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The Dark Side Of The Moon (Pink Floyd) #私を構成する42枚 より

#私を構成する42枚
より5枚目の紹介はPink Floydの歴史的名盤『The Dark Side Of The Moon』(1973年)です。

今回は『私を構成する42枚 』のトップ1として選出した作品です。
ちょうど今年が50周年ということで、記念盤の発売や各種イベントも行われているようです。
その一つであるプラネタリウム上映作品を、先日鑑賞してまいりました。
場所は有楽町『コニカミノルタプラネタリアTOKYO DOME1』です。

https://planetarium.konicaminolta.jp/program/pinkfloyd/

実は、当初発表分のスケジュールはあっという間に完売してしまい、購入できませんでした。
予想以上の反響の大きさに会場が追加スケジュールをすぐに決めてくれました。
そのチケット販売日も10時にはアクセスしづらい状況が続き、ダメかなと思って2時間後にもう一度アクセスしたところ、土曜日なのに空席がありました!
もちろん、端っこの席でしたが問題ありません。
この歴史的空間をどうしても体験したかったので、即購入。

プログラム内容はSF好きな自分にはとても楽しめましたし、音響も良かったです。
プラネタリウムという空間で、皆が天井を見上げながら『The Dark Side Of The Moon』を通して聴く。何とも贅沢な時間でした。

かように、このアルバムは説明のいらない名盤です。
『The Dark Side Of The Moon』はコンセプトアルバムとしても、総合的な完成度は突出していると思います。ミックスとしてもとんでもなく素晴らしいと感じます。

ギタリストとして一番好きなギターソロは、この『The Dark Side Of The Moon』の『Time』という曲です。ライブ盤もいいですが、スタジオ盤のディレイの深さの中で、とてもドライなチョーキング音がすべてを凌駕するようなインパンクトがありました。
入り込んだ状態で聴くと、自然と涙が出てくる展開です。

このアルバムの一つ前はサントラを除くと『Meddle』(1972年)ですが、そのころに『Live at Pompeii』というライブを含んだ映像ドキュメンタリー作品が公開されます。
もちろん私は生まれる前ですので、これを初めて観たのは町のレンタルビデオショップを色々探して末に見つけたVHSです。
映像的にもとても衝撃を受けたのを覚えています。

イタリアのポンペイ遺跡のコロッセオのど真ん中に機材をセットし、無観客でライブを行います。熱い太陽が照り付ける中、『Meddle』の名曲『Echoes』を演奏します。
長い曲なので、前半と後半に別れており、その間にドキュメンタリー映像と他の曲の演奏が入っています。
その中でこの『The Dark Side Of The Moon』に収録される曲のデモ演奏や実験風景が挿入されます。
『The Dark Side Of The Moon』の完成に至るまでには、数々の実験が行われたことが伺えます。

デジタル時代では簡単であろうことがあるかもしれませんが、重要なのはそのプロセスでしょう。
こうしたい、を貪欲に求め、妥協を許さないことで生まれた完成度は、聴くたびに感じることができます。
それこそがプログレのプログレたる所以ではないかと思います。

当時はアナログレコードでしたので、A面、B面があり、そこでは一端曲の流れは途切れますが、それ以外はすべて繋がっています。

最後に、この作品が半世紀を超えて支持される理由の一つに、アラン・パーソンズというレコーディングエンジニアの存在が欠かせないと思います。
どんなに良い曲や演奏であっても、レコードは総合芸術です。
どの音をどんな音でどこに配置し、どれくらい際立たせるのか、またはゴーストノート的に扱うのかなど含め、レコーディングそのものとミキシングが
とても重要になります。

それを踏まえると、この作品はセールス的な数字も天文学的でありますが、芸術作品としても超一級品であると、いつの時代でもリスペクト可能な歴史的名盤として私は推せる作品です。

と、『The Dark Side Of The Moon』を聴きながら書いていたらちょうど終焉を迎えました。
何というタイミング。。。


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