【読書ノート】思考・論理とは何かー古典を読むシリーズー

古典ではないですが、このシリーズでメモします。

コンサル会社を受けるなら、、、という形で紹介されていることも多い書籍。

業務を行って、数年経ってから自分の経験と当てはめて読んでも気づきが多い。
改めて、書籍の論理構成や主張がシンプルで洗練されているし、大事なことをシンプルにまとめてくれている。

因果というのは非常に複雑である一方で、思考や論理も上手くまとめるとシンプルにまとまる。

■この本を読むと良い人


・分かるとは?思考とは?論理とは?という言葉を深く理解したい人
・社内外の不特定多数の人を巻き込んで業務を進める人

■この本で学べること

・論理の構造とその建て方
・相手の主張に対するレビューポイント(批判ポイント)

■印象的だったポイント


①分かるということと、因果の注意ポイント

分かることは、事象の識別(それは何か、どのようなものか)と事象間の関係性の把握をすること。事象同士の関係は、


・独立関係 OR 相関関係
・相関関係であるならば、単純相関か因果関係かを判断する。


因果の判断は慎重な判断が必要。時系列と意味的連動性を条件に、以下の点に留保する必要がある。


 ・直接的連動関係:事象が結果を直接起こしている要因か
 ・第三要因  :原因と結果の要因以外に影響を及ぼしている要因は何か
 ・因果の強さ:原因のタテとヨコを考えたときに結果に影響する強弱。

実際には、上記の考え方で事象間の因果関係に仮説を立てて、可能であるならばそれが正しいかどうかを検証することが現実的であるように感じる。

②論理を成り立たせる帰納法と演繹法の注意ポイント
論理とは、「主張と根拠を成り立たせること」
主張と根拠を成り立たせる手法として帰納法と演繹法がある。それぞれの注意点は以下。

●帰納法
 ・サンプルが適切か。サンプル数、サンプルの偏りはないか。
 ・抽出するは適切か。細かすぎる、大雑把すぎないか。
●演繹法
 ・前提とする原則は適切か。普遍性が高いのは科学的な定理、普遍性が低いのは個人的な経験による教訓。
 ・前提と根拠が包含関係にあるか。※普遍性の高い前提であっても、主張/根拠に当たるものでなければ無効。

③日常での偏った主張の背景
主張の多くは、「帰納法から抽出」した大前提を演繹法にて用いて論理展開をする。厳密な確からしさを問われないような日常会話における偏った主張はここから生まれる。たとえば、

自分自身の経験を帰納法:自分の周りの友人A,B,Cは英語を勉強し年収が上がった。英語を勉強すると年収が上がる。

演繹法で他の友人にアドバイス:英語を勉強すると年収が上がる。あなたは年収を上げたい。あなたは英語を勉強するべきだ。

実家に帰った時の会話やポジショントーク、成功体験からくる押し付けなどもここからくる。

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