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「最上の皮革製品を作る」~エルメスの原点~

皆さん、こんにちは!!優です。
昨日、京都市の京セラ美術館にて開催された「受け継がれるエルメスのクラフトマンシップ」展に参加してきました。必要なのは事前予約のみで、参加費も無料であったため、参加された方も多いのではないでしょうか。この記事では、実際に参加して感じた感想についてお伝えさせていただきます。

感想を書く前に、やはりエルメスのロゴマークに込められた思いをお伝えする必要があります。皆さんは、エルメスのロゴマークをご存じでしょうか?

エルメスのロゴマーク


このマーク、よく見てみると少し違和感がありませんか?
そうです。馬車に人が乗っていません。実は、ロゴマークには

・馬車
・従者

この三つしか記載されていません。となると、主人は誰?と思いますよね(笑)もちろん主人は、お客様(ユーザー)を意味します。さらに、

・馬車 → 商品
・従者 → 職人

を意味しています。つまり、このロゴマークに込められた意味とは、エルメスの職人たちが一つ一つ丁寧に作り上げた商品(オブジェとも言うらしい)を卸すのは、あくまでもお客様だということです。ロゴマークに込められた意味を知ると、ブランド商品を見る目が大きく変わると思います。

(感想)
1837年の創業当時は高級馬具工房として走りはじめ、多くの貴族階級を顧客にしていたようです。貴族階級の移動を支えた馬車。その馬車を支えるには、馬にとっても乗車する顧客にとっても心地良いものでないといけません。その背景には、長期間かけて育成された職人が、一つのオブジェの全工程に携わるという職人の思いにありました。現在でも馬具を作成しているエルメスですが、創業当時の工房の様子を想像させるような気迫を感じさせる実演でした。
時代が変わった現代でも、昔と変わらず人間が普段から身に着けるバッグや時計、さらにジュエリーに至るまで、長く愛用し、共に生涯の多くの時間を過ごすオブジェを提供しています。20世紀前半に、自動車の登場によって交通手段が変わっても、エルメスの職人が支えるコア技術を活かすことのできる皮革製品へと臨機応変に舵を切ったエミール・エルメスを初め、一族経営のDNAが細部にまで継承されていることを目の当たりにすることができました。原材料の調達から加工、そして世界に点在するメゾン(店舗)に至るまで、顧客の手に商品が渡るまでの一連の工程がすべてオーダーメイドであるかのように感じさせる工夫があります。ブランドに込められた意味を起点として、ロゴ、職人技術、製造工房、そしてオブジェの全てが一貫し、そして継承されている姿はまさに芸術としか言いようがありません。いつの時代にも多くの人に認知され、身に着けたいという意識を芽生えさせるエルメスのブランディング戦略は、職人の手先にまで浸透していると思います。
現在、日本の景気は低迷し、円の価値も下落してしまい、高価な外国製商品によって日本製の商品は淘汰されています。ダイソンを初め、多くの製品は、実は日本製品と機能性の面でそれほど大差はありません。我々がなぜそれほど高価な海外製品を欲しがってしまうのか。エルメスやグッチなどの高級ブランド製品の戦略から学べるのではないか、と思います。ブランド商品を身に着ける人、それが販売される場所、店舗、販売スタイル・・・。
挙げればきりはないですが、それら一つ一つに価値を感じさせる秘密があります。人間は部屋の様式を統一するのが好きなように、各ブランドにも統一感を強く求めるのかもしれませんね(笑)

以上で終了です!!あざっした。

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