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【働く×人生デザイン】自分の原点とは何か

「キャリアコンサルタントになって何年経ちますか?」
「へえ〜、15年ですかぁ、大先輩ですね」
と、最近よく言われるようになりました。自分としては特に何も活躍しているわけではないので変な感じです
そもそもCDAを取得した時は「キャリアカウンセラー」と呼んでいたので「キャリアコンサルタント」という言葉もしっくりきていません。

とはいうものの、気がつけば15年経っていたので、ここらで振り返ってみてもいいかなあと思いました。

●対人支援を目指した直接のきっかけ

結婚を機に仕事を辞めて大阪から滋賀に来た私。
当時は親とも友達とも離れて、知らない土地で日々引きこもって暮らしていました
車の免許も持っていたけれど、ロクに運転できなかったし、どこにどんな店とか場所とかあるのかわからなかったので、引きこもって漫画書いているかゲームしているかな日々でした。

で、子どもが幼稚園に行くようになり、仕事を探そうとしたら、自分が今までやってきた仕事がなくなっていました。
というかコンピュータを使ってする仕事に取って代わられました。
ではパソコンの資格を取ってパソコンを使う仕事をしようと思って「初級システムアドミニストレーター(現:ITパスポート試験)」を独学で勉強し受験しました。
パソコンが家になくてもペーパーテストで受けられるので、なんとかなるやろうと思ったのです。

資格取得をキッカケに、ITサポーターの仕事を紹介してもらい、その後、高校の情報教育サポーターを経て、職業訓練のパソコン講師を担当することとなりました。

で、訓練生にパソコンを教える立場だったのですが、就職の相談やら人生相談やらを受けることとなり「これはちゃんとした専門性を学ばないといけないなあ」と感じ、CDAの養成講座を見つけて資格取得を目指しました。
当時はキャリア支援の資格で、滋賀にいながら通学で通える講座が産業カウンセラーかCDAしかなかったのです。
産業カウンセラーの10ヶ月間連続で通うことが条件で、家と自治会の付き合い上難しいのでCDAにしたのでした。

●対人支援を目指した背景

自分の人生を振り返ると、対人支援に対する原動力って何かな〜と考えたら
「学びたい」
「先入観にとらわれない」
「居場所がほしい」

の3点かなあと思います。

「学びたい」は、実父が中学3年生の時にすい臓がんで亡くなったことが大きいです。
それまでは大学進学を目指して塾通いしつつ勉強も頑張っていたのですが、父の病気が発覚した中2の秋からは「父がいなくなったらどうなんだろう」「収入が閉ざされたら高校進学も難しいんじゃないか」「高校卒業したら働かないと生きていけないのでは」という考えが頭から離れなくなりました。
で、父が亡くなってから母がメンタル不全に陥り、家出を繰り返すようになったのでした。
祖母がいなかったらおそらく高校進学も難しかったんじゃないかと思います。
この時に学べなかったという思いが強く、今は勉強するのが楽しいと思える理由だと感じます。

「先入観にとらわれない」は私の育った環境にあります。
私の生家は私が生まれた頃は寂れていましたが、戦前は繁華街だったところです
その名残で、家の向かいが暴力団事務所。
しかし、そこの親分さんはめちゃ子ども好きで、近所の子ども集めてキャッチボールしたり、事務所でお菓子食べさせてくれました。
私の人生初の「生クリームケーキ」もそこの事務所で食べさせてもらいました。(昭和40年代はバタークリームケーキが全盛でした)

父が亡くなった年の夏に、祖母と一緒に家の玄関で掃除と水撒きしていた時に、家の門(昔、旅館をしていたので立派な鉄の門があったのです)にヘビが巻き付いてました。
図鑑で調べてみたら「マムシ」だった!
それから慌てて警察に電話し、保健所に電話し、とにかくヘビを駆除してほしいと頼み込んで、お巡りさんと保健所の職員さんにきてもらったんですがどうもできず(都会にマムシが出ることないので、近隣の病院に血清もありません)ただ見てオロオロするばかり。
で、玄関先でワイワイやってる時に、親分さんが「何しとんのや」とやって来ました事情を話したら事務所に「銛」を取りに戻って、マムシの頭を一撃で突き刺し「うちでマムシ酒にするわ〜〜おおきに〜〜」と銛ごと担いで持ち帰っていきました。
「遠くの親類より近くの他人」ということわざがありますが、まさに「行政サービスより近くのヤクザ」な状態です。

この経験から人の本質とは何かとか、見た目と中身の違いとかを考えるようになりました。

「居場所が欲しい」は最近そう気づいたのですが、実は以前からそう思っていたようです。
そもそも実母が「自分の親に育ててもらっていない」ことから、子どもと遊ぶということをしない人でした。
思い返せば、祖母とテレビ見ているか、父と公園行くかゲーセン行くかな感じやったなと
後に母と再婚した父も「なんでお母さんは子どもに愛情を注がへんのやろう」と疑問を口にしたくらいです。

これまで何かしら人を集めて何かやるようなことに多く関わってきて、「場づくりが好きなんですね」と言われることもあったのですが、自分としては「場づくりが好き」でもないなあと思っていました。
人と一緒にいることが好きって訳でもなく、人としゃべるのが好きってことでもなく、自分でも疑問に思っていました。
むしろ一人でフラっとどっかに行ってぼーっとしてることの方が好きなくらいです。

でも、最近、どこにいても「居場所」と感じられないからなのでは、と思うようになりました。
だから場をつくって、何が自分にとって居心地がいいのかを探索しているのではないかと感じます。

「自分の原点とは何か」と問われたら、「先入観にとらわれない」仲間同士で「学べる場」を作りたいのです。
その道の途上にキャリアコンサルタントがあったのだと思います。


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