男性が、女性経験が少ないタイプばかりであることは大きな違和感だったんだろう。

もちろんたくさんの例外がいるし、志を共にしている研究グループや似た人たちが集まる職場などでは当然素敵な出会いもあるだろうという前提のうえで、日本人女性(アジア人女性)は、白人女性に受け入れられなかった男性にとっての救いの手段となりやすい。

(※黒人女性についてはわからない)

これはたぶん、過去に海外で暮らしていた日本人女性のマジョリティによる負の遺産、でもあるのかもしれない。「外国人の彼氏が欲しい」「ビザを取るための結婚相手が見つかれば誰でもいい」という女性たちは、いわば欧米の“弱者男性”たちにとって押せば手に入るイージーな恋愛相手となってしまった。

過去に愛されるという経験をした女性なら、「お前はどうせすぐ股を開くんだろう」という軽蔑まじりのアプローチは何かおかしいと感じ、警戒する。しかし、恋愛経験が浅い女性の場合、「私、外国人男性にモテてる」と浮き足立って、そのまま受け入れてしまうのかもしれない。

恋愛経験を一旦さておき、別の可能性を考えてみる。外国は日本に比べて人種が多様だ。するとどんなことが起きるかというと、日本では想像できないほどの好みの多様性が発生する。

アメリカの別の都市に住んでいたころ、女友達と好きなタイプの話をしていたときに、友達が「私は断然ユダヤ系!」と発言するのを聞いて衝撃を受けた。簡単に言うと黒髪で顔の彫りが深い人、である。そういえば、アメリカでマッチングアプリに登録すると、相手の人種の好みを聞かれることに気がついた。

ちなみに、彼女はとても素敵な青い瞳をしているのだが、「彼氏は私のブルー・アイズが好きなの」とうっとりしていた。日本で言うなら、「ショートカットが好き」「二重瞼が好き」くらいのカジュアルな感覚で、嗜好に目や肌、髪の色が出てくるのだ。

それを踏まえると、「アジア人女性が好きな男性」、ましてや「日本人女性が好きな男性」はかなり限られてくる。アジア人女性が好きでも、中国や韓国のように意思の強い女性が好みで、日本人女性は幼すぎる、と見る人たちは多い。

アメリカの男性とデートしたときは、私のことを「私」と見てくれない男性が多くて、悩むことがあった。自分のターゲティングも悪かっただろうけれど、シリコンバレーの某大手IT企業に勤める白人男性とデートしたときに、部屋に韓国カルチャーグッズばかりがあるのは流石に萎えた。彼にとっては、アジア人女性なら誰でもいいんだ、と思って、自分の中で何かが急速に冷めていくのを感じた。私にだって、同じような価値観はあっただろう。

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一方で、私が仲良くしているアメリカ人男性×日本人女性のカップルたちには、「かかあ天下で、男性がともかく献身的」というのが多い。女性がいずれもスマートで自立していて、男性がひたすらその執事となっている。

しかしこういうカップルに対して、日本人男性たちが、「旦那はオタクっぽいよな」とからかうのも聞こえる。そういうのに社交的な微笑みで返しながら、いやお前たちよりもアソコが3倍くらいデカいんよ、と思う。

お酒を飲みます