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イジン伝~桃太朗の場合~

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『イジン伝~桃太朗の場合~』連載投稿を読みやすくするため、この一編をマガジンにまとめます。ご利用下さい。
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2020年4月の記事一覧

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXXII

前回記事【 朗はもと来た道を駆けに駆けた。鬼怒井がこの国の最高権力者に就いたとき以来、“…

白庭ヨウ
4年前

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXXI

前回記事【 屋上からは世界のすべてが見える。朗たちが住んでいる世界は真っ二つにした団子み…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~まとめ(XXXXIII~XXXXIX)

「このあたりのはずなんだけど」  教室に戻るのではなく、犬村は教室棟の端へと朗を導いた。…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXX

前回記事【「もうやめなよ。まずはここから離れよう、ね。ハカセが来たらそれでもうみんなおし…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXIX

前回記事【 話し終えた猿野はぶるっと体を震わせ次いで朗と犬村を交互に見た。 「ハカセはき…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXVIII

前回記事【 何しろオレたちはもうすぐこの廊下を渡りきるところだったから、ハカセはほとんど…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXVII

前回記事【――ハカセが校長室に向かって来てるのがわかってオレたちは急いで引き返そうとした。渡り廊下に躍り出たオレと木地川は急いで出口へ走ったんだが、驚いたことに屋根が閉じて左右から迫ってきたんだ。妙に庇の長い屋根だと思っていたけれどあれは侵入者対策のプレス機だったんだな。のんびりしてたら潰されて人間の平面標本の完成だ。焦ったオレたちは更にスピードを上げて走った。ところがどっこい、あともう少しってところで木地川がこけやがった。絶体絶命。閉じてくる屋根を押し戻そうとしたけどもちろ

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXVI

前回記事【「大丈夫」  木地川が振り返って四つん這いになった猿野に寄り添った。嘔吐の内容…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXV

前回記事【 一人は背の低いやせっぽちの赤鼻少年で、もう一人はひょろひょろした眼鏡の少年。…

白庭ヨウ
4年前

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXIV

前回記事【「このあたりのはずなんだけど」  教室に戻るのではなく、犬村は教室棟の端へと朗…

白庭ヨウ
4年前

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXIII

前回記事【「それで、何なんだ。その、オレへの用事っていうのは」  そう答えてしまって朗は…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~まとめ(XXXVI~XXXXII)

 綺麗な女性が挑むような眼差しでまっすぐこちらを向いていた。見るものの目に飛び込んでくる…

白庭ヨウ
4年前

イジン伝~桃太朗の場合~XXXXII

前回記事【「すごいね。じゃあ僕はハカセに感謝しなきゃ。僕にその役割を与えてくれてありがと…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~XXXXI

前回記事【 母は微笑み食器を机に置くとあのときのように胸を押さえて目をつぶった。 「朗、あなたが今しなければいけないのは成長することよ。お母さんの生きる意味はあなたをきちんと育てること。鬼怒井博士が言っているのはそういうこと。みんながいつもどおり生きていくこと。それが世界を救うことになるの」 「そんなのありえないよ」  朗には世界を救うということがよく分からなかった。自分の生きている街が世界だと言うならそれが失われてしまうことなど想像できなかった。それよりも今学校に行きたくな