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takibi INT. 平向早香さん/みと森のようちえん にじいろ/03 みんなも自分らしく
自然のなかで暮らす人と語らうtakibi INT. 、vol.0では「みと森のようちえん にじいろ」を立ち上げた平向早香さんを迎えています。
前回(02)のお話で、「早香さんらしさ」をまっすぐに育ててくれた大人たちがいたことが、とても腑に落ちました。そんな早香さんが大人となり、子ども達の「らしさ」とどう関わっているのかを聞いてみました。
(元々が友人関係につき、フランクな話し方となっています)
2022.12追記:全文バージョンの公開につき、話題ごとのアップは03までとなりました。
みと森のようちえん にじいろ
2018年7月から親子活動としてスタート。2019年9月に週3回の預かり保育を開始。2020年4月からは週5回になり、7月には「NPO法人スポーツ&スタディクラブ」に加盟。8月には認可外保育施設になり無償化対象となるなど、2年間で基盤が整いつつある。活動の拠点を検討中。
※「森のようちえん」とは北欧発祥の野外保育のありかた。→Wikipedia
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我が子の「らしさ」と向き合う
Q: そもそも、どうして「にじいろ」を立ち上げたのが水戸だったの?
早香: 水戸に永住することは大体決まっていて。ただ、自然と関わる幼稚園が無いことに私はすごく衝撃を受けたの。自分が育ったところでは当たり前に自然と関わってたし、「都市部には色んな考えの人がいるから、きっと自然と子どもの関わりを大事にする人もいるんだろうな」みたいな感じで水戸に来たら「あれ!?」みたいな。
Q: そうなんだ。
早香: あとやっぱりM(息子/第3子)のことが結構大きくて。「男は男らしく」とかあまり好きじゃないけど、MがMらしく生きていくために可能性を広げていくところってやっぱり、既存の幼稚園ではなかったんだよね。私のなかで。最初は市内の幼稚園に通ってたんだけど、「この子が持って生まれた能力を伸ばしてあげたい」って思って、一歩踏み出せたところもある。やっぱり彼の、体力だったりとか体の動きを見てもったいないって思ったんだよね。園舎のある園で先生に言われたことをある程度やる、っていうだけではもったいないって。
Q: で、やるぞって決めたんだ
早香: そう。まあ自然な流れでもあったんだけどね。自分が「にじいろ」を作っていくのと、Mの成長のタイミングがちょうど合ったっていう。
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「にじいろ」のはじまり
Q: 何かを立ち上げるって大きいことだと思うんだけど、さやちゃんの中で何か心に置いたものってあるの?
早香:なんだろう。とにかく「子どもが子どもらしく」っていうか、個性を大事にっていうか。そう生きててほしい。あと私自身、「にじいろが無かったら私、死ぬだろうな」みたいなとこだよね。自分ありきのところは少なからずあったかな。「楽しまないと損でしょ」みたいな。
Q: 個性を大事にすることと、自分が楽しむことか。
早香: そうそうそう。自分が自分であれるっていうか、いられる場っていうか。
Q: 今、「にじいろ」を始めてどのくらいなんだっけ?
早香:預かり保育は始めて1年半くらい。親子活動から立ち上げてからだともうすぐ3年。
Q: 今回インタビュー受けたいって、きっかけは何だったの?
早香: 改めて自分ってどういうことを考えてるか、感じてるのかを言葉にして欲しかった。今の自分って今だけだから。
Q:うんうん
早香: 今4人目を妊娠してて(無事にご出産しました)、多分生まれたらまた違う価値観が生まれたり環境が変わったりするだろうけど、ほんと今を大事に。今、残しておきたいものって何だろうって。
Q: 水戸市の認可外保育施設にもなったしね。
早香:うん。ありがたいことに。
Q: それも結構大きかった?
早香:大きいね。これまで実費で何万円と保育料を払ってもらってて、いかにご家族を少しでも楽にできるかって模索したときに、「やっぱり無償化の枠に入ることなのかな」って思って動き出したわけだけれども。それによって「ほんとに良かったのかな」みたいなところも実際は生じたんだけど。まあ長い目で見たら良かったかなって。敷居的なところとか、公的に認められている場所っていうか。そういうのもやっぱり、今の日本人すごく大事にしている部分って少なからずあるから。でも、まだまだだなって思う。どういう風に良さを伝えていけばいいのかな、みたいなところは。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51566424/picture_pc_2e3e5ab3068d31edc17967b0d6a750b4.jpg?width=800)
にじいろの「良さ」ってなんだろう
Q: 良さが伝わりづらいことがもどかしい?
早香: そう、もどかしいね、すごく。どうしていったらいいかな、みたいな。でもこれってもう体感してもらうしかないって思ってる。だから親子活動を充実させてお母さんたちに体験してもらうことはすごい大きいかな。
Q: そうなんだね
早香:うん。なんか、変わっていくお母さんを私自身何人も見てるから。ちょっと心が解放されたとか、子育ての仕方が変わったとか、そこも醍醐味だなって思う。
Q: そこ知りたい。親の変化ってやっぱりあるんだろうなと思って。
早香:めちゃくちゃある。やっぱり世間体だったりね。例えば子どもが裸足で遊ぶことは良いことだと思ってたり、子どもが裸足になりたいって気持ちを尊重して遊ばせたいと思ってても、「この公園、大丈夫なのかな」って思っちゃうとか。周りの子と合わせようとして自分が苦しくなるみたいな。それがにじいろで過ごすことで「そんなこと気にしなくていいよね」みたいに変わっていく。「子育てが楽になっていく」っていう人はね、すごくいる。
Q: 心が楽になると子育て楽になるんだ
早香: 楽になるね。自分が子どものときお母さんに「これしちゃだめ」「あれしちゃだめ」って言われてた人はやっぱり子どもにもそう言っちゃう傾向があって。でもそれを言わないで過ごしたらすごく生き生きしてる。子どもに何かやらせていいか迷ってるとき、私が「いいじゃん。やらせてあげなよ!」みたいな感じで言うとお母さんが「え!やらせていいの?」ってなって。で、それをやってる嬉しそうな子どもを見てお母さんも嬉しくなって。お家に帰って、子どもが「今日すごい楽しかったね、にじいろ」って言ってくれてて、すごい私も嬉しくて、みたいな。「心に余裕を持って子育てできるようになりました」ってお母さんが言ってくれて。そういうのすごいある。
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Q: その「え!やっていいんだ」っていうのは、例えばどういうこと?
早香: 例えば、お昼ご飯を食べる時間。みんなと一緒にお昼の時間になったら食べる、っていうのがお母さんの中にあって、私が「泣いてるしお腹空いてるじゃん!もう食べな、時間なんていいよ、お腹空いてるんだから」みたいな感じで言うと、もちろん子どもご機嫌になるし。お母さんも「あ、それでいいんだ」みたいな。そんな感じ。
Q: そうか。逆に今食べたくなければ「後でいいんじゃないの」とかね。
早香: うん。「いいんじゃない、後でお腹空けば食べるよね」って、そんな感じ。でもごはんを定時に食べないとか、自分がやりたいことをやるなんていうのは、私の中でめちゃくちゃ当たり前のことだから。お母さんに「もう、ほんと衝撃で!」みたいに言われても、「え、なんで」みたいに思っちゃうところが正直ある。‥んだよね(笑)。ちゃんと分かっていればいいんだろうなっていうのは思うね。
Q: 「え、そこ?」みたいな感じなんだ。
早香:そうそう。だからお母さんが「衝撃でした、こんな感じで過ごす1日」みたいなとか言われたときに、「そうか…」みたいな。だから聞いたりはする。「どこを衝撃だと思った?」とか。
Q: なんかさ、最初の話からいくと、さやちゃん自身の子育てで感じてた息苦しさからの解放(→前回02)と、そのお母さんの変化ってどこか共通するような気もする。
早香:うん。あると思う。私が解放されたように、きっとね。
Q: さやちゃんも前は同調圧力の中にいて、だけど自分の感覚も大事にしてきたって
早香: うんうん。ただやっぱり少なからず、自分が当事者であると分からなくなることっていうのがあるじゃん。なんか自分の感覚が当たり前になり過ぎちゃって。そこらへんもね、もうちょっと気持ちを汲めればいいんだろうなって思ったりはするんだけど。
Q: 汲みたい?
早香:うん… なんか…そうだね、汲みたい、っていうのは… そうだな… ね。今そういうところにいるかも。私は。わかってあげられてないのかなとか。そういうことを感じる。感じてる自分もいる。いるんだよね、きっと。
Q: いまの課題?
早香: 課題。課題かなあ…
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51567034/picture_pc_0dfb4c9c5f2c8a3932a20cab0bf30c8d.jpg?width=800)
「みと森のようちえん にじいろ」の1歩目を踏み出して約3年。小さかった頃からやりたかったことを無事に始めた早香さんが今、ぶつかっている課題や葛藤とは何なのでしょうか。次回(04)へ続きます。
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ゲスト: みと森のようちえん にじいろ 平向早香さん
写真:atacamaki photography
インタビュー:栗林弥生
今回のtakibi場所: アスパイヤの森
薪をご提供いただきました。ありがとうございます!
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takibi INT.
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栗林 弥生 yoyoyayo8181@gmail.com
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