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思い出の跡地に感じる諸行無常。

生まれてこのかたずっと京都に住んでいる。

小中高と京都の公立で学び、大学時代も京都に入り浸り、社会人になってもバキバキの京都系職業呉服関係についているにもかかわらず、京都のことは、あまり知らない。


いや、ほんまいうたら知ってるねんで。


とか言いたいけど、ほんとあんま知らない。多分、京都好きの外国人の方が京都に詳しいと思う。



いやいや。
知らん知らんいうてからに。
そこら辺が京都人やわ〜。



なんて言われると嬉しいけど、やっぱりあんまり自信がない。



とか言いつつも、思い出の場所がないわけではない。

しかし、時代の流れもあり悲しいかな、今では投資目的のマンションやオシャレなホテルに変わってしまっていることも多い。

その代表格が「京劇」。



河原町の三条にあった京劇ボウル。
通称「京劇」

京都の繁華街、河原町界隈でボウリングをしようとなると二つしかない。

京劇 or ラウンドワン。
この二択。

京都人的には、京劇に行く。
ラウンドワンは、あくまで新参者。
河原町でボウリングやゲーセンで楽しむなら京劇。

木屋町と河原町に抜ける小道に立地している京劇。
木屋町で飲んだ後のボウリングという使い方もできる。


雰囲気的には、池袋ウエストゲートパークに出てくるボウリング場に近い。こじんまりしていて、適度に乱雑な店内、お客さんがイライラするかしないかスレスレの接客も味があった。


初めて京劇に行ったのは、中学の頃か、はたまた高校の頃か。さすがに忘れてしまったが、京都シティボーイデビューしたような気がして、きっと嬉しさを感じてた。


京劇の後は、目の前のビル二階にあるカプリチョーザで腹を満たす王道のデートコース。これまた懐かしい。デート慣れしていない初々しいカップルがこの道を通りつくしただろう。


「京劇にいけば、基本的に知り合いの誰かに会う」ってのもベタ。休日、誰かしらが京劇にいた。「京都は狭い」が出まくっている。遊ぶ場所が少ないこともまた京都らしさか。



記憶の片隅にある京劇をたどる。

まず京劇に入ると、タバコのニオイがお出迎えしてくれる。お気に入りの服はすぐにタバコ臭くなり、2階のゲーセンフロアを通るとピコピコドッカンな音がうるさい。

3階のボウリングの受付にいくと、金髪ピアスで目にクマの店員さんが、怠そうに「いらませー」とお出迎えしてくれる。

浜崎あゆみ、モーニング娘。、倖田來未あたりのBGMを聴きながら、案内されるのを待つ。呼ばれるとボウリングシューズを受け取り、提示されたレーンへと向かう。

ゲームを終えた後、食べる自販機のアイスもまたうまし。グリコの17アイスを初めて食べたのも、もしかしたら京劇だったかもしれない。

さて、京劇の跡地には、立派なオシャレなホテルが立っている。京劇のことを全く知らない外国人観光客が出入りしている。

入ったことないけど、妄想してみる。

ホテルの中に入るとどこか知らないブランドのいい香りがふわーんとしてくる。旅の疲れを癒してくれるピアノのBGMが流れている。

「エントランス、いい感じや〜ん。いいホテル予約したね〜」なんて言いながら期待に胸を膨らませつつ受付へ。

髪の毛をシュッと整えた背の高い受付の人がお出迎え、丁寧で聞き取りやすい「いらしゃいませ」をしてくれる。

使い方が不安になるような最新の鍵を頂戴して、部屋に移動。部屋に入るといい部屋だね〜なんて言いながら、荷物を置き、一旦靴を脱ぐだろう。

こんな感じだろうか。

同じ場所でもこうも変わるか。

世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはない

諸行無常。。。

諸行も無常ですな〜。。。



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