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刻々と判明する深刻な被害。そんななか学校が避難所として重要な役割を果たしていることも明るみに・・・文科省では被災地の受験生を救済すべく、全大学に対応策の検討を指示。

高校が避難所となり、被災者を受け入れ

共通テストまで1週間を切るなか、その凄まじい災害の状況が判明してきました。被災地にある高校も大きな被害を受け、新学期の開始がままならない様子が伝えられています。

しかし、そのような状況下であっても、避難所として被災者を受け入れていることも報道されています。

大規模火災が発生した輪島市では、石川県立輪島高等学校に避難所が設けられ、体育館には 6 日朝 8 時の時点で、400 人余りが避難していることをNHKが報じています。


校長室から被災状況や生徒へのメッセージを日々発信

その輪島高校のHPに「おこらいえ」というタイトルの校長室だよりのページがあり、今回の震災の様子を日々伝えています。

校長先生は、生徒たちに対して次のようなメッセージをメールで呼びかけたとのこと。

避難所の様子をしっかり観察してください
誰がどのように動いているのか?

そしてしっかり考えてください
自分は誰かのために何ができるのか?

机の上で学ぶことだけが勉強ではありません

ボロボロになった自分の生まれた街から
決して目を逸らさないでください

石川県立輪島高等学校ホームページ 校長室より「おこらいえ」
1月7日「自分は誰のために何ができるのか」から抜粋

校舎に大きな被害が生じ、学校再開のめどが立たないなか、それでも生徒たちにとって学校が“学びの場”としてあり続けなければいけない、という強い気概をこのメッセージに感じました。

文部科学省は、「令和 6 年能登半島地震による被害情報」を発信しており、その第7報(1/7 13:30)では、27 の高校に避難所が設けられている、としています。

大きな災害時においては、各地の学校が地域の人たちにとって、安全で安心して身を寄せられる場として、無くてはならない存在になっていることがよくわかります。


受験生が落ち着いて共通テストに臨めるのか・・・

さて、大学入試の方に目を向けると、毎日新聞は、間近に迫る大学入学共通テストに受験生が落ち着いて臨めるのか、と心配する高校関係者の声を伝えています。

<毎日新聞> 学校再開のめど立たず 共通テスト受験に不安も 能登半島地震(1/7 18:48)

大きな被害があった能登半島から共通テストの試験会場が集中する石川県中南部へは、主に車での移動となるようですが、もともと移動には数時間程度の時間を要するとのこと。今回、震災により多くの道路が土砂崩れや破損により通行が困難になっており、受験生たちは試験会場に果たしてたどり着くことができるのか。とても心配です。


受験票がなくても受けられる!
文科省は大学へ特別対応を要請

こうした移動はもちろん、そもそも自宅が被災し、受験に必要なものを失ってしまったり、受験手続き自体が困難になってしまった受験生も多いのではないでしょうか。

文部科学省は、5 日付で全国の国公私立大学長宛に「令和 6 年能登半島地震の発生に伴う令和 6 年度入学者選抜における対応について(通知)」を発信しました。

そのポイントは、

(1)①あらかじめ定められた期間に出願できない者、②被災により出願書類や受験票を焼失等した者、③志願する大学の出願書類を入手できない又は通信環境が復旧せずインターネットによる出願が困難となる者が含まれることが想定される。各大学においては、被災した受験生に対する出願手続きについて、出願期間の延長、出願方法や受験当日の手続きの弾力化など柔軟に対応すること。

(2)出身高等学校等の被災の状況によっては、当該高等学校等が調査書や卒業証明書等を発行できない可能性や被災した受験生が調査書や卒業証明書等、高校卒業程度認定試験の合格証明書等の書類を入手できない可能性が想定される。このため、出願書類については事後的に提出させるなど柔軟に対応すること。

(3)被災した受験生に対する入学検定料の納入期限の延長や、入学検定料の減免について検討すること。

さらに入試日程等についても、「受験生の受験機会を確保するため、各大学の実情に応じて別日程での受験へ振り替える」などの配慮をするよう求め、入学手続き期間の延長、入学金・授業料等の納入期限の延長や減免など取り得る措置についても検討するように要請しています。

今後、各大学の方で具体的な対応策が出されていくことでしょう。

これらについては、判明次第、改めてレポートして参りたいと思います。


馳知事「共通テストの交通費・宿泊費をサポートしたい」

石川県・馳知事は、6 日午前に行われた災害対策本部員会議において、
「今月13・14 日に行われる大学入学共通テストについて、被災した受験生の交通費、前泊費を、県としてサポートしていきたい」と話したことが報じられています。

これについても具体的な内容がわかりましたらお伝えします。


困ったことがあっても、決して諦めない

入試本番の直前に震災に見舞われた受験生たちのなかには、受験票や出願書類が焼失してしまったり、ネット環境のダウンで出願ができなくなっていたり、あるいは高等学校が被災し各種証明書を発行してもらえなくなったりなど、様々なアクシデントや不都合が生じている方も多いかと思います。

しかし、政府の方から各大学に特別対応要請が出されていますから、なんらかの代替措置や柔軟な対応をしてくれるはずです。

ですので、困ったことがあれば、遠慮せずに、周りの人たちに早めに相談しましょう。

繰り返しになりますが、
受験生の皆さんは、決して諦めることなく、
志望校合格に向かって
頑張っていただきたいと思います。

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