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太極剣とヴァイオリンの弓(第2版)

弓先は人差し指で圧力をかける?

2日間ヴァイオリンは座学のみで、その間ピアノを弾いていました。

今日は大阪から熱心な弟子のK君が来て、いつものようにみっちり練習して帰りました。

剣道に始まり、学生時代に居合道、古流剣術と修行して来た彼は、今は大学の教員をしながら揺禅道内功武術に熱心に取り組んでいます。

今は形意拳、八卦掌などの気功武術に加えて、太極剣の復習をしています。

私が以前からヴィオラ・ダ・ガンバやヴァイオリンを少しかじっただけで武術の剣術が上手くなった気がすると言っていたので、ヴァイオリンにも興味を持っています。

昨日購入した深山尚久氏の著書(とても良い本です)に、元弓になる時に肘が下がる癖のことが載っていて、肘はある程度上げて肩も前には出ないようにしながらも落とそうとしすぎて固めないようにというアドバイスがありました。

揺禅や真伝の太極拳の考えに近いですね。一般に太極拳の練習者は武術体操競技、武道のいずれの方でも背中の力を使おうとして、胸を窪ませて肩を前に出す傾向にありますが、それは間違いです。

そう言えば読響のコンマスの幸太さんも、弓元にする時に指を使って手首を持ち上げるのではなく、掌を平行に保つと言ってましたね。

また彼はどの動画かは忘れましたが、アップボウ(弦に向かって弓元が移動する)の時に右腕をやや回外(掌が上向き加減になる)させて手首があまり曲がらないようにするとも言っていました。

これは気功武術、太極拳では納得の行く話です。手首を持ち上げは操作は上に向かうエネルギーを強化します。弓の弦に対する圧力が減る動きになます。音量、音質を調整するためでなければ手首はあまり持ち上げない方が理にかなっています。

またYouTube で見る限り多くの方が弓先で人差し指の圧をかけると言っています。

これには異論があります。現実的にはそうするのが妥当でしょうが、大抵の人は人差し指から、腕全体に力みが生まれます。

私なら例えばG線で弓先になる場合でもほとんど人差し指には力を入れず肘は必要充分に上げて、僅かに腕を回内(掌が下を向く方向)させて人差し指側に重心が乗るようにするだけで人差し指には力を入れません。体幹と腕からのエネルギーを受け止めて伝えるだけです。

もちろん熟達したプロは不必要な力み無く自然にこなしているはずです。この感覚を未熟者に伝えるのは難しいところです。

肘が上がった姿勢で肩が上がらずにリラックスし、腕全体とそれを支える体幹のエネルギーと重力を弓先に伝えることは普通は難しいでしょう。

揺禅や気功武術の体幹操作とリラックスによるエネルギー伝達はこういう時に役に立ちます。

そして今日の太極剣の指導では、さらにこれを応用して相手の剣を封じる圧力をリラックスしながらかけるという技術を、この弓先に圧をかけるやり方と同じだと説明して示すことができました。

K君はたまたま同じ名前のコウタ君ですが、益々ヴァイオリンに興味を持ったようです。

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