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変わらないために、変わり続ける~生命を維持する方法~

こんにちは!!大学院生の優です。
今日は、大学時代そして現在の大学院でも生物学を専攻している僕が、
ぜひお勧めしたい生物学の本をご紹介させていただきます。

ちなみに、2もあります(笑)

結論から申し上げますと、

絶えず分解し続けることが重要

ということです。かなり抽象的なのですが、我々人間を含めた生き物は毎日食べ物を食べないと生きていけませんよね。当たり前のことなんですが、これが非常に重要なことです。

とある有名なユダヤ人科学者に、ルドルフ・シェーンハイマーという人がいました。彼は、食べ物が哺乳類の体内をどのように通り抜け、排泄されていくのかに興味を持ち、アイソトープというバッジを食べ物につけて、そのバッジ付きの食べ物をマウスに与えました。この実験結果は、なんとバッジが排泄されることなく体内に残っており、しかも全身に散らばっていたのです。しかも面白いことに、体重の変化はありませんでした。驚きの結果ですよね(笑)

僕たちの体って、外の世界と繋がっているいわば空気の通り道なんですよね(笑)筆者は、人間の消化管はまさに外界と接触する管であると言っています。でも、なぜか僕たち人間は、自然環境と人間を区別して考えたがるんですよね。自分自身も環境の一部なのに。

地球上の生物には、それぞれ「環世界」があると言われます。
環世界とは、それぞれの生き物が互いに全く別の世界観を持っているということです。人間にも本来はあったはずなのですが、進化の過程で支配欲が大きくなってしまったばかりに、どんどん他の生物の「環世界」に入り込んでいきました。その代表的な例として、農業や家畜があると思います。人間の歴史は振り返れば、支配の歴史とも言えると思います。暦を作って時間を支配し、農業や家畜を行い動植物を支配し、国を作って土地を支配する。そして、現在ではロボット工学や生物工学、データを用いることで、人間をも支配しようとしています。支配欲が高まるあまり、シェーンハイマーの動的平衡論は淘汰され、デカルトの機械論が選択されました。人間を機械の一種と考えることで、臓器や細胞、そして精子までもが”部品”と見なされ、売買されるようになりました。そしてこれからも私たちを支える体内組織は、今までと変わらず”部品”と見なされたまま、科学技術が進行していくことになります。

ここで一度、人間と機械の違いを再認識しておく必要があると思います。
人間は生きていて、機械はもちろん生きてはいない。ということは、「生きている」とはどういう状態かを理解すればいいわけです。この説明に入る前に、「エントロピー増大の法則」について、解説させていただきます。もしかしたら物理の授業で聞いた方もおられるますよね(笑)地球上では、どんなに秩序だったものでも、必ず”乱雑さ”が増大します。例えば、鉄なら錆びていくし、植物なら枯れていくし、人間なら老いていきます。具体的な例を挙げると、分かりやすくなりましたかね(笑)つまり、この法則は客観的な事実なので、どんな生き物も逆らうことができません。てことは、我々人間はできるだけ年老いていく速度を下げるため、体を新しく作り変えていると言えるわけです。だから生物学の授業で、よく”酸化と還元”とか”合成と分解”とかが出てくるわけです。よって「生きている」とは、エントロピーが増大するより先んじて体内組織を作り変えること、と言えます。

つまり、生命は絶えず先回りして分解することで、組織を維持しているわけです。永続的にものを維持しようと思えば、あえて壊れやすく作り、分解しやすくするということです。近頃は、サステナビリティや多様性という言葉が色んな所で出回っていますが、あなた自身が一番サステナビリティが高いです(笑)何も学ぶことではありません。周囲にある自然環境に、少し足を踏み入れればより理解ができます。これって、組織にも言えると思います。企業では大量に人を解雇すると、世間から非難されます。また、人をクビにすることは、非常にマイナスな印象を持たれがちです。でも、我々が住んでいる地球環境は、38億年間絶えず分解を繰り返してきました。企業や国を持続可能にするヒントは、実は身近な自然から得られるのかもしれません。

以上!!ありがとうございました。

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