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冬のさかむけ。

うぅ。
冬の食器洗いツラいぜ。
うぅ。
逆剥けがしみるぜ。
ヒビが痛いぜ。

冷たいぜ。
冷たすぎるぜ。
お湯を出せばイイのにだぜ。

節約根性むき出し、冷水で食器を洗うぜ。
自己満でしかないぜ。
痛え。痛えよぉ。
悶えながら、冷水に手を晒すぜ。

保湿クリームを塗り塗りしながら、自分の手を見る。

よくも悪くもない手だなぁ。。。

***

昔、20代後半の頃。
茶道のお稽古での出来事。
5人ほどの小さな教室。
仲間は全員若い世代、全員初心者。

お茶のお稽古ではあるものの、全くもって、堅苦しい空気ではなく、同世代で和気藹々とお茶菓子とお手前を楽しんでいた。

その日は、同い年の若い奥さんが亭主となり、お茶を点てていた。楽茶碗にお湯を注いだとき、その様子をみていた先生がポロリと口にした言葉が忘れられない。

〇〇さん、綺麗な手してはるねぇ。

コンマ何秒か空気が冷んやりした。すかさず、みなでツッコミをいれ、笑いにかえる。

先生は、なにも嫌味でいったわけではない。もともと、思ったことは素直に言ってしまうタイプの先生だ。多分、きっと嫌味でいったわけではない。

しかしながら、若い奥さんが柄杓を釜に置いたとき、ボクも手を見てしまった。たしかに綺麗な手だ。言っちゃ悪いがとてもとっても綺麗な手だった。

***

食器を洗い終わった。

タオルで自分の手を拭き、改めて自分の手を見る。

良くも悪くもない手だ。

けどまぁ、綺麗すぎる手よりはいいか。



・こぼれ話

娘が結婚相手を連れてきたら、必ず手を見ようと思ってます。服装や表情は、ある程度の大人であれば、どうにかこうにかしてうまい具合に隠せますが、手だけは隠せないと思ってます。生きてきた証みたいなものが手に出るような気がしてならないのです。


・最後に一曲


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